あまり複雑な回路は組みたくないので、CR2次、CR4次、4次アクティブフィルタを比較しました。
回路図
2次CR LPF
fc = 1 / (2 * π * C * R) ≒ 7962Hz の1次CR LPFを2段直結しました。
4次CR LPF
同じく1次CR LPFを4段直結しました。
4次VCVS LPF バターワース特性
VCVS(正帰還、サレンキ-)フィルタは高周波数で利得が上がってしまう欠点がありますが、マルチフィードバック(多重帰還)フィルタより部品数が少なく済み、位相も反転しないメリットがあります。
参考「サレンキー型フィルタの阻止域特性を改善 (1/2)」「Filtering 101 : サレンキー回路 vs 多重帰還回路」
4次バターワース特性は「OPアンプ大全」に載っている<表4-2>バターワース設計表から
ステージ | Q | F0 |
---|---|---|
1段目 | 0.5412 | 1.0000 |
2段目 | 1.3065 | 1.0000 |
「OKAWA Electric Design」のフィルター計算ツールを使って定数を求めました。(一部手持ちのもので近い値に変更しています)
AC解析
2次CR LPF
15kHzでの減衰率は-16dB程度です。10kHzから100kHzの減衰を見ると、だいたい40dB/decになっています。
4次CR LPF
15kHzでの減衰率は-34dB程度です。10kHzから100kHzの減衰を見ると、だいたい62dB/decになっています。
4次VCVS LPF バターワース特性
なぜだか通過域のゲインが-3dBになってしまいました(@@?
15kHzでの減衰率は-27dB程度です。通過域と比較すると-24dB程度。10kHzから100kHzの減衰を見ると、だいたい80dB/decになっています。
4次CR LPFと比較するとカットオフ周波数付近の肩が急峻になっています。
過渡解析
2次CR LPF
4次CR LPF
4次VCVS LPF バターワース特性
CR LPFの2次、4次は波形がなまっているだけですが、4次VCVS LPF バターワース特性は立ち上がりが速い代わりにオーバーシュートが現れています。
WaveSpectraで測定
Arduino LFOで50Hzのサイン波を出力してWaveSpectraでスペクトラムを見てみました。
4次VCVS LPF バターワース特性 ブレッドボード配線図
OPAMP: NJM13404
電源: 5V/3.3V安定化電源 Ver.2
Arduinoの電源: 単3✕6
Audio I/F: TASCAM US-144 MKII Guitar入力
窓関数: FlatTop
Avg: 40
DDSテーブルサイズ: 12bit✕2048
フィルタなし
2次CR LPF
4次CR LPF
4次VCVS LPF バターワース特性
単純に50Hzのサイン波の綺麗さで比較すると4次CR LPFが良さそうです。
ステップ応答
Arduino LFOで50Hzの矩形波を出力してオシロで測定しました。
フィルタなし
2次CR LPF
4次CR LPF
4次VCVS LPF バターワース特性
ステップ応答はシミュレーションと同じく、CR LPFは次数が高いとなまりが大きくなり、4次VCVS LPF バターワース特性は立ち上がりが急峻でオーバーシュートが出ています。
どれにするかは悩み中。
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