2017年7月17日月曜日

可変電流源の構想

前から作ろうと思っていましたが、なかなか手を付けられないでいました。電圧制御電流源です。

以前、電圧→電流変換回路をいろいろ実験したが、今回はEDNの「電圧制御のプログラマブル定電流源、デジタルコントロ-ルも容易 (1/2)」を参考にする。

LTSpiceでシミュレーション


シミュレーション回路図


Trの電流増幅率を上げるために、普通のTrとダーリントンTrを使用した場合と比較してみた。

普通のTrを使用

ダーリントンTrを使用

DC解析


普通のTrを使用

ダーリントンTrを使用

DC解析を見比べると、I(Rl)(出力電流)は、2.0V vs 2.0mAあたりを見ると、ダーリントンの方がマス目にあっている。

V(VCC,N003)は、R3の両端の電圧で、この電圧に比例した電流が出力される。

理想Trと理想OPAMPで5V電源だと2mA程度出力するのが上限。

ブレッドボード図


ダーリントンTrは持っていないので、2SA1015と2SC1815をそれぞれダーリントン接続して使った。電流増幅率が大きい方が良いのでともにGRランクを使った。

AVRトランジスタテスターで測定

Tr hFE Vf(mV)
2SC1815(1) 380 682
2SC1815(2) 322 683
2SC1015(1) 304 650
2SC1015(2) 299 650

OPAMPを変えて測定


レール電圧の正側付近を使うので、フルスイングOPAMPを中心に測定してみた。

自作のファンクションジェネレータで2Vp-pの正弦波を出力し、820Ωと3.3kΩのRで電源電圧を分圧し、GNDを+1Vシフトして、正側で振れる正弦波を入力した。

この回路定数では出力電流=入力電圧/1000となり、出力負荷は1kΩのRとしたので、入力電圧と負荷抵抗の電圧が等しくなる。

電源電圧: +5.07V

NJM4580

ch1:入力電圧 ch2:出力電圧

フルスイングではない、定番のNJM4580だと入力電圧が低い場合、出力が反転してしまう。

NJM2732

低電圧で動作するフルスイングOPAMP。0V~2V(0mA~2mA)がほぼ正常に出力される。

AD822

フルスイングOPAMP。450円@秋月とちょっと高い。入力が0Vから立ち上がる時に少しいびつになっている。下降時は正常。

AD8532

低電圧フルスイング。正常に出力される。

NJU7032

CMOSフルスイング。入力が低い時はおかしくなる。

OPA2134

フルスイングとは銘打っていないが、電源電圧4Vから動作し、経験上フルスイングに近い特性。この実験でも正常に出力された。

まとめると、低電圧フルスイングのNJM2732とAD8532、OPA2134が0V~2Vでほぼ正常。次点でAD822.

NJM2732とAD8532は電源電圧の上限が6Vで、電源の制約が少ないOPA2134をまずは使ってみることにする。

負荷抵抗を変えて実験


負荷抵抗の値を変えると、出力電圧も変わるので(E=RI)OPA2134で確認してみた。入力はファンクションジェネレータの出力を最大にして測定。

1kΩ (出力電圧 = 入力電圧)

ch1:入力電圧 ch2:出力電圧

10kΩ (出力電圧 = 入力電圧×10)

100Ω (出力電圧 = 入力電圧/10)

何故だか出力にノイズが乗ってしまった。←原因不明

あまり厳密ではないが、入力:0V~2V、出力:0mA~2mAの範囲で使えそうだ。

<追記:2017.07.21>

OPA2134で測定し直してみた。入力のサイン波の周波数を100Hzに変更した。

1kΩ (出力電圧 = 入力電圧)

ch1:入力電圧 ch2:出力電圧

10kΩ (出力電圧 = 入力電圧×10)

見やすくするために、入力をプラス側にシフトせず電圧も小さくしている。

入力が0V程度の時0V程度、400mA程度の時4V程度出力されている。

100Ω  (出力電圧 = 入力電圧/10)

</追記>

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