2021年9月14日火曜日

PT2399 Echo (Eurorack仕様)の製作

共立のPT2399エコーキットを使っていますが、ギター用のエフェクターのため入力は振幅が小さくインピーダンスが高い信号を受けるようになっています。

アナログシンセで使うため新たにPT2399エコーを製作します。基本的にEurorackにマウントする仕様となっています。

回路図

※PT2399周りに記載している電圧は実測したもの。
※OPアンプはNJM072Dを使用。

製造したPCB

今回はfusionPCBに基板の製造を依頼しました。

エフェクト部


回路は大きくインターフェース部とエフェクト部に別れます。インターフェイス部では入力を分岐してPT2399の入力とし、PT2399の出力を原音とMIXして出力します。エフェクト部はPT2399をエコーとして使うための回路です。

電源周りとエフェクト部のみ実装しインターフェイス部を実装しない状態で、PT2399の動作を測定しました。

実験に使った基板

1Vppのパルス波を入力し、擬似的なインパルス応答を測定しました。Feedbackは最小にしてDelay1発のみです。

Delay(REPT)最小 Feedback最小

C1:FX_IN C2:FX_OUT

最小ディレイ・タイムは約35msです。

Delay(REPT)最大 Feedback最小

C1:FX_IN C2:FX_OUT

最大ディレイ・タイムは約480msです。

フィードバックを上げるとディレイが繰り返されエコー効果が得られます。

Delay(REPT)最小 Feedback適宜

C1:FX_IN C2:FX_OUT

インターフェイス部


原音は入力の反転増幅回路(増幅率 Av = 100k / 470k ≒ 0.21)と、出力の反転増幅回路(増幅率 Av = 220k / 47k ≒ 4.68)を通って同位相で出力されます。トータルの増幅率は0.21 * 4.68 ≒ 0.98でほぼ1となります。

実験に使った基板

ICソケットからPT2399を抜いて、インターフェイス部のみの特性を測定しました。インターフェイス部の動作とは関係ないと思いますが、WET/DRY、Feedbackは最小としています。

入力部の反転増幅回路の出力 ±1Vpp/1kHz入力

C1:IN1 C2:FX_IN

Av = 430mV / 2.01V ≒ 0.214

入力部の反転増幅回路の出力 ±5Vpp/1kHz入力

C1:IN1 C2:FX_IN

Av = 2.10V / 9.97V ≒ 0.211

±1Vppでも±5Vppでもほぼ設計値通りの増幅率となっています。

なお、増幅回路で+2.5V(VGND)のバイアスを掛けていますがこれは不要でした。反転増幅回路の非反転入力は普通にGNDに接続してかまいません。PT2399の入力端子に2.5Vのバイアスがかかっているため、ACカップリングすればOKです。

入力部の反転増幅回路の周波数特性

反転増幅回路なので基本的に位相は180度まわります。位相のグラフが大きく振れていますが、180度前後で少し位相が変化しているだけです。

周波数特性を見ると800kHz付近でピークが出ているので軽く位相補償を掛けたほうがよさそうです。

出力 ±1Vpp/1kHz入力

C1:IN1 C2:OUT

出力 ±5Vpp/1kHz入力

C1:IN1 C2:OUT

トータルでは増幅率はほぼ1となっています。

出力の周波数特性

逆位相出力

逆位相出力(INV_OUT)は原音に関しては同位相です。エフェクトを逆位相でMIXするものです。

逆位相出力 ±1Vpp/1kHz入力

C1:IN1 C2:INV_OUT

逆位相出力 ±5Vpp/1kHz入力

C1:IN1 C2:INV_OUT

逆位相出力の周波数特性

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