回路図
トランスとブリッジダイオードを使っている以外は、「±5V/3.3V安定化電源」で実験したものと似たような感じだ。
トランスの2次側の巻き線が2系統あるので、ブリッジダイオードを2個使えば、ルネサスのドキュメントに載っていたように正電源用の三端子レギュレータ2個でもできそうだが、オーソドックスに負電源用の三端子レギュレータとの組み合わせで使ってみた。
ブリッジダイオードは、新電元のS1NB60(600V/1A)。±9V用の三端子レギュレータはストックにあったもので
正電源側: STMicro L7809 (9V/1.5A)
負電源側: Fairachild LM7909 (9V/1A)
で、メーカーもスペックも少々異なっている。両方とも絶縁シートを挟んで放熱器をプラねじで固定して実験した。
ブレッドボード図
±9V出力電圧
無負荷時
-9.06V / +8.99V
±9Vに100Ω負荷
-9.05V / +8.99V
±9Vに100Ω負荷、±12Vに220Ω負荷
-8.99V / +9.10V(←正電源側がちょっと変?)
コンデンサの比較
三端子レギュレータのIN側の平滑用のコンデンサには、日本ケミコンのKMH 3300uF 50V 105℃品を使った。足が太くて短いので他の部品のリード線のあまりをはんだ付けしてブレッドボードに挿した。
OUT側のコンデンサを、
東信工業 470uF 16V 85℃(普及品)
ニチコン MUSE KZ 470uF 25V 85℃(オーディオ用)
日本ケミコン KMG 1000uF 35V 105℃
日本ケミコン LXJ 2200uF 35V 105℃
パナソニック OS-CON 100uF 16V
に差し替えて比較してみた。負荷は±9Vに100Ω(±90mA)。LME49600ヘッドホンアンプの電源電流がだいたい±50mAのため。
東信工業 470uF 16V 85℃(普及品)
ch1:+9V ch2:-9V
ニチコン MUSE KZ 470uF 25V 85℃(オーディオ用)
日本ケミコン KMG 1000uF 35V 105℃
日本ケミコン LXJ 2200uF 35V 105℃
パナソニック OS-CON 100uF 16V
比較してみると大容量のコンデンサを入れた方が悪化している?ほとんど測定誤差みたいなものだと思いますが。
IN側のコンデンサは平滑用なので大容量のものが必要だが、OUT側は大きな容量のコンデンサを入れるメリットはあるのかどうかわからない。受け側の回路(今回はLME49600ヘッドホンアンプと今後作る予定のDAC/NAP)の電源部にある程度の容量のコンデンサが入っているし、実装面積との兼ね合いもあるので電源の出力にはおまじない程度にサイズ小さいOSコンを入れておこうか・・・
トランスを使った電源ではIN側は大容量の電解コンのみで、容量の小さいコンデンサを並列に入れていない作例も見かけるが、DATASHEETの応用回路では0.33uFのコンデンサを入れている場合が多い。またルネサスのドキュメントに
という記述があるので、IN側を0.47uFフィルムコンに変えてみた。(OUT側はOSコン)
これははっきりとノイズが減っているように見える。
OUT側をOSコンにすると低ESRなので、試しにOUT側に並列に入れている0.1uFの積セラを取り除いてみた。
IN側0.1uF積セラ、OUT側OSコンのみ
IN側0.47uFフイルム、OUT側OSコンのみ
OUT側の積セラを取り除くとノイズが増えるようだ。大きな波の周波数は120Hz程度なのでAC電源由来のものかな?
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