製作モジュール一覧

2020年10月14日水曜日

OPアンプ比較 周波数特性とステップ応答 TL072系 FET入力

Analog Discovery 2とOPAMP_CHK_AD2を使ってFET入力のOPアンプの周波数特性とステップ応答を比較しました。

OPアンプの特性は今まで何度となく測定していますが、Analog Discovery 2を使うと簡単にデーターシートに載っているような測定が出来て便利です。

非反転増幅回路で、帰還抵抗は18kΩ:2kΩで利得20dB、負荷抵抗RL=2kΩとして測定しました。

電源はAnalog Disocovery 2のSupplyから±5Vを出力しています。


(2020/10/21) 比較対象としてBJT入力のNJM4580DDを追加しました。

周波数特性


Analog Disocovery 2のNetwork機能を使っています。20dBの利得なので出力が振り切れないよう、入力は±100mVppとしています。

NJM4580DD

TL072CP

TL072IP

NJM072D

NJM072BD

NJM2082DD

OPA2134PA

OPA2604AP

MUSES8920

ステップ応答


Analog Disocovery 2のWavegen機能とScope機能を使っています。Wavegenで100kHz/±100mVppの矩形波を入力しています。

NJM4580DD

TL072CP

TL072IP

NJM072D

NJM072BD

NJM2082DD

OPA2134PA

OPA2604AP

MUSES8920
 

2020年10月12日月曜日

Antilog-NPNOの入出力をAnalog Discovery 2で測定

電圧入力・電流出力のアンチログ回路のAntilog-NPNOの入出力をAnalog Discovery 2で測定しました。

Antilog-NPNOの回路図

Antilog-NPNOの基板図

差動対のコレクタに与える電圧を電源電圧ではなく任意の電圧を与えられるように改造しました。

測定用のブロック図

測定のようす

Analog Discovery 2による測定


・WaveGenで5[Vpp]のノコギリ波を出力
・回路図ではR13=0[Ω]となっていますが、R13=100[kΩ]としました。
・電流検出抵抗(10[kΩ])とし、電圧降下したポイントの電位をScopeのC2で測定しました。

電源電圧
  • +12V : +11.71[V]
  • -12V : -9.87[V] ※1
  • I_REF: +4.987[V]
※1 使用している電源の電池が消耗しています。そろそろ改良版を作りたいところです。

室温: 24.3℃


C1(黄色の線)が入力電圧です。0V~5Vで与えています。

C2(青色の線)が電流検出抵抗(10[kΩ])で電圧降下した電位です。Antilog-NPNOは電流吸い込み型なので電流を多く吸い込むと電流検出抵抗により電圧降下して電位が下がり、少ないと電位が上がります。トランジスタのエミッタ接地増幅回路のコレクタ出力と同じ理屈です。

グラフは指数(アンチログ)的なカーブですが不確かなので、測定データをCSVで出力しExcelで「入力電圧」対「出力電流」のグラフを作成しました。


縦軸は対数軸です。黄色の点線で最小値から最大値に直線を引いており、この直線が指数(アンチログ)のカーブになります。

入力電圧が低い(1V~3V)の領域で若干ずれが見られるようです。

なお、測定値のグラフ(青色の線)が三角定規のようになっていますが、ノコギリ波の電圧が0→MAXに垂直に遷移するところでプロットされているためです。
 

2020年10月5日月曜日

8次多重帰還LPFの実験 バターワース特性、ベッセル特性、チェビシェフ特性の比較 その2

カットオフ周波数1kHzでバターワース特性、ベッセル特性、チェビシェフ特性(0.5dB)の特性で実装し、Analog Discovery 2を使って周波数特性と過渡応答を計測しました。





電源はAnalog Discovery 2のSupplyより±5Vを出力して利用しました。

周波数特性


WaveFormsのNetwork機能を使用しました。

バターワース特性

ベッセル特性

チェビシェフ特性(0.5dB)

カットオフ周波数1kHzの1オクターブ上の2kHzの利得を比較すると
  • バターワース特性 約-50dB
  • ベッセル特性 約-13dB
  • チェビシェフ特性 約-50dB
となりました。

シミュレーションと比較するとバターワース特性とベッセル特性はほぼ合致しますが、チェビシェフ特性(0.5dB)は減衰量が少なくなっています。(シミュレーションでは-70dB)

実際の計測では1Vppの正弦波を入力して出力の振幅を観測します。-50dBは1/600なので1.67mVppの振幅となりこれより減衰した場合は計測出来ない結果です。

位相の回り方をカットオフ周波数1kHzで比較すると
  • バターワース特性 約360°(180°+180°)
  • ベッセル特性 約180°
  • チェビシェフ特性 約440°(180°+180°+90°)
となっていて、シミュレーションとほぼ合致しています。

ステップ応答


WaveFormsのWavegenとScope機能を使用しました。入力は50Hz/1Vppの矩形波です。

バターワース特性

ベッセル特性

チェビシェフ特性(0.5dB)

ベッセル特性はほとんど振動がなく、立ち上がり・立ち下がりも最も速くなっていてシミュレーションと合致しています。

ノコギリ波の応答


WaveFormsのWavegenとScope機能を使用しました。入力は50Hz/1Vppのノコギリ波です。

バターワース特性

ベッセル特性

チェビシェフ特性(0.5dB)

ノコギリ波の応答もベッセル特性が最もきれいでノコギリ波の原形を保っています。

過渡特性の振動は楽器としての音作りには面白いかも知れませんが、再現性が要求されるオーディオ用途ではベッセル特性を利用するのが良さそうです。過渡特性が良い代わりにキレが悪い点は留意する必要があります。

カットオフ周波数1kHzでのステップ応答


カットオフ周波数の1kHz/1Vppの矩形波を入力して応答をみてみました。

バターワース特性

ベッセル特性

チェビシェフ特性(0.5dB)

どれも高調波歪が取れて正弦波が出力されています。チェビシェフ特性はカットオフ周波数付近にピークがあるため、出力振幅が大きくなっています。

カットオフ周波数の波形なので、位相はバターワース特性は360°回り同相、ベッセル特性は180°回り逆相となっています。

まとめ


8次という比較的高次のアクティブフィルタで性能が出せるか心配でしたが、まずまず満足できる結果です。

Rは金属皮膜の誤差1%品ですが、Cはフィルムコンデンサで材質はマチマチ、ほとんどが誤差10%品です。個体の選別も行っていませんがそれらしい特性の回路を組むことが出来ました。

この程度の規模の回路になると、ユニバーサル基板を使って手組みすると丸一日仕事となり検査も大変です。ミスが有った場合は原因特定や修正などさらに手間がかかります。

プリント基板を使った結果、部品の準備(値の確認、フォーミング、仮配置)で1時間程度、はんだ付けで1時間程度で組むことが出来ました。検査も電源系の導通、絶縁、容量をかんたんに確認したあと測定に移ることができました。

アナログ回路にデジタル回路を接続する場合、LPFはほぼ必須だと思います。基板を用意しておけば、所望の特性のフィルターがすぐに作れるので便利だと思います。

機会があれば、正帰還(VCVS)版のプリント基板も製造してもらって実験してみたいと思います。