2020年4月30日木曜日

AnalogDiscovery2でOPAMP比較(バイポーラ入力)

OPAMPの特性は何度となく測定していますが、AnalogDiscovery2を使って改めて測定しました。

今回は手持ちのバイポーラ入力のオペアンプです。


測定回路はやっつけで作ったOPACHK-VFを使用しました。仮想GNDを作り出すTLE2426を使ったボルテージフォロア回路です。


電源は単3電池x10本です。

測定開始時の電源電圧は

+7.16V / -7.16V

終了時の電源電圧は

+6.94V / -6.94V

でした。本当は定電圧源で測定するべきだと思いますが、回路を組み直すのおっくうなのでひとまず。

ICクリップを使って1kΩの負荷抵抗を入れています。

AnalogDiscovery2で100Hz~10MHzのAC特性と500kHzの矩形波を入力した応答を測定しました。

AC特性


NJM4558D

NJM4556AD

NJM4580DD

NJM2114DD

NE5532P

uPC4570C

NJM2068D

MUSES8820


LME49720

過渡特性


NJM4558D

NJM4556AD

NJM4580DD

NJM2114DD

NE5532P

uPC4570C

NJM2068D

MUSES8820


LME49720

LTSpiceによるシミュレーション


同じ回路でLTSpiceでシミュレーションしました。OPAMP2でNJM4580のマクロモデルを指定すると過渡特性はシミュレーションできましたが、AC特性はおかしな結果になりました。

過渡解析

AC解析

AC解析をUniversalOpamp2で行った場合、減衰の仕方や位相の回り方が異なりますが、まあこんなもんかなという結果です。

過渡解析

AC解析

2020年4月27日月曜日

ERK01: Dual OTA VCAをEurorack化完了

フロントパネルを取り付けて、ラックにマウントしました。DUAL_OTA_VCAは2ch仕様ですが、パネルのサイズがでかくなるので1chのみ使っています。




インターフェイスを外だしすると操作性は格段によくなりますね。

AnalogDiscovery2のWavegenのch1をVCO、ch2をLFOとして音出しテストしました。



ch1の100hzののこぎり波をch2の5Hzののこぎり波で振幅変調しています。100kHz付近までのこぎり波の倍音が出ています。

AnalogDiscovery2はDACも14bit/100MHz(sps)が2系統搭載されているので、波形発生器としても非常に優秀です。

自作の機器を組み合わせれば同じことができますが、コンパクトな筐体がありがたすぎます。つまみがないのでリアルタイムな演奏には不向きですが、Waveformsでかなり凝った波形も生成できるので、あたかもNI ReaktorやMAX/MSPのように使えるフィジカル・デバイスだと思います。

メモ:


今回作ったパネルは、一番上のPOTとラックのレールが干渉します。設計時にレール分の幅を考慮する必要あり。

パネルのサイズが若干大きい。パネル外形の高さ、幅はレールの寸法より1~2mm程度小さくしておいたほうが良さそう。

2020年4月20日月曜日

ERK01: Dual OTA VCAをEurorack化する

ERK01に最初に搭載するモジュールとしてプリント基板を焼いていたDual OTA VCAをはんだ付けしました。

フロントパネルに基板を垂直に取り付ける方法は、いろいろ悩んだ末、秋月で売っているキューブ型のスペーサーを使う方向でやってみることにしました。



↑このような感じでフロントパネルに取り付ける予定。


動作確認は最初、自作した測定器を使いましたが、AnalogDiscovery2に置き換えるとにコンパクトに動作確認できました。

自作の測定器によるテスト




ch1:出力波形 ch2:モジュレーション波形

1kHzの正弦波を入力して低周波数のノコギリ波で振幅変調しています。

使った機材


AnalogDiscovery2によるテスト






電源は±5Vとし、1kHzの正弦波を入力して100Hzの三角波で振幅変調しています。

要件にマッチすればAnalogDiscovery2は強力な測定器だと思います。

メモ:


Dual_OTA_VCAはリニア変調

Arduino LFOは時定数がでかすぎてバイアス電圧調整の反応が鈍い

2020年4月14日火曜日

10uFの電解コンのインピーダンスをAnalogDiscovery2で測定しました。

スルーホールにぶっさす足のあるタイプなので厳密には言えませんが、共振周波数はだいたい150kHz~200kHzでしょうか。

ニチコン草津操業停止で供給止まったらどうすればいいか。どの工場で何作ってるか。



2020年4月7日火曜日

Behringer UMC404HD購入。ファーストインプレッション。

BehringerのUMC404HDを購入しました。USB接続4in/4outで24bit/192kHzという(仕様上は)かなりハイスペックなオーディオインターフェースです。

Behringerはここ数年アナログ・シンセでほんまに大丈夫かいな?みたいな製品をいっぱい出していますが、いつからかわかりませんが日本代理店があのエレクトリになっています。エレクトリの他の取り扱いメーカーは2桁ぐらい価格帯が違うんじゃないでしょうか?

サウンドハウスでもエレクトリの直販でも価格は同じですが、サウンドハウスで在庫品10%オフセールをやっていたので購入しました。機材はだいたいいつもサウンドハウスで購入してるんですが、サウンドハウス価格から10%オフは魅力です。


同梱物はいたってシンプルです。ASIOドライバもネットでダウンロードする必要があります。付属のソフトは何もありません。(なのにシールは付属)

筐体はメタルケースでずっしりと重く、POT類の操作感もまずまずです。

サウンドハウスのホームページには「ACアダプタは付属しません」とありますが、同梱されていました。ACプラグは交換可能なものでUSタイプが付属していました。


PSEマークはエレクトリのシール(笑)。ACアダプタのDC側のプラグはセンター・マイナスなので、よく知らない人が普通のセンター・プラスのACアダプタを繋いだらめんどくさいことになるんじゃないかと思います。逆電圧保護はされているとはおもいますが。

付属のUSBケーブルはノイズフィルター付きのものです。


こういう場合は素直に付属のケーブルを使ったほうがいいと思います。

入力: WaveSpectraでFFTしてみる



自作のPCM5102A_FG+4次VCVS_LPFで1kHzのサイン波を出力し、ch1にLINE入力してWaveSpectraでスペクトラムを見てみました。


以前TASCAM US-144MKIIで測定したものと比べると、THD、ノイズとも大きくなっています。

また、15kHz付近などに折り返しノイズのようなものも見られます。入力前段のLPFがあまり効いていない感じです。

まだうまく使いこなせていない可能性はありますが、あまり期待しないほうがよさそうです。

出力: ヘッドホン出力をオシロで観測


WaveGeneで1kHz/-0dBのサイン波を出力し、ヘッドホン端子からの出力を無負荷で測定しました。

ボリューム(PHONES)を上げると波形が歪むので波形を見ながら調節しました。

PHONES: 12時の位置

PHONES: 1時の位置

12時の位置で、ギリギリ歪むか歪まないかです。このときVaが3.080Vとなっています。1時の位置まであげると波形の上下がクリップし、Vaが4.000Vとなっています。電源が5Vなのでまあこんなもんでしょう。

波形の線が太くなっているので拡大して見てみました。


ノイズの波形ではなく、規則性を持った波形です。山の間隔が2~3us程度のようなので逆数をとって500kHz~300kHzあたり。出力段のアンチ・エイリアシング・フィルタもあまり効いていない感じです。

まとめ


仕様上は24bit/192kHzですが、いわゆるハイレゾ機器とは言えないと思います。出力電圧も低いので、入力インピーダンスの高いヘッドホンで聞くとがっかりすると思います。

ただし、UMC404HDのメリットは4入力可能でミキサーとしても使えることです。ADC/DACが4個ずつ入って17,000円程度とは、さすがBehringerだと思います。原価を考えると、この仕様で利益が出るように設計しろと言われたら…「この鬼!悪魔!殺す気か!」とつぶやいて会社やめると思います。


キッチンラックの上に合板を敷いて、ノートパソコンの下に収めました。貧乏音源製作環境にはちょうどいい感じです。