2019年6月6日木曜日

Analog VCOの構想 のこぎり波編

前回やったVCOは三角波と矩形波を発生させるものでしたが、「達人と作る アナログシンセサイザー自作入門」のAnalog 2.0のVCOはのこぎり波を発生させるものです。



「Sawtooth VCO」で検索するといろいろ出てきますが、回路の説明としては「kassu2000」さんのがわかりやすい。

参考
「Kassu2000」さんの「VCO part 1: core

シミュレーション回路図

過渡解析

VREFは基準電位で、5Vに設定しています。

C1が電荷を貯め込む発振の源です。電流源のI1に引っ張られてVc1の電位が徐々に下がっていきます。

このVc1の電位は、U2の非反転増幅器を通してSAW_OUTからのこぎり波として出力されます。

SAW_OUTの電位とGNDをU1周りのコンパレーターで比較して、Q1をONすることによって一瞬C1の両端が短絡されます。

C1の両端が短絡することで貯め込んだ電荷が開放され、Vc1の電位がVREFに戻ります。

過渡解析

Vb1(青色の線)がLowになったときQ1がONして、Vc1(緑色の線)がVREFに戻ります。

この回路はよく設計されていて、OPAMP U2が

  • Vc1の電位のバッファリング
  • 波形の振幅を決める増幅
  • 波形の中点を決めるバイアス

の役割を担っています。その結果GNDを中心とした±5Vp-pののこぎり波がSAW_OUTから出力されます。

U1のプラス側に入力される波形はこんな感じです。(GNDと比較される)

過渡解析

C2はU1まわりのコンパレーターが素早く切り替わって発振してしまうのを抑止します。

C2を取り去った場合

過渡解析

コンパレーターの出力(青色の線)が激しく切り替わって、まともな出力(緑色の線)になりません。

「Kassu2000」さんのVCO


シミュレーション回路図

過渡解析

こちらも同じように電流源I1でC1を充電し、Vs1の電位を徐々にさげていき、U2のボルテージフォロアでバッファリングし、SAW_OUTに出力します。

SAW_OUTがU1まわりのコンパレーターの非反転入力に入力し、反転入力のGNDと比較してQ1をOFFします。Q1がOFFした瞬間J1がONし、C1が放電されます。

この回路では、GNDから+1.4V程度ののこぎり波が出力されます。

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