2018年1月12日金曜日

Tr回路の実験 ベース接地 その2

実験編です。

回路図

ブレッドボード配線図


コレクタ抵抗による増幅率の設定


コレクタ抵抗RCを、4.7kΩ、6.8kΩ、8.2kΩにして入出力の増幅率を測定しました。

Tr: 2SC1815GR
信号源: AD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)
電源電圧: +8.98V

RC=4.7kΩ

ch1:IN ch2:OUT

回路への入力のポイントでAD9833の出力インピーダンスと回路の入力インピーダンスによってすでに振幅が小さくなっているので、ch1:INの振幅も本来より小さくなっています。

AD9833の出力(無負荷時)

無負荷時と回路への入力をVa(振幅)で比較すると 384mV / 568mV ≒ 0.68 でシミュレーションのとき計算した0.65とほぼ合致します。

回路の入出力の増幅率Avは 1.640V / 384mV ≒ 4.27 で設定値の4.7より少し小さくなっています。

RC=6.8kΩ

ch1:IN ch2:OUT

RC=6.8kΩにすると、振幅は大きくなりますが、下側がクリップします。

RC=8.2kΩ

ch1:IN ch2:OUT

RC=8.2kΩにすると下側がハッキリとクリップします。

ACカップリング用C2通過後

ch1:IN ch2:C2通過後

ch2:C2通過後は約0.9Vプラス側にシフトされています。

Q1の各端子の電位


ベース、エミッタ

ch1:エミッタ ch2:ベース

設計通り、ch2:ベースは約2.5V、ch1:エミッタはベースよりベース・エミッタ間電圧(0.6V~0.7V)低い1.8Vになっています。

コレクタ(RC=4.7kΩ)

ch1:エミッタ ch2:コレクタ

コレクタ(RC=6.8kΩ)

ch1:エミッタ ch2:コレクタ

コレクタ(RC=8.2kΩ)

ch1:エミッタ ch2:コレクタ

RC=6.8kΩ、RC=8.2kΩの場合はコレクタの電位がエミッタの電位にひっかかっています。

周波数特性(高域)


AD9833ファンクションジェネレータで周波数を500kHz~4MHzにして入出力の振幅を比較しました。使っているオシロ(OWON SDS7102)の表示値はVp(ピーク・ツー・ピーク)とVa(振幅)がありますが、両方の値でグラフ化しました。



エミッタ接地回路の周波数特性のグラフと比較すると若干高周波数まで増幅できているようです。エミッタ接地回路のときは-3dBのポイントは1MHz付近でしたが、ベース接地回路の場合は1.3MHz付近のようです。←サンプリングが荒いので正確な値はわかりません(^q^;

もう少し高域に伸びても良さそうなものですが、ブレッドボードで実験しているのでMHz帯になると何かと特性が悪化しているのかも?

測定データ

Vp
F(kHz) In(mVp-p) Out(mVp-p) Av Av(dB)
1 432 1680 3.888888889 11.7965107
500 400 1520 3.8 11.59567193
600 392 1480 3.775510204 11.53951297
700 392 1420 3.62244898 11.18004555
800 400 1360 3.4 10.62957834
900 392 1300 3.316326531 10.41314571
1000 392 1240 3.163265306 10.00271236
2000 352 760 2.159090909 6.685418576
3000 320 500 1.5625 3.87640052
4000 288 340 1.180555556 1.441728586

Va
F(kHz) In(mVamp) Out(mVamp) Av Av(dB)
1 376 1640 4.361702128 12.79312006
500 376 1500 3.989361702 12.01806828
600 376 1420 3.776595745 11.54200999
700 376 1380 3.670212766 11.29382483
800 376 1320 3.510638298 10.90772173
900 376 1260 3.35106383 10.503654
1000 368 1180 3.206521739 10.12068377
2000 320 720 2.25 7.043650362
3000 288 460 1.597222222 4.067306878
4000 248 300 1.209677419 1.653391478

周波数特性(低域)


回路の入力インピーダンスとACカップリング用のC2の容量による低域の減衰を見るために、C2を10uF、100uFにして10Hzのサイン波で比較しました。

C2=10uF

ch1:IN ch2:OUT

C2=100uF

ch1:IN ch2:OUT

ベース接地キャパシタ


ベース接地キャパシタC1の影響を見るためにC1=1uF、C2=100uFとして10Hzのサイン波で測定しました。

C2=100uF、C1=1uF

ch1:IN ch2:OUT

やはりC1の影響は少ないようです。ちなみにC1を取り除いた場合も10Hzあたりでは影響は少ないようです。

C2=100uF、C1なし

ch1:IN ch2:OUT

0 件のコメント:

コメントを投稿