2016年7月8日金曜日

LME49600のヘッドホン・アンプをブレッドボードで実験してみた。

前回シミュレーションした、バッファICのLME49600のヘッドホン・アンプをブレッドボードで実験してみた。

この回路は負帰還にDCオフセットをキャンセルするサーボ回路(U3周辺)が入っているので、まずはLME49600を使わないで、サーボ回路のみで実験してみた。

サーボ回路の実験


回路図

回路図では電源は±9Vになっているが、±5Vで実験した。

配線図

右側にLME49600を載せているが、信号経路には入れず、左側のOPAMPのみを使っている。自作の矩形波だけのファンクションジェネレータを使って、GNDからプラス側に振れる1kHz 1V(p-p)の矩形波を入力した。OPAMPにはNJM4580DDを使った。

無負荷時


入力はGNDからプラス側の波形だが、出力はGND中心の波形になっていて、シミュレーション通りサーボ回路でDC成分が除去されている。左下の(2)V:-44.55mvが電圧の中心値。

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NJM4580の立ち上がりがほとんどそのままあらわれているようだ。

負荷33Ω


ヘッドホンの代わりに33Ωの抵抗を出力に入れて測定。


無負荷と比べると、出力電圧が2.837V→1.628Vと低下している。

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立ち上がり波形もかなり崩れてしまっている。33Ωと高負荷とは言え、単なる抵抗でこれなので、NJM4580で32Ω程度のヘッドホンを直接駆動するのはかなりムリがありそうだ。

LME49600でバッファリング


回路図

配線図


サーボ回路のLPF用のCは1.0uFのフィルムコンデンサ、LME49600のデカップリングコンデンサには0.1uFの積セラと4.7uFの電解コンデンサを使った。データーシートにはタンタルを使うように書いてあったが、持っていないので。電源のデカップリングコンデンサは普及品の470uFの電解コンデンサを使用。

また、1kΩの金属皮膜抵抗がないので1.2kΩのものを使った。OPAMPはNJM4580DDを使用。

無負荷時

負荷33Ω

出力電圧は2.835V→2.912Vと、逆に若干大きくなっている。(間違えたかな?)

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無負荷時

負荷33Ω

33Ωの負荷をかけても、立ち上がりが若干遅れてはいるが波形はほとんどそのまま(^q^/

オペアンプを交換


オペアンプを交換して立ち上がり波形を見てみた。

OPA2134

OPA2604

NJM8820

NJM8920

以前、ボルテージフォロアでステップ応答を見たもの(参考:「OPAMPのステップ応答の比較してみた」に立ち上がり波形の傾向は似ていると思う。

サイン波


自作のPCM5102を使ったファンクションジェネレータでサイン波を出力して測定してみた。4次バターワースLPFを入れている。OPAMPはNJM4580を使用。負荷は33Ω。

1kHz

ch1:入力 ch2:出力

10kHz

20kHz

48kHz

入力側のch1(ファンクションジェネレータからの出力)がLPFの切れが悪いので、デジタル歪のガタガタが残っている。ch2の出力も歪がそのまま増幅されて出力されているようだ。

96kHz

これもLPFの切れが悪いので歪んでいる。

192kHz

ファンクションジェネレータのDDS(テーブル参照)のサンプリングポイントの影響で出力が低下している。


周波数(kHz) 入力(Vrms) 出力(Vrms) 出力vs入力 dB
1 0.3593 1.075 2.99192875 9.519024941
10 0.3605 1.062 2.94590846 9.384384954
20 0.3624 1.066 2.941501104 9.371380314
48 0.3743 1.105 2.952177398 9.402849018
96 0.382 1.127 2.95026178 9.397211063
192 0.2681 0.7923 2.955240582 9.411856839


±0.1dB程度なのでほとんど測定誤差だと思う。

WaveSpectaraで歪率を測定


1kHzサイン波をUSB Audio InterfaceのTASCAM US-144mkIIに入力して(Guitar入力/1MΩ)WebSpectraでを見てみた。

33Ωの負荷抵抗は入れたまま。3倍増幅アンプなので、Audio Interfaceの入力ボリュームを調節して、WebSpectraのRMSの値がどちらもだいたい-5dBになるようにした。

ヘッドホン・アンプへの入力

THD  : 0.06933%
THD+N: 0.10936%

ヘッドホン・アンプからの出力

THD  : 0.00802%
THD+N: 0.01710%

出力の方がTHD、THD+Nとも良くなっているが、増幅した信号をAudio Interfaceの入り口で減衰させているので信号経路のノイズとかAudio  Interfaceの歪とかいろいろな条件が良くなっているためだと思う。

メモ:


OPA2134は今回も入力波形が崩れてしまった。OPA2134は入力電圧によって入力インピーダンスが激しく変わるのかなぁ?

→入力が±1V程度の場合どうなるか見てみる?

PCM5102のファンクションジェネレータは4次バターワースLPFを入れても48kHzあたり以上は波形が崩れてしまって、このレベル(可聴帯域以上)の測定では少し使いづらい。フィルターをチェビシェフ特性にするかバターワースで8次ぐらいまで上げるか。

PCM5102のファンクションジェネレータ自体も可聴帯域以上はサンプリング周波数の整数分の1しか選択できなくしてDDSではなく決め打ち波形でブレがなくなるようにしてみようか。

PSoC 5LPもCortex-M3じゃなくてFPU付きのCortex-M4だったら波形のリアルタイム生成も考えるところだが(^q^;

気が向いたらNucleo F401REでI2S出力しながらの波形のリアルタイム生成のテストもやってみようか。