2022年7月13日水曜日

KORG SQ-64 ファースト・インプレッション

KORG SQ-64というステップシーケンサーを購入しました。SQ-1を持っていますがこちらは最大16ステップ、2トラック出力にすると最大8ステップになります。SQ-64は外観で分かる通り最大64ステップまで利用できます。


また、パターンという概念があり最大64ステップのシーケンスを最大16パターン保持して切り替えて演奏可能です。パターンモードに入ると64ボタンがパターン切り替えボタンとして動作します。

さらにGATE、PITCH、MODが可変なA、B、Cの3つのトラックと、リズム系のGATEのみのDトラックがあり、Dトラックは16チャンネル(物理的なGATE出力は8チャンネル)利用できます。

もう一つ上にProjectという概念があり64個記憶させておくことができます。

つまり、まるでPCのシーケンサーのように扱えるということです。PCのシーケンサーと異なりMIDI出力ではなく直接GATE/CVを出力できます。MIDIの最大128段階の制約を受けず、面倒なMIDI-CV変換も不要です。

ただ良くない点もあります。マニュアルが簡素すぎて初見ではまず詳しい使い方がわかりません。1週間程度触ってみてわかったことを以下記します。

STEP数


GATEボタンを押すとディスプレイにSTEPパラメータが現れ、トラック全体のSTEP数を設定できます。また、A、B、C、Dのトラックボタンを押すとトラックごとに別々にステップ数を設定できます。

トラックごとに個別のステップ数を設定すると、A、B、C、Dのいずれのボタンも点灯していないとき(全トラックが対象になっている)、ディスプレイのSTEPが-xx~+xxと各トラックに対する相対的な設定に変わります。

このとき、どこかのトラックが中途半端な設定になっていると、例えば他が16ステップなのに一個だけ17ステップになっている場合など、シーケンスがRESYNCされて気持ち悪い感じになります。

TIEとSLIDE


GATEボタンを押しながら64ボタンを押すとそのステップがTIEされます。TIEされると2ステップのGATEが連続します。

TIEされていない場合の出力信号

CH:CV CH2:GATE

CVはC4、C5の繰り返しです。

TIEされた場合出力信号

CH:CV CH2:GATE

2つのステップのGATEが結合されています。GATEがHighのあいだにCVが変化します。

64ボタンを押しながらLENGTHつまみを上げていってもTIEされます。TIEからさらにLENGTHつまみを上げていくとSLIDEになります。SLIDEされるとCVがなめらかに補完されます。

SLIDEの%でCVが補間される長さが変化します。ディスプレイのSLIDEの設定で、補間カーブを直線、対数、指数に設定できます。

SLIDE=50% LINIER

SLIDE=50% LOG

SLIDE=50% EXP

PITCH


PITCHボタンを押しながら64ボタンを押すとそのSTEPのPITCHを変更できます。PITCHボタンを押しながら64ボタンを複数個押すと、まとめて複数のSTEPを同じPITCHに設定できます。

MOD


MODはPITCHとは別の制御電圧を出力することができます。

MODモードに入るとディスプレイにCURVEというパラメータが現れます。これはGATEのLENGTHでTIE以上のSLIDEにすると効果が出ます。出力値が階段状ではなくなめらかに変化します。


CH1:MOD CH2:CV

CVがSLIDEされている区間でMODがなめらかに変化します。

ただし、値を設定できるのがSTEPごとなので鍵盤のVelocityと同じような扱いになると思います。ピッチホイールやモジュレーションホイールのようなSTEP(音符)に縛られないモジュレーションは難しいかもしれません。

USB MIDI


CV/GATEを出力しつつ、USB-MIDI経由でソフト音源をコントロールできます。つまりハードウェア音源とソフトウェア音源を簡単に同期できます。Ableton Liveで使ってみたところソフト音源をDAW側のシーケンスで演奏することもSQ-64側のシーケンスで演奏することもできるようです。

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