2023年5月1日月曜日

ERK_PSU_DEV 実験用±12V/+5V電源の製作

アナログシンセ・モジュールの開発用に±12V/+5V電源を製作しました。



回路図

電源基板はシンセラックの電源用に製作したものです。+5V電源は三端子レギュレータの7805を使う予定で設計しましたが発熱が大きすぎました。発熱の小さくピンコンパチのDC-DCコンバータ(M78AR05-1)に差し替えて製作しました。

実験の結果、M78AR05-1は発熱が少なくリプル等出力品質もも7805と遜色無いようです。


トランスのケーブルの色

一次側を115V(実際には100Vですが)場合は、(Brown + Green) : (Blue + Violet)という風に並列につなぎます。二次側を +15V : GND : -15V として使う場合は (Red) : (Black + Yellow) : (Orange) という風に直列につなぎます。

ケース内配線図

トランス


トランスはRS PRO 671-9094を使用しました。定格入力は115Vであるため日本の100Vで使用すると出力電圧が低くなります。

トランスの出力(無負荷)

無負荷時に21.0Vp-pなので、実効値は14.8Vrmsです。データシートでは無負荷時17.10Vとなっています。17.10V * ( 100 / 115 ) = 14.87V。

また、トランス本体とは別に、取付用の金属製ディスクとシートが必要で、10枚単位での購入になります。固定用のねじはM6x40mmです。

ヒューズ


トランスの容量は50VAなので、100Vで使用する場合ヒューズは0.5Aとなりますが、電源切断時にヒューズが切れます。1.0Aなら常用可能です。

メモ:


三端子レギュレータが過電流のためシャットダウンすると基板上のLEDが消灯します。便宜上、天板を透明な塩ビでカバーしていますが、ケースにLEDをつけた方が見栄えが良いと思います。基板上でLEDを実装しているところにコネクタをつけて、ケースに取り付けたLEDに配線します。

実験用電源なので、レギュレータのサーマルシャットダウンに頼らずに電流値を制限したいところです。

2023年3月20日月曜日

三端子レギュレータ(NJM7805FA)とDC-DCコンバータ(M78AR05-1)

NJM7805FAのサーマルシャットダウン


回路図

入力は15V 2出力のトランスを使用しています。
ヒートシンクをつけない状態で大きな電流を流し、サーマルシャットダウンする様子を測定しました。


入力: 15V AC
出力: 5V
負荷抵抗: 20Ω

15V入力、5V出力なのでドロップ電圧が10Vとなり、この分が三端子レギュレータの発熱として消費されます。出力電流は、5V / 20Ω = 250mAです。

表面温度

出力電圧

NJM7805FAは表面温度125℃でサーマルシャットダウンし、表面温度が下がると再び動作します。動作範囲内の温度でも出力電圧に変動があります。

NJM7805FAの出力


入力が15Vと高い場合、出力できる最大電流はかなり制限されます。ヒートシンクをつけた状態でNJM7805FAの表面温度を測定しました。

回路図


表面温度 RL=20Ω

出力のリプル RL=20Ω

出力電流は、5V / 20Ω = 250mAです。ヒートシンクをつけても160秒程度で表面温度が80℃に達します。動作範囲は85℃までなので出力250mAでは運用できません。

M78AR05-1の出力


三端子レギュレータとピンコンパチのDC-DCコンバータ、MINMAX M78AR05-1に差し替えて出力と表面温度を測定しました。M78AR05-1はコンデンサなど外付け部品は不要です。

回路図


負荷抵抗20Ωの場合


NJM7805FAと同じ条件で負荷抵抗20Ω(出力電流250mA)の場合の出力のリプルです。

出力のリプル RL=20Ω

表面温度はほとんど変化せず、出力のリプルもNJM7805FAと変わらないようです。

負荷抵抗5Ωの場合


定格の1A出力です。5V / 5Ω = 1A。

表面温度温度 RL=5Ω

出力のリプル RL=5Ω(開始時)

出力のリプル RL=5Ω(30分経過後)

30分程度通電しましたが、表面温度は15℃程度上昇するだけでリプルも良好です。別途出力電圧のログも取りましたが大きな変動はありません。


MAX 4.97257 V 11.05 mV
MIN 4.95722 V -3.81 mV
AVG 4.96152 V -

M78AR05-1の容量負荷


データシートによるとM78AR05-1の容量負荷は最大470uFとなっています。100Ωの抵抗と470uF、1000uFのケミコンを並列につないで出力を観測しました。出力電流は、5V / 100Ω = 50mAです。



C=470uF

C=1000uF

簡単な実験では1000uFの負荷容量でも出力に問題はないようです。出力電流が大きい場合に問題が出る可能性はあると思います。

L7812CV L7912CVの出力


+12VのL7812CV、-12VのL7912CV(STMicro製)の出力と表面温度を測定しました。

入力: 15V AC
出力: ±12V
負荷抵抗: 20Ω

出力電流は12V / 20Ω = 600mA、負荷の消費電力は7.2Wです。

測定の様子

L7812CV/L7912CV 出力のリプル RL=20Ω 開始時

L7812CV/L7912CV 出力のリプル RL=20Ω 30分経過後

L7812CV表面温度

L7912CV表面温度

発熱は65℃程度なので±12Vで出力600mAは実用的と言えます。

もう少し出力電流を大きくしてみたいのですが、30分通電後に負荷抵抗の表面温度が116℃まで上昇したため、これ以上は抵抗の発熱対策が必要です。

実験に使ったメタルクラッド抵抗

今回は放熱器をつけないで使用しましたが、消費電力が大きい場合相当発熱します。目安として5W程度で100℃近くまで発熱するので、それを超える場合は相応の放熱器に取り付ける必要があります。

メモ:


入力15V、出力5Vでは三端子レギュレータの発熱が大きく実用的ではないようです。もちろんトランスの出力電圧が低いもの(例えば7V程度)を使えば三端子レギュレータの発熱は小さくなります。

三端子レギュレータの入力に直列にドロップ抵抗を入れて電圧降下させ、三端子レギュレータの入力にかかる電圧を下げる方法があります。500mAで5Vドロップさせると、5V × 0.5A = 2.5W 分抵抗が発熱します。


2023年2月28日火曜日

自作のアナログシンセでVCOの周波数変調を解説しました

自作のアナログシンセでVCOの周波数変調を解説しました。

ハードウェアを作ってはいるのですがなかなかお披露目する機会がないので、動画を作るのも良い経験になります。


LFO、EG、VCOでVCOを周波数変調してみました。

AnVCO←VCO回路についてです。

ArduinoLFO←LFO回路についてです。

ArEG←EG回路についてです。