2019年2月10日日曜日

±12V_+5V電源の構想

DASS01用に電源を製作します。Eurorackの電源は±12Vと+5Vなのでこれに習って作りたいと思います。

スイッチング電源 VT-60 


ジャンク品で買ったDESNSEI-LAMBDA VT-60を温存してあるのでこれを使います。

VT-60の仕様

出力電圧 最大出力電流
+5V: 5A
+15V: 1.6A
-15V: 0.5A


±15Vなので、これを3端子レギュレータを使って±12V電源とします。+5Vの方はそのまま。

スイッチング電源ユニット(DESNSEI-LAMBDA VT-60)のノイズ測定」で測定したように、出力に結構ノイズが乗っています。

スイッチングノイズの周波数は、5V出力が625kHz、±15出力が180kHz程度で可聴帯域外なので放置しても良さそうですが、スイッチング方式のACアダプタにコモンモード・チョークを入れるとノイズが改善されたことがあったので(参考「コモンモード・チョーク・フィルターをACアダプタにかけてみる実験。」)、VT-60にも入れてみてノイズが改善されるかどうかブレッドボードで実験してみました。

コモンモード・チョーク(SCHAFFNER EV20-1.0-02-3M9)の仕様

L nominal(±30%) 3.9mH
DC resistance R 168mΩ
Rated current I(50℃) 1.0A
Weight 10g

±15V出力


正負電源それぞれに220Ωの負荷抵抗を入れてノイズを測定しました。


出力電圧

+15V +15.01V
-15V -14.97V


ch1:+15V ch2:-15V

ノイズの振幅は、+15Vが280mVp-p程度、-15Vが560mVp-p程度です。

±12Vの3端子レギュレータを通す


3端子レギュレーターの7812(ST/L7812)と7912(NJM7912FA)を入れて±12Vを出力しました。

ブレッドボード図

出力電圧

+12V +12.18V (誤差:+1.5%)
-12V -11.85V (誤差:+1.25%)

出力電圧に少し誤差が出ています。


ch1:+12V ch2:-12V

3端子レギュレータを入れただけでもノイズがかなり改善されています。縦軸を拡大(20mV/div)すると


ch1:+12V ch2:-12V

+12V、-12Vともノイズの振幅は50mVp-p程度になりました。

コモンモード・チョークを入れる


3端子レギュレーターの前段にコモンモード・チョークを入れました。



出力電圧

+12V +12.18V (誤差:+1.5%)
-12V -11.85V (誤差:+1.25%)

コモンモードチョークと3端子レギュレーターの間でデカップリングしたほうがいいかどうか迷ったので、100uFのOSコンでデカップリングした場合としない場合を比較しました。

※コモンモード・チョークと3端子レギュレータの間に100uFのOSコンなし

ch1:+12V ch2:-12V

※コモンモード・チョークと3端子レギュレータの間に100uFのOSコンあり

ch1:+12V ch2:-12V

さらにノイズの振幅が減って+12V、-12Vとも30mVp-p程度になりました。コモンモード・チョークと3端子レギュレータの間に100uFのOSコンを入れたほうがノイズが低減されるようです。

+5V出力


+5Vはコモンモードチョークありとなしを比較しました。

ブレッドボード図

470uFのOSコンでデカップリングのみ


デカップリングしてもノイズの振幅は500mVp-p程度残っています。

コモンモードチョークを通す


縦軸を拡大(20mV/div)すると


ノイズの振幅を120mVp-p~90mVp-p程度に低減できました。

メモ:


実装面積との兼ね合いもあるので少し考えます。

でも、アナログ回路の電源なのでできるだけクリーンな電源にしたいな~と。

VT-60の+5V出力は定格5Aなのにコモンモード・チョークが定格1Aなので制限を受けます。

5V出力は負荷の重さによって出力電圧が変動する?

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