2018年6月10日日曜日

差動増幅回路 トランジスタ2段

Analog2.0のVCFで使われている差動増幅回路です。MiniMoogのVCFの差動増幅回路も定数は違いますが同じ回路が使われています。

シミュレーション回路図

差動増幅回路のNPNトランジスタを2段直結しています。一見するとダーリントン接続に似ていますが、1段目のTr(Q1、Q2)のエミッタが2段目Tr(Q3、Q4)のベースに接続しているだけでなく、100kΩのRを通してVEEに接地しています。

入力はV3、V4で+8Vにシフトした10mVp-pの逆位相のサイン波です。

「OUT」が回路の出力で、「Feedback」はトランジスタ・ラダー回路へのフィードバックです。

過渡解析

V(out)は約2.6Vp-pで入力に対して約260倍(48dB)で、V(feedback)は約396mVで入力に対して約40倍(20dB)です。

ダーリントン接続


ダーリントン接続と比較してみます。

シミュレーション回路図

R2とR3を取り除きました。

過渡解析

V(out)は約1.6Vp-pで入力に対して約160倍(44dB)で、V(feedback)は約244mVで入力に対して約24.4倍(28dB)です。1段目のエミッタを接地した方が、ダーリントン接続よりも増幅率が高くなっています。

いずれにせよ増幅率はTrのhFE依存していて目いっぱい増幅率を稼ぐ回路です。

増幅率を制限する


ダーリントン接続の場合Q3、Q4にエミッタ抵抗R2、R3を入れると増幅率を制限できます。

シミュレーション回路図

コレクタ抵抗RC = R6 + R7 + R8 = 1227Ω、エミッタ抵抗RE = 100Ωで、増幅率Av = RC / 2RE = 6.135(15.8dB)となります。

過渡解析

V(out)は約109mVp-pで入力に対して約10.9倍(20.7dB)です。少し大きいですね。

AC解析

AC解析するとV(out)は15.4dB程度になっています。何か変(@@?

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