2018年10月10日水曜日

Nucleo DCO 出力部(LPF)の検討(2)

Nucleo DCO 出力部(LPF)の検討」のシミュレーションの結果ベッセル特性のLPFを使ってみることにしました。

多重帰還(MFB)を使うかVCVSを使うか。

回路規模はあまり大きくしたくないのでLPFの次数は6次で検討しました。2回路入りのOPAMPを使えば、AMP/Bufferで使う1回路と合わせて、ICは2個で構成できます。


多重帰還(MFB)は1段(2次)で位相が反転するので、6次LPFの場合はトータルで位相反転します。

MFB シミュレーション回路図

MFB のこぎり波 @1kHz

Nucleoから反転波形を出力するようにプログラミングするか、反転回路をどこかに入れるかする必要があります。

VCVSは非反転回路でそのような必要はなく、部品もMFBよりRが1本少なく済みます。

VCVS シミュレーション回路図

VCVS のこぎり波 @1kHz

というわけで今回はVCVSで組むことにしました。

出力部のシミュレーションとテスト

シミュレーション回路図

ブレッドボード配線図

OPAMPはNJM4580DDを使用。

周波数特性を測定するため、AD9833ファンクションジェネレータを使いたかったのですが、AD9833モジュールの出力にまちがって過電圧(9V電源!)を印加してしまいどうも壊してしまったようです(T_T;

AD9833モジュールは、Amazonで買ったときは1000円ぐらいでしたが、AliExpressで300円ぐらいで出てたので発注しておきました。治ったら改めて測定したいと思います。

でも、こういうデリケートな出力(高帯域&低電圧出力)を保護するにはどうすればいいんでしょうか。保護抵抗を入れるか、むき出しにせず人身御供のTrバッファを入れておくとかが思い浮かびますが、どちらにしろ出力の特性は悪化しそうです。

SQR_FG での測定


AD9833_FG以外でMHz帯域まで出力できるSQR_FGを使って入出力を測定しました。

AC特性 シミュレーション

1kHz矩形波 シミュレーション

1kHz矩形波 オシロ

10kHz矩形波 シミュレーション

10kHz矩形波 オシロ

20kHz矩形波 シミュレーション

20kHz矩形波 オシロ

20kHzは設計上のカットオフ周波数です。

50kHz矩形波 シミュレーション

50kHz矩形波 オシロ

100kHz矩形波 シミュレーション

100kHz矩形波 オシロ

低域はACカップリングにより減衰します。

2.5Hz矩形波 シミュレーション

2.5Hz矩形波 オシロ

定数


OPアンプ大全」に載っている<表4-8>ベッセル設計表から

6次ベッセル fc=20kHz
ステージ F0 fc Q
1st 1.606 32120 0.5103
2nd 1.6913 33826 0.6112
3rd 1.9071 38142 1.0234

「OKAWA Electric Design」のフィルター計算ツールを使ってCRの定数を求めました。

MFB 6次ベッセル特性 fc=20kHz
ステージ R1(kΩ) R2(kΩ) R3(kΩ) C1(uF) C2(pF)
1st 3.9 1.2 3.9 0.0015 330
2nd 4.7 8.2 4.7 0.0015 330
3rd 4.7 12 4.7 0.0022 150

VCVS 6次ベッセル特性 fc=20kHz
ステージ R1(kΩ) R2(kΩ) C1(uF) C2(pF)
1st 12 3.3 0.001 680
2nd 12 3.9 0.001 470
3rd 12 6.8 0.001 220

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