アンチログとは指数関数(exp)で、入力された電圧に指数カーブをつけて電流に変換するものです。
ラダー・フィルターはトランジスタ/ダイオード・ラダーを引っ張る電流の値でカットオフ周波数が変化しますが、制御電圧を電流に変換する際に音階と同じように6dB/Octにする目的で使います。
VCOではなくVCFなのでそれほど厳密でなくてもいいのですが、一通り実験しておきたいと思います。
以下の資料/サイトをおもに参考にしました。
「達人と作る アナログシンセサイザー自作入門 4-4 電圧制御増幅器(VCO)」
「Analog2.0」
「SF BAY MUSIC TECH アンチログ回路勉強中」
アナログ・シンセについて検索すると「達人と作る…」の岩上直樹さんのサイトにあたることが多いです。理論的なことは上記資料が参考になると思います。←細かいところはちゃんと読んでいないですが(^q^;
「トランジスタ技術2015年8月号 特集 音×アナログ!楽器エフェクタ製作集 第4章」
「Moog Ladder Filter (og3) 」
NPN+PNP
MiniMoogのVCFなどに使われている回路です。
シミュレーション回路図
R3に流れる電流が出力電流です。実験では電流は測定しにくいので、電圧を測定するつもりでRLの値を変えてシミュレーションしました。
過渡解析(電流)
-0.5V~0.5Vのノコギリ波を入力して、R3に流れる電流をシミュレーションしました。
下のペインが入力、真ん中のペインがR3に流れる電流、上のペインは縦軸を対数軸にしたものです。R3が100kΩのとき(赤色のグラフ)は出力がクリップしてしまいますが、1kΩ、10kΩのときはともに同じ電流が流れています。また縦軸が対数軸の時は直線的なので出力はほぼ指数カーブがついていると言えます。
過渡解析(電圧)
V(out)はOUTのポイントの電位です。I(R3)はVCCからOUTに向かって流れるので電流に対して反転した波形になっています。
NPN+OPAMP(Analog2.0)
Analog2.0などで使われている回路です。
シミュレーション回路図
電圧→電流変換部への入力は反転波形である必要があるのでU1あたりの1倍反転増幅回路で波形を反転させています。
過渡解析(電流)
-0.5V~0.5Vのノコギリ波を入力して、R2に流れる電流をシミュレーションしました。
下のペインが入力、真ん中のペインがR2に流れる電流、上は縦軸を対数軸にしたものです。R2が47kΩのとき(赤色のグラフ)は出力がクリップしてしまいますが、4.7kΩ、10kΩのときはともに同じ電流が流れています。また縦軸が対数軸の時は直線的なので出力はほぼ指数カーブがついていると言えます。
過渡解析(電圧)
R2が47kΩ(赤色のグラフ)のとき下側がクリップしますが、-0.6Vあたりでクリップするようです。
NPN+OPAMP(og3)
シミュレーション回路図
U2あたりの回路をQ2側につけ、Q1のコレクタ電流を出力とすると入力を反転させる必要がないようです。
過渡解析(電流)
-0.5V~0.5Vのノコギリ波を入力して、R1に流れる電流をシミュレーションしました。
下のペインが入力、真ん中のペインがR1に流れる電流、上は縦軸を対数軸にしたものです。R1が10kΩのとき(赤色のグラフ)は出力がクリップしてしまいますが、1kΩ、4.7kΩのときはともに同じ電流が流れています。また縦軸が対数軸の時は直線的ですが少し上側にふっくらしているので指数カーブがゆるい感じがします。6dB/octの変換が重要なVCOの場合は問題になるかもしれません。
また、この定数だと出力電流が0mAからではないのでVCFに使う場合はもう少し考える必要がありそうです。←カットオフ周波数の下限が制限される。
過渡解析(電圧)
こちらも-0.6Vあたりでクリップするようです。
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