2018年1月7日日曜日

Tr回路の実験 OPAMP+プッシュプル その2

実験編です。

回路図

ブレッドボード配線図


OPAMP: NJM4580DD
NPN: 2SC1815GR
PNP: 2SA1015GR
信号源: PCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPF 
電源電圧: +4.49V / -4.50V

負荷抵抗を150Ω、100Ω、47Ωにして入出力波形を測定しました。入力は1kHz、1Vp-pのサイン波としました。

RL=150Ω

ch1:IN ch2:OUT

RL=100Ω

ch1:IN ch2:OUT

RL=47Ω

ch1:IN ch2:OUT

シミュレーションと同じく、RL=150Ωの時とRL=100Ωのときは4.360Vp-pで歪みなく出力され、RL=47Ωのときは3Vp-p程度で上下がクリップしています。

OPAMPの出力


NJM4580DDの出力ポイント(1番ピン)の波形を測定しました。

RL=150Ω

ch1:IN ch2:OPAMPの出力

RL=100Ω

ch1:IN ch2:OPAMPの出力

RL=47Ω

ch1:IN ch2:OPAMPの出力

RL=47Ωのときは+3.7V / -3.1Vあたりでクリップしています。シミュレーションではUniversalOpamap2(理想OPAMP)を使っていたので±4.5Vでクリップしましたが、実際のOPAMPなので振れ幅が電源電圧より狭くなっています。

RL=100Ωのときはシミュレーションとは若干異なりますが、プラス側の最大振幅あたりで波形がとんがっています。

位相補償用のC1(100pF)をとってみる。


位相補償用のC1を取り除いてみましたが、特に発振することはありませんでした。RL=100Ω。


ch1:IN ch2:OUT

信号源をAD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)に変更しても同様。

Trのコレクタに0.1uFのデカップリングコンデンサを入れているので発振しにくくなっているのかもしれません。

周波数帯域


ちゃんと調べるのは大変なのでAD9833ファンクションジェネレータで1MHzのサイン波を出力して入出力を測定しました。RL=1kΩとしました。

C1(100pF)あり

ch1:IN ch2:OUT

Av = 920.0mV / 512.0mV ≒ 1.8

本来はAv=4.3なので、1MHzでは増幅率が下がっています。

C1(100pF)なし

ch1:IN ch2:OUT

位相補償用のC1を取り除くと出力振幅は大きくなりますが、(おそらく)OPAMPのスルーレートの制約によって波形が三角波に近くなっています。

ステップ応答


矩形波だけのファンクションジェネレータで500kHz、0.5Vp-pの矩形波を出力して入出力を測定しました。RL=100Ωとしました。

C1(100pF)あり

ch1:IN ch2:OUT

C1(100pF)あり

ch1:IN ch2:OUT

シミュレーションとは立ち下がりの波形が違いますが、C1を取ると立ち上がりが速くなっています。

歪率の測定


PCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPFで1kHzのサイン波を出力してWaveSpectaで歪率を測定しました。

RL=47Ωだと波形がクリップしてハッキリ歪むので、RL=100ΩとRL=1kΩとして測定しました。

Audio I/F: TASCAM US-144mkII
WaveSpectraの窓関数: FlatTop

入力

出力(RL=100Ω)

出力(RL=1kΩ)

非反転増幅回路で電圧増幅しているので入出力のレベルが異なります。WaveSpectraの設定で0dBに正規化しています。Audio I/Fへの入力レベルはスペクトラムの左側のRMS欄に表示されています。

入力はレベルが低いのでノイズフロアのレベルが大きくなっています。

入力と比較すると2次、3次高調波歪が出ているようですが、負荷抵抗が100Ωの場合も1kΩの場合も歪率はほとんど変わらないようです。

この回路構成で1Vp-pの入力であれば、100Ω程度の負荷は十分駆動できると思います。

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