2014年9月21日日曜日

両電源の電流電圧計 負電源の測定

AVRのADCはそのままでは負電源の測定ができない(http://dad8893.blogspot.jp/2014/09/blog-post_7.html)ということで小細工することにした

OPAMPの反転1倍アンプで正負を反転


せっかく両電源の可変レギュレーターを作るので、OPAMPで反転してやればいいやん
と、単純に考えてシミュレーションしてみた



回路図のV1が正電源、V2が負電源だ

正負ともRで1/4に分圧する

測定用の負電圧(Measure-)をU1の反転1倍アンプでGNDを境にプラス側に反転させている

DC Sweepで、V1、V2共に0~15Vまで1V刻みでシミュレーションした

明らかにおかしい

まず、測定用の負電圧(グラフの赤色)が変動している

1/4に分圧しているので-10Vで-2.5Vにならないといけないはず

原因は明らかで

反転1倍アンプの入力インピーダンスが低すぎて、分圧用のRと干渉している

R3が
(R5 + R7) // R3
になって、分圧比がおかしくなっているんだと思う

もう一つ、反転した電圧(グラフの緑色)が、1V(や2V)で頭打ちになっている

これは正電源の分圧前が1Vで、負電源が-4V以下になった時に起こる

例えば-8Vを1/4にして-2V、反転させて+2Vだぜ~と言ってみてもプラス側の電源が+1Vしかなかったら+1Vしか出しようがない

あたりまえだ

安定化する前ならエネループ20本で±12Vぐらいとれるが
安定化しないで使うのも気色悪い

トランスで商用電源を使う前提だとなおさらだ

深追いすると深みにハマりそうなのでこの問題はとりあえず目をつぶっておく

前途多難の予感。


単純に入力インピーダンスを上げてみる


FET入力のOPAMPならMΩレベルのRを使っているのを見たことがあるので
反転アンプのRの値を増やしてみた



赤色のグラフはまあまあ許容範囲におさまったか

手計算しても、10kΩが9.93kΩになって誤差0.7%程度だ

なので、シミュレーションで使っている理想OPAMP(Universal Opamp2)を実際使う予定のTL072に差し替えてシミュレーションしたが

LTSpiceのシミュレーションが終わらない

過渡解析ならパラメータいじって計算時間を減らせるみたいだが
DC SWEEPはよくわからん

他のOPAMPならどうかな~と考えていたら

OPAMPには動作電圧っていうものがあること思い出した

DATA SHEET調べてみたらTL072は±4V~ (^q^;

-4V以下の電圧は反転出来ない

手持ちのOPAMPだとLM358が±1.5V~なので、これでブレッドボードで試作




※回路図のMeasure+をMeas+、Measure-をMeas-、NegMeasure-をNegM-としています(以下同)

正電源 4.03V
負電源 -4.04V
Meas+ 1.006V
Meas- 1.000V
NegM- 0.986V (誤差1.6%)

正電源 1.533V
負電源 -1.518V
Meas+ 0.383V
Meas- 0.376V
NegM- 192.2mV (←もうダメです)

正電源 1.99V
負電源 -2.01V
Meas+ 0.498V
Meas- -0.496V
NegM- 0.490V (誤差1.2%)

ボルテージ・フォロワーを入れてみる


回路を分離するならボルテージ・フォロワーだろということでこちらでも実験



緑色のグラフは目をつぶって、赤のグラフはまあまあOK
正電源 3.98V
負電源 -4.02V
Meas+ 0.996V
Meas- -1.002V
NegM- 1.014V (誤差1.1%)

正電源 1.495V
負電源 -1.522V
Meas+ 0.373V
Meas- -0.379V
NegM- 144.2mV (^q^;

正電源 1.98V
負電源 -2.02V
Meas+ 0.496V
Meas- -0.503V
NegM- 0.509V (誤差1.1%)
反転アンプのRの誤差が5%なのでどちらも許容範囲だが
部品点数が増えるのを我慢すればボルテージ・フォロワーの方がよさそうだ

反転アンプの入力インピーダンスを上げる方法としては
調べてみたら他にもT型帰還回路というのもあるようだ

GNDの電位をずらす


師匠(toz氏)にアドバイスいただいた方法だ
測定する電位を、AVRのGND - AREFに納めればいいので
AVRのGNDを測定用のGNDより負側にシフトしてやればいい


可変レギュレーターを通した後の電位として信頼できるのはGNDだけなので
GNDからシャントレギュレータで-2.5Vの電位差を作った

TL431を使う予定だが、LTSpiceに部品としてなかったのでLT1009で代用

V3の5Vの電圧源は5Vの三端子レギュレータのつもりだ

DC Sweepしてみたが、グラフはスッキリしている

±2.5Vまではあやしいが、並行しているので大丈夫かも

頭がが回らなくてどういう結果になるかイメージ出来ないのでブレッドボードで実験することにした

まず、シャントレギュレータという部品を初めて使うので単体で



2.54Vなので誤差1.6%だ

アノードとかカソードとか言われてもどっちがプラスかマイナスかちょっと考えないとわからない

しかもツェナみたいに普通のダイオードとは逆に使う

さらにRefという端子もあって、結構混乱した。

Refに与える電圧で基準電圧を可変出来るみたいだが
今回はパスして初志貫徹でデフォの2.5Vで使うことにする

なので、AVRは5V駆動すれば2.5Vのシャントレギュレータでちょうど半分

あれこれ考えなくてもよさそうだ

I2CのLCDが3.3Vなのでこっちは後でちゃんと考えよう




オペアンプで反転作戦と較べてあからさまに部品数が少ない

※シャントレギュレータで負側にシフトしたGNDをV-GNDとしています

正電源 4.04V
負電源 -4.08V
V-GND -2.54V
Meas+ 1.009V
Meas- -1.017V
V-GND - Meas+ 3.55V (1.01V) ←()内はV-GNDを引き算した値
V-GND - Meas- 1.526V (-1.041V)

正電源 1.511V
負電源 -1.525V
V-GND -1.516V
Meas+ 0.377V
Meas- -0.382V
V-GND - Meas+ 1.90V (0.384V)
V-GND - Meas- 1.140V (-0.376V)

予定している共立の可変レギュレーターのキット(http://eleshop.jp/shop/g/gD5E413/)の仕様が
±1.25Vからなので、意地悪テストもしてみた

正電源 1.265V
負電源 00.0mV
V-GND 00.0mV
Meas+ 0.316V
Meas- 00.0mV
V-GND - Meas+ 0.316V (0.316V)
V-GND - Meas- 00.0mV (00.0mV)

正電源 00.0mA
負電源 -1.258V
V-GND -1.258V
Meas+ 00.0mV
Meas- -0.314V
V-GND - Meas+ 1.255V (-3mV)
V-GND - Meas- 0.941V (-0.317V)

単純な足し算引き算の世界だし、結果もほぼ完璧に近い

シャントレギュレータでGNDの電位を作り出しているのでインピーダンスが気になるが
多分R9の抵抗値で加減できそうだ

TL431は100mAまで流せるし
このGNDで駆動するのはAVRとLCDだけなので
注意するのはLCDのバックライトぐらいだろう

電位をずらす作戦でいくことにして、3端子レギュレーターを含めてもうちょっと実験してみる

3 件のコメント:

  1. 面白いですね。
    考えられる方式を全て考察して最良を狙うに燃えます。
    自分の思いつきも試して頂いて嬉しく。
    電源側トラブル時のマイコン保護という観点ではボルテージフォロアもありですね。

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  2. 記事にも書きましたが、GNDの電位ずらし作戦が有力です

    自分じゃ多分思いつかなかった方法です

    ありがたや~

    回路保護は別に考えたほうがいいかな

    電源の正負を逆に接続した場合ぐらいは考えておいたほうがよさそうですかね

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  3. 自分も逆電位測定したかったので楽しみです。
    正負反転確かにありそう。


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