具体的には抵抗1本で置き換えました。
自作の可変電流源は使用不可
最初は自作の可変電流源を使おうと思っていたのですが、この電流源は吐き出し型です。
可変電流源の回路図
VCCからR4、T3、T4を通してJP5に電流を吐き出します。
トランジスタ・ラダーの電流源は回路図の通り、吸い込み型である必要があります。
可変電流源の回路図のJP5に電流値を決める抵抗を挿入して、R4のTR4のエミッタ側を出力とすれば、吸い込み型の電流源になりそうですが、テストがめんどくさいので、一旦抵抗1本を簡易的な定電流源として実験することにします。
<追記:2018.06.05>
R4のTR4のエミッタ側を出力としても吐き出し型にならないです。T3、T4をNPNに変更する必要があります。
参考「JFETを使った可変電流源」
</追記>
電源電圧
今まではトランジスタ・ラダー回路の電源電圧を±12Vでシミュレーションしていましたが、BSM02の電源は±9Vなので、今後は電源電圧を±9Vとします。
コントロール電流を決めるRi=1kΩ、フィードバック量を決めるR14=10Ωに固定してシミュレーションしました。
シミュレーション回路図 ±12V電源
シミュレーション回路図 ±9V電源
Q1~Q10のベースに加える電圧は、±9V電源では±12V電源の2/3程度になります。
各部の電位 ±12V電源
各部の電位 ±9V電源
V1~V5は1V電位差があればいいのですが、V5は+1.5Vになるので問題が出るかもしれないので、V5が+2Vになるように値を調整したほうがいいかもしれません。
AC解析 ±12V電源
AC解析 ±9V電源
±12V電源の場合はカットオフ周波数fc=3kHz付近、±9V電源の場合はfc=2kHz付近になりました。
1kHz/1Vp-pのノコギリ波を入力して応答をシミュレーションしました。
過渡解析 ±12V電源
過渡解析 ±9V電源
過渡解析でも、±12V電源の方が振動が多く出ています。
カットオフ周波数をコントロール
コントロール電流を決めるRiの値を1kΩ~100kΩにしてパラメータ解析しました。Rq=100Ωで固定。
シミュレーション回路図
コントロール電流
入力信号につられて、コントロール電流I(R15)が変化していますが、おおよそ10uA~1mA程度でI(R15)が変化しています。
AC解析
カットオフ周波数は200Hz(Rq=100kΩ/暗青の線)~20kHz(Rq=1kΩ/緑の線)で変化しています。
過渡解析
1kHz/1Vp-pのノコギリ波を入力して応答を見ました。Rqの値によって振幅が変化しています。Ri=1kΩ(緑の線)のときコントロール電流I(R15)が最大で、カットオフ周波数が最高になり、振幅が最大になります。また、振動も現れています。
Q値(レゾナンス)をコントロール
Q値を決めるRqの値を1Ω~10kΩにしてパラメータ解析しました。Ri=1kΩで固定。
シミュレーション回路図
AC解析
Rq=100Ω(赤の線)のときピークが最大になっています。Rq=1Ω(緑の線)、Rq=10Ω(青の線)の時はフィードバック量が多く、通過域で-6dB程度まで低下していて、位相も反転しています。
過渡解析
1kHz/1Vp-pのノコギリ波を入力して応答を見ました。Rq=10kΩ(マゼンタの線)の時、フィードバック量最小で振動は現れてません。Rq=1Ω(緑の線)の時、フィードバック量最大で振動が多く現れています。
デバイスを実際のものに置き換えたので、次回はブレッドボードで実験したいと思います。
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