2019年10月28日月曜日

LME49600_HPA V2.1 入出力チェック

設定は以下の通りです。

JP1,JP3: Open: サーボあり
JP2,JP4: Open: Bandwidth 110MHz (narrow)
R3,R9: 47kΩ: ACカップリングあり fc≒1/(2*π*R*C)≒1.54Hz
R8,R14: 1kΩ: 3倍増幅

負荷は100Ωの酸金を3本並列にして33.3Ωとしました。


電源は旧版のLME49600 HPAで常用しているトロイダルトランスを使った±9V安定化電源です。

オシロで測定


L Channel 無負荷

ch1:入力 ch2:出力(以下同)

L Channel 33.3Ω負荷

R Channel 無負荷

R Channel 33.3Ω負荷

L/Rチャンネルとも33.3Ωの負荷をかけても測定誤差程度の差で、3倍増幅をキープできています。

WaveSpectraで測定


WaveSpectraのRMS値が-10dBになるようにオーディオインターフェースの入力POTを調節して測定しました。

信号源: PCM5102A_FG + 4次バターワースLPF
Audio I/F: Tascam US-144MKII MIC/LINE入力

入力


L Channel 入力 電源OFF

L Channel 入力 電源ON/無負荷

L Channel 入力 電源ON/負荷33.3Ω

信号源を基板に接続して電源を入れると入力信号にノイズが現れるようです。商用電源由来のものでしょう。

L Channel 出力 無負荷

L Channel 出力 33.3Ω負荷

負荷をかけても出力の歪率に影響はないようです。

R Channel 出力 無負荷

R_Channel 出力 33.3Ω負荷

R Channelも同様です。

ひとまず、無事動作しているようです。

試聴できる環境になれば、ACカップリングを入れたり外したり、サーボをかけたり外したり、部品をオーディオグレードのものにしたりしてみたいと思います。

LME49600_HPA V2.1 はんだ付け完了

表面

裏面

動作確認のようす

入出力

ch1:入力 ch2:出力(無負荷)

3倍増幅で無事動作しているようです。

はんだ付けにかかった時間は部品のフォーミングを含めて2時間程度でした。3,000円弱の出費ではんだ付け作業はずいぶん楽になりますね。

気になった点

  • C11,C12,C20,C11のシルクの位置をミス。
  • テスト用のGNDテストポイントを付け忘れていた。
  • 入力のACカップリングはバイパスできるように半田ブリッジ用のパッドをつけておいた方がよかった?
  • 半田ブリッジ用のパッドは裏面で統一したほうがよかった?

もう少し動作状態を確認して、USB DACのPCM2704につないでみたいと思います。

2019年10月25日金曜日

470uF 1.0uF 0.1uF コンデンサ比較

LME49600_HPAに使うコンデンサの品種を決めるために、手持ちのコンデンサの特性を比較しました。

電源系の470uFの電解コン、フィルタに使う1.0uF、0.1uFのフィルムコンデンサです。

秋月が小型のフィルムコンデンサ(FAITHFUL LINK / MEM)を扱ってくれるようになったので、これも仕入れてテストしました。

LCRメーターのDER DE-5000による測定です。

470uF電解コンデンサ


比較対象として470uFのOSコンも測定しました。


右から、Muse、LZH、PK、WXA、OS。

Muse Nichicon UKZ(Muse) 470uF 25V 85℃
ZLH Rubycon LZH 470uF 35V 105℃
PK Rubycon PK 470uF 25V 85℃
WXA Rubycon WXA 470uF 16V 105℃
OS OS-CON SPEC 470uF 16V

容量


Freq(Hz) Muse ZLH PK WXA OS
100 404.4 420.1 418.6 430.1 463.2
1000 384 402 399 391 450
10000 190
100000

※空白は測定不能

誘電正接


Freq(Hz) Muse ZLH PK WXA OS
100 0.032 0.024 0.057 0.158 0.011
1000 0.1 0.088 0.345 1.295 0.039
10000 5.8
100000

ESR


Freq(Hz) Muse ZLH PK WXA OS
100 0.1 0 0.2 0.5 0
1000 0.04 0.03 0.13 0.52 0.01
10000 5.8
100000

MuseとZLHはOSコンに近い特性です。ZLHは比較的小型なわりに健闘しています。nichicon MUSEは見た目からしていい音奏でてくれそうです。

1.0uFフィルムコンデンサ


比較対象として1.0uFの電解コンデンサも測定しました。


左からWIMA、TDK、Faithful、POL。

WIMA Wima MKS2 1.0uF 63V
TDK TDK MKT 1.0uF 63V
Faithful Faithful Link MEM 1.0uF 100V
POL Panasonic M 1.0uF 50V 85℃

容量


Freq(Hz) WIMA TDK Faithful POL
100 990.6 1066.5 1025.9 1100.1
1000 987.3 1062.5 1022.5 1075.2
10000 978.4 1052.4 1012.7 1009.5
100000 929.5 985.4 949.3 904.9

誘電正接


Freq(Hz) WIMA TDK Faithful POL
100 0 0 0.001 0.009
1000 0.003 0.003 0.003 0.038
10000 0.011 0.009 0.006 0.099
100000 0.062 0.021 0.018 0.601

ESR


Freq(Hz) WIMA TDK Faithful POL
100 1.4 1.3 1.9 14.4
1000 0.64 0.54 0.61 5.6
10000 0.18 0.13 0.13 1.57
100000 0.1 0.03 0.03 1.05

WIMAは100kHzの誘電正接が若干悪いようです。

0.1uFフィルムコンデンサ


比較対象として0.1uFの積層セラミック・コンデンサも測定しました。


左からRubycon、Faithful、MLCC。

Rubycon Rubicon MPS 0.1uF 250V
Faithful Faithful Link MEM 0.1uF 100V
MLCC Murata RDE 0.1uF 50V

容量


Freq(Hz) Rubycon Faithful MLCC
100
1000 101.39 100.53 104.92
10000 100.25 99.5 100.87
100000 98.04 97.2 93.47

誘電正接


Freq(Hz) Rubycon Faithful MLCC
100
1000 0.004 0.003 0.021
10000 0.01 0.009 0.023
100000 0.027 0.02 0.015

ESR


Freq(Hz) Rubycon Faithful MLCC
100
1000 6.94 6.3 33
10000 1.64 1.58 3.65
100000 0.44 0.34 0.27

MLCC(積層セラミック・コンデンサ)は測定中に値がふらつき安定するまで時間がかかりました。

Faithful Linkは特性がよくサイズも小さ目なので使いやすそうです。

LME49600_HPAはまずは普及品クラスの部品を使って実装してみるつもりです。

2019年10月23日水曜日

LME49600_HPA V2.1 プリント基板到着(Fusion PCBより)

USBヘッドホンアンプ:PCM2704_HPAのヘッドホンアンプ部に使う予定のLME49600_HPA V2.1のプリント基板が到着しました。

業者はFusionPCB(Seeed)に依頼しました。製造費は$4.9ですが、配送料に$17.45かかりました。配送業者はOCSです。合計$22.35で、PayPalを使って日本円で2,535円でした。

10月16日発注、10月23日到着でリードタイムは7日でした。

一番外側の梱包材はOCSのもの


中の梱包材はSeeedのエア・クッション付きの紙封筒


プリント基板は片面エア・クッションのビニールでシュリンクされてました。紙封筒のエア・クッションと合わせて基板の両面が保護されていました。


表面

LME49600の表面実装の部分のレジストがどうなってるか心配でしたが、無事抜けていました。

裏面

SeeedのWebサイトで進捗が確認できて安心でした。


部品を調達して動作確認したいと思います。

2019年10月21日月曜日

わたくしすっかりアナログ人間になってしまったようです。


今月もトラ技買ってしまいました。

なになにRISC-V & AIだと←ふ~ん、今月もパスかな

何?!付録のアナログウェアが「セラコン活用」だと?!←夕食は家で食うことにして購入

ウィーンブリッジ発振回路の2つの抵抗の誤差

ウィーンブリッジ発信回路の発振周波数を2連POTで制御するとき2つのチャンネル間の誤差がどれぐらい特性に影響を与えるか実験してみました。

シミュレーション回路図

R4とR5が2連POTです。実験のためR4=4.7kΩとし、R5は3.9kΩ+αΩのRを直列にして誤差を作ることにしました。
3.9kΩ+560Ω=4.46kΩ
3.9kΩ+680Ω=4.58kΩ
3.9kΩ+820Ω=4.72kΩ
3.9kΩ+1kΩ=4.9kΩ
3.9kΩ+1.2kΩ=5.1kΩ
過渡解析

R4とR5の誤差によって振幅が大きく変わります。OPAMPの正帰還に入っているバンド・パス・フィルターの選択度が誤差により変わるためでしょう。

バンド・パス・フィルター部分のみ取り出してシミュレーションしてみました。

シミュレーション回路図

過渡解析

バンド・パス・フィルター部の特性は誤差があってもそれほど大きく変わらないようですが、発振回路に入れると大きく影響するようです。

ブレッドボードで回路を組んで実験してみました。

ブレッドボード図


電源電圧: +9.05V / -9.03V
R1(5kΩ Trim)の抵抗値: 2.04kΩ

3.9kΩ+470Ω=4.37kΩ

3.9kΩ+560Ω=4.46kΩ

3.9kΩ+680Ω=4.58kΩ

3.9kΩ+820Ω=4.72kΩ

3.9kΩ+1kΩ=4.9kΩ

3.9kΩ+1.2kΩ=5.1kΩ

3.9kΩ+1.5kΩ=5.4kΩ

発振せず。

シミュレーションと似たような結果になりました。

出力振幅さえうまくカバーできれば2連POTのチャンネル間の誤差が多少大きくても発振してくれるようです。シミュレーション回路図のR4の値で増幅率を変えられるのである程度融通が利くと思います。

歪率は測定していませんが、波形を目で見た限りではそれほど歪んではいないようです。

オーソドックスなウィーンブリッジで低歪率を要求されることはそれほどないと思いますし。

【追記:2019.10.23】

比較抵抗値(Ω) 4700
ベース抵抗値(Ω) 3900

直列抵抗値(Ω) 合成抵抗値(Ω) 誤差
470 4370 -7.02%
560 4460 -5.11%
680 4580 -2.55%
820 4720 0.43%
1000 4900 4.26%
1200 5100 8.51%
1500 5400 14.89%

2019年10月15日火曜日

USBヘッドホンアンプ:PCM2704_HPA ヘッドホン・アンプ部

ヘッドホン・アンプ部は「LME49600ヘッドホンアンプ Ver.2」をほぼそのまま使ってプリント基板を焼こうと思います。

CADはKiCADを使いました。使い方は主にトランジスタ技術2019年8月号を参考にしました。DVDがわかりやすいです。



回路図

サーボの無効化、帯域制限を半田ブリッジで設定できるようにしました。また入力をACカップリングできるようにしました。ACカップリング不要な場合はC5、C14をジャンパで短絡し、R3、R9を実装しないことで対応できます。

電源用の電解コンデンサーは2本並列にして容量を増やせるようにしました。

基板図

3Dビューワー機能があるので表示させました。




レイトレーシングするとなかなかリアルです。部品の配置の確認ができて便利ですね。

メモ:


KiCADはPNGなど画像ファイルにエキスポートできない?