2018年1月17日水曜日

Tr回路の実験 カスコード・ブートストラップ

カスコードの2段目のTrのベースにブートストラップをかけた回路です。実験すると発振してしまったので実験メモです。

シミュレーション回路図

手持ちの関係でブートストラップに使うツェナーダイオードを3.3Vのものにしました。R、Cの値も「定本 トランジスタ回路の設計」のものから変更しています。

増幅率による出力への影響を見るために、Rcを1.5k、3.3k、4.7kにしてパラメータ解析しました。増幅率Avは Av = Rc / R4 なので、それぞれおおよそ、2.2、4.9、6.9になります。

入出力

Rc=4.7kのとき波形に振動が現れてしまいました。出力V(out)だけではなく、入力V(in)にも振動が現れています。

Rc=3.3kのとき、Av≒4.3、Rc=1.5kのとき、Av≒2になっています。R1、R2の値が小さく入力インピーダンスが低いので入力V(in)の振幅が小さくなっています。

Trに流れる電流、バイアス電流

Q1のエミッタ電流Ie(Q1)はアイドル時で約2.4mAです。バイアス電流は0.24mA程度流せばいいのですが、この定数ではバイアス電流はQ1が0.8mA、Q2が0.6mA程度になっています。

Q1の各端子の電位



Q1のベース電位V(vb1)は約2.7V、エミッタ電位はTrのベース・エミッタ間電圧分低い約2.0Vになっています。

Q2の各端子の電位



グラフが見難いのでRc=3.3kに固定してシミュレーションしました。

Q2のベース電位V(vb2)は約5.6V、エミッタ電位V(ve2)は約4.9Vになっています。コレクタ電位V(vc2)は7.3Vを中心に振れています。(コレクタの動作点はVCCとエミッタ電位の中点の10Vあたりに持ってくると振幅が稼げますが)

実験


ブレッドボード配線図


NPN: 2SC1815GR✕2
信号源: AD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)
電源電圧:15.00V
Rc:3.3kΩ
D1:3.3V Zener

入出力

ch1:IN ch2:OUT

激しく発振してしまいました(^q^;;;

ch1:INの発振波形は、オシロのプローブをINとOUTの2ch当てているためで、INのみに当てると発振波形は現れません←オシロの内部で干渉する?

拡大してみると


ch1:IN ch2:OUT

周波数が高く、振幅も相当大きいようです。

Q1のベース、エミッタ

ch1:Vb1 ch2:Ve1

Q1のベース電位vb1は約2.7V、エミッタ電位ve2は約2.0V。ここでは発振波形は現れていません。

Q2のベース、エミッタ

ch1:Vb2 ch2:Ve2

Q2のベースVb2に発振が現れています。おそらくエミッタVe2も発振していると思います。

ベース電位Vb2は約4.4V、エミッタ電位Ve2は約3.8Vでシミュレーションより低い値になっています。ツェナーの不良かと思って何本か差し替えてみましたが発振は止まりません。

Q2のコレクタ

ch1:Vc2

Q2のコレクタVc2は出力と同じく激しく発振しています。電位は約6.8Vで、これもシミュレーションより低い値になっています。

バイポーラ・トランジスタのカスコード・ブートストラップ回路の作例がなかなか見つからないので、今回は保留していずれまたやってみたいと思います。「定本 続トランジスタ回路の設計」に出てきますが、電位の関係でJFETの方がブートストラップをかけやすい感じがします。