2020年3月30日月曜日

Eurorack: ERK01 電源部完成

EuroRack用の電源基板(ERK01_PSU)をはんだ付けしました。

回路図

基板図

部品面

ハンダ面

スイッチング電源VT-60に接続

デカップリング・コンデンサはOS-CONにしました。12V電源で16V品を使うのは若干心配ですが、OS-CONは長寿命らしいので運用して様子見です。

470uF電解コンデンサーのインピーダンス特性


手持ちの470uFの電解コンのインピーダンス特性をAnalogDiscovery2のインピーダンスアナライザで測定しました。


インピーダンスアナライザ使い方は以下の記事を参考にしました。
「迷走の果て・Tiny Objects」さんの「ANALOG DISCOVERY 2:インピーダンスアナライザー
「アナログ回路のおもちゃ箱」さんの「Impedance Analyzer Imterface-6 (補正と測定)
「DIGILENT」の「Using the Impedance Analyzer

測定したコンデンサ

左からOS-CON、MUSE、UTSJ、PK、KMG、WXAです。

OS-CON: Panasonic SPEC 470uF 16V
MUSE: Nichicon MUSE UKZ 470uF 25V
UTSJ: Toshin UTSJ 470uF 25V
PK: Rubycon PK 470uF 25V
KMG: Nichicon KMG 470uF 16V
WXA: Rubycon WXA 470uF 16V

OS-CON

MUSE

UTSJ

PK

KMG

WXA

比べてみると東信のUTSJは小型の割に健闘していますね。MUSEと比べるとESR(|Rs|)は若干高いですがリアクタンス(|Xs|)はリニアでMUSEより高周波数まで伸びています。見た目もシルバーでかっこいいと思います。

OS-CONとMUSEはさすが低ESR品です。100mΩ以下の測定値になっています。

470uFのコンデンサのリアクタンスX=1/ωCなので

10kHz: X = 1 / (2 * 3.14 * 10[kHz] * 470[uF]) = 33.9[mΩ]

となりグラフの目盛を見ると、KMG、WXAは直線性が保たれていません。電源のデカップリング用途ならそれほど精度は必要ないと思いますが。

電源ノイズ

負荷抵抗を入れて出力ノイズを測定しました。

負荷抵抗
±12V: 100Ωx2並列 RL=50Ω IO=±240mA
+5V: 50Ωx3並列 RL≒33Ω IO=+150mA

出力電圧
+12V: 12.10V
-12V: -12.12V
+5V: +5.009V (調節可)

±12V

ch1:+12V ch2:-12V

+5V

目盛から読み取って1周期5.4us程度なので、ノイズの周波数は185kHz程度です。VT-60の仕様書によるとスイッチング電源の周波数は180kHzとなっているのでVT-60のスイッチングノイズがそのまま現れています。

+5VはVT-60の出力そのままなのでノイズレベルも500mVpp程度と大きくなっています。

AnalogDiscovery2のScopeでも測定しました。AC/DC結合の切り替えはBNCボードのジャンパで行います。

電源OFF時

±12V

+5V

ノイズが多いのでいずれVT-60とERK01_PSUの間にノイズフィルター的なものを入れるかもしれません。

2020年3月14日土曜日

Eurorack: ERK01 電源部の構想

MDFを使ってEurorackのガワを製作しました。精度は出ていませんが、タカチのレールがしっかりしているので実用できそうです。





プロジェクト名はERK01としました。いつもながら安易な命名です。

平置きしているDASS01のモジュールをラックマウントしていく予定。

Eurorackの電源


±15V/+5V出力のスイッチング電源VT-60と三端子レギュレーターを使って±12Vの電源としていましたが、Eurorackの仕様に従って電源部モジュールを新たに製作することにしました。

Eurorackの電源コネクタの仕様




10Pin x 2のボックスヘッダを使って±12V/+5Vの電源を供給し、バックヤードでCV/Gateを通す流儀のようです。2列のピンを短絡するなど、なんとも贅沢な使い方です。

参考: 
「Technical Details A-100」 http://www.doepfer.de/a100_man/a100t_e.htm
「Electronic things… and stuff」 http://www.davidhaillant.com/

Eurorackの電源モジュール: ERK01_PSU


現在使用しているVT-60は±15V/+5V出力ですので、三端子レギュレータを使って±15V→±12Vに降圧し、+5Vはパス・スルーします。元となる電源のVT-60がしっかりしているので、電源モジュールはシンプルに構成することにしました。

回路図

基板図

3D表示

部品配置

KiCADの3D表示はやはり便利ですね。

2020年3月7日土曜日

Analog Discovery 2 2相正弦波発振器の測定

2相正弦波発振器は比較的低歪な正弦波が得られる発振器です。AnalogDiscovery2とPCのWaveSpectraを使って歪み率を測定しました。

回路は「回路の素101」を参考にしました。



回路図

OPAMPはLTSpiceの「opamp2」コンポーネントを使って特定の品種(NJM4580)を指定しています。「UniversalOpamp2」では発振のシミュレーションができないためです。

過渡解析

SIN波形は比較的きれいですが、COS波形見るからに歪んでいます。COS出力側はD1、D2によるリミッターが付いているためです。

ブレッドボード図

実験のようす

電源電圧: ±9V

AnalogDiscovery2による測定


Scope

C1:SIN出力 C2:COS出力

シミュレーションと同じようにCOS側は歪んでいます。

Spectrum

Mesurements機能を使ってTHDpを表示させました。

SIN出力: 0.6502%
COS出力: 1.729%

となっています。

周波数特性を見ると、45kHz付近にピークが見られますが、どうやらAnalogDiscovery2固有のもので無信号時にも現れます。

WaveSpectraによる測定


Audio Interface: TASCAM US-144MKII(24bit/96kHz)

SIN出力

THD: 0.50076%

COS出力

THD: 1.55705%

多少差はありますが、AD2とWaveSpectraで似通った結果となりました。

AD2のWaveforms2は機能が多くて使い方はまだよくわかってませんが、今回はこれぐらいで。

2020年3月3日火曜日

Eurorack自作の構想

タカチのサブラック用フロントレールを利用してEurorackを自作することを考えています。

購入したのは

FFR-43N フロントレール 431.8mmm 2本
BN43-M3 バーナット(M3) 2本

フロントパネルはとりあえずプラの端材を加工しました。


今使っている±12V/+5V電源がかなりでかいので、フレームの下に配置する方向で考えました。


※Fusion360は使い慣れていないので大体の感じです。奥行きは100mmになっています。

電源は図の下部のコンパートメントに収める予定です。

5.5mm厚の板材を使うとしてのサイズ概算(単位:mm)

フレーム幅 432
フレーム高 132

電源部高 50

ガワ幅 432 + (5.5 * 2) = 443
ガワ高 132 + 50 = 182
ガワ奥 150 + 5.5 = 155.5