2018年1月24日水曜日

Tr回路の実験 OPAMP+エミッタフォロワ 発振対策

迷走の果て・Tiny Objects」のedyさんに、エミッタ・フォロワの発振対策にベース抵抗を入れる方法を教えていただいたので実験してみました。

トランジスタ技術の記事を参考にしました。

シミュレーション「Tr回路の実験 OPAMP+エミッタフォロワ
実験(発振した)「Tr回路の実験 OPAMP+エミッタフォロワ その2

回路図

ブレッドボード配線図


ベース抵抗R5を入れたのと、コレクタにバイパス・コンデンサ(0.1uF積セラ)を入れたのが主な変更点です。

ベース抵抗R5の値を、47Ω、100Ω、200Ω、1kΩにして入出力を測定しました。また、電源電圧が±4.5Vだと出力波形がクリップしてしまうので±5Vにして測定しました。負荷抵抗RL=1kΩです。

OPAMP: NJM4580D
NPN: 2SC1815GR
信号源: PCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPF  1Vp-p / 1kHz
電源電圧: +5.02V / -5.01V

ベース抵抗R5=47Ω

ch1:IN ch2:OUT

R5=47Ωだと発振波形が現れています。

ベース抵抗R5=100Ω

ch1:IN ch2:OUT

R5=100Ωでもまだ発振波形が現れています。

ベース抵抗R5=200Ω

ch1:IN ch2:OUT

R5=200Ωにすると発振波形が見られなくなりました(^q^/

ベース抵抗R5=1kΩ

ch1:IN ch2:OUT

ベース抵抗R5は負帰還ループ内に入っているので抵抗値による影響は少ないですが、調子に乗って1kΩにすると出力波形がクリップしてしまいました。

負荷による出力のクリップ


ベース抵抗R5=200Ωで負荷抵抗RL=100Ωと重くしてみました。

R5=200Ω RL=100Ω

ch1:IN ch2:OUT

負荷が重くなると、出力波形の下側がクリップします。が、特に発振は見られないようです。クリップは電源電圧による制約なので、電源電圧を±6.5Vまで上げてみると、クリップしなくなります。

R5=200Ω RL=100Ω (電源電圧±6.5V)

ch1:IN ch2:OUT

周波数特性


ベース抵抗R5=200Ω、負荷RL=100Ωで信号源を高周波数まで出せるAD9833ファンクションジェネレータにして測定しました。

OPAMP: NJM4580D
NPN: 2SC1815GR
信号源: AD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)
電源電圧: +5.98V / -5.99V

500kHz

ch1:IN ch2:OUT

増幅率Avは、Av = 3.12V / 560mV ≒ 5.57(14.9dB)です。

1kHzの時の増幅率Avは、Av = 6.04V / 1.04V ≒ 5.81(15.3dB)なので、比較すると-0.38dBです。

1MHz

ch1:IN ch2:OUT

増幅率Avは、Av = 1.24V / 520mV ≒ 2.38(7.53dB)、@1kHzと比較すると-7.77dBです。

高速広帯域のOPAMP


OPAMPの特性が回路の周波数特性に大きく影響するので、高速広帯域のNJM2137に差し替えて測定してみました。

NJM2137のは電源電圧が定格で±1.35V~±6Vで、差動入力が絶対定格で±3Vとなっているのであんまりむちゃなことはできません(^q^;

OPAMP: NJM2137D
NPN: 2SC1815GR
信号源: AD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)
電源電圧: +5.98V / -5.99V

500kHz

ch1:IN ch2:OUT

増幅率Avは、Av = 3.04V / 560mV ≒ 5.43(14.7dB)です。

1MHz

ch1:IN ch2:OUT

増幅率Avは、Av = 2.80V / 520mV ≒ 5.38(14.6dB)です。確かに帯域はNJM4580より広くなっています。

NJM2137は発振しやすくて使い所が難しかったのですが、ベース抵抗を入れると発振波形が出なくなったようです。

ためしにベース抵抗を外してみても(@1kHz)


ch1:IN ch2:OUT

発振波形は現れません。ただしOPAMPの帯域が広いので(GBW 200MHz)、トラ技の記事にあるようにオシロの帯域(100MHz)より高い周波数で発振している可能性が高いと思います。←これは確認できない(^q^;

ビーズ


ベース抵抗またはフェライトビーズを入れるとよいと書いてあったのでフェライトビーズをいれてみましたが効果はあまりありませんでした。(ビーズの仕様は不明)


※こういう使い方でいいのかどうかもわかりません(@@?


ch1:IN ch2:OUT

単電源OPAMP


ベース抵抗を入れない場合は、単電源OPAMPでも負荷が47Ωの場合発振してそうだったので、試してみました。

回路図

ブレッドボード配線図


OPAMP: NJM13404D
NPN: 2SC1815GR
信号源: AD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)
電源電圧: +9.01V

ベース抵抗R5=200Ω 負荷抵抗RL=100Ω

ch1:IN ch2:OUT

ベース抵抗R5=200Ω 負荷抵抗RL=47Ω

ch1:IN ch2:OUT

ベース抵抗R5=200Ω 負荷抵抗RL=10Ω

ch1:IN ch2:OUT

振幅は多少小さくなりますが、負荷抵抗10Ωでも駆動できているようで、発振波形も見られません。

周波数特性


オーソドックスな単電源OPAMPのNJM13404と、高速単電源OPAMPのNJM2742も試してみました。RL=100Ω。

NJM13404 500kHz

ch1:IN ch2:OUT

NJM2742 500kHz

ch1:IN ch2:OUT

500kHzではNJM13404は三角波に近い波形になってしまいましたが、高速なNJM2742はサイン波形を保っています。

Av = 1.8V / 560mV ≒ 3.21(10.1dB)。

1kHzのとき(NJM13404の場合)、Av = 3.16 / 560mV = 5.64(15.0dB)なので、比較すると-4.92dB。振幅は小さくなりますが、波形は両電源のNJM2137よりきれいかもしれません。

NJM2742 1MHz

ch1:IN ch2:OUT

Av = 960mV / 520mV ≒ 1.85(5.33dB)で、1kHのときと比較して-9.67dB。

NJM2742も発振しやすくて使いにくかったのですが、ベース抵抗を入れることによって発振しなくなったようです。エミッタフォロワの発振対策としてベース抵抗を入れる効果は高いと言えます。