2020年4月7日火曜日

Behringer UMC404HD購入。ファーストインプレッション。

BehringerのUMC404HDを購入しました。USB接続4in/4outで24bit/192kHzという(仕様上は)かなりハイスペックなオーディオインターフェースです。

Behringerはここ数年アナログ・シンセでほんまに大丈夫かいな?みたいな製品をいっぱい出していますが、いつからかわかりませんが日本代理店があのエレクトリになっています。エレクトリの他の取り扱いメーカーは2桁ぐらい価格帯が違うんじゃないでしょうか?

サウンドハウスでもエレクトリの直販でも価格は同じですが、サウンドハウスで在庫品10%オフセールをやっていたので購入しました。機材はだいたいいつもサウンドハウスで購入してるんですが、サウンドハウス価格から10%オフは魅力です。


同梱物はいたってシンプルです。ASIOドライバもネットでダウンロードする必要があります。付属のソフトは何もありません。(なのにシールは付属)

筐体はメタルケースでずっしりと重く、POT類の操作感もまずまずです。

サウンドハウスのホームページには「ACアダプタは付属しません」とありますが、同梱されていました。ACプラグは交換可能なものでUSタイプが付属していました。


PSEマークはエレクトリのシール(笑)。ACアダプタのDC側のプラグはセンター・マイナスなので、よく知らない人が普通のセンター・プラスのACアダプタを繋いだらめんどくさいことになるんじゃないかと思います。逆電圧保護はされているとはおもいますが。

付属のUSBケーブルはノイズフィルター付きのものです。


こういう場合は素直に付属のケーブルを使ったほうがいいと思います。

入力: WaveSpectraでFFTしてみる



自作のPCM5102A_FG+4次VCVS_LPFで1kHzのサイン波を出力し、ch1にLINE入力してWaveSpectraでスペクトラムを見てみました。


以前TASCAM US-144MKIIで測定したものと比べると、THD、ノイズとも大きくなっています。

また、15kHz付近などに折り返しノイズのようなものも見られます。入力前段のLPFがあまり効いていない感じです。

まだうまく使いこなせていない可能性はありますが、あまり期待しないほうがよさそうです。

出力: ヘッドホン出力をオシロで観測


WaveGeneで1kHz/-0dBのサイン波を出力し、ヘッドホン端子からの出力を無負荷で測定しました。

ボリューム(PHONES)を上げると波形が歪むので波形を見ながら調節しました。

PHONES: 12時の位置

PHONES: 1時の位置

12時の位置で、ギリギリ歪むか歪まないかです。このときVaが3.080Vとなっています。1時の位置まであげると波形の上下がクリップし、Vaが4.000Vとなっています。電源が5Vなのでまあこんなもんでしょう。

波形の線が太くなっているので拡大して見てみました。


ノイズの波形ではなく、規則性を持った波形です。山の間隔が2~3us程度のようなので逆数をとって500kHz~300kHzあたり。出力段のアンチ・エイリアシング・フィルタもあまり効いていない感じです。

まとめ


仕様上は24bit/192kHzですが、いわゆるハイレゾ機器とは言えないと思います。出力電圧も低いので、入力インピーダンスの高いヘッドホンで聞くとがっかりすると思います。

ただし、UMC404HDのメリットは4入力可能でミキサーとしても使えることです。ADC/DACが4個ずつ入って17,000円程度とは、さすがBehringerだと思います。原価を考えると、この仕様で利益が出るように設計しろと言われたら…「この鬼!悪魔!殺す気か!」とつぶやいて会社やめると思います。


キッチンラックの上に合板を敷いて、ノートパソコンの下に収めました。貧乏音源製作環境にはちょうどいい感じです。

2020年4月3日金曜日

アナログ・フォトカプラー(LCR0202、MI0202)の特性をAnalogDiscovery2で測定

アナログ・フォトカプラーはLEDとCdsの組み合わせで光結合を行うデバイスで受信側は抵抗として働きます。シンセの回路ではVactrolと呼ばれることもあります。

普通の(デジタル)フォトカプラーと異なるのは、入力に対して出力がアナログ的に連続しているのと、出力が電圧ではなく抵抗値である点です。

VCVS VCFやウィーンブリッジ発振回路、フェイザーなどに使えそうです。

入出力の特性を見るために、実験回路を組んでAnalogDiscovery2で応答を測定しました。測定したのは、LCR0202MI02020CLです。

回路図

入力(LED側)はAD2のWavegenでW1から三角波を出力し、DC値をスイープさせました。R2、R3を電流測定用の抵抗として使い、出力側では抵抗値を計算して求めました。

アナログ・フォトカプラー(Vactrol)の出力側の抵抗値をROとすると

RO = (+5V * R3) / C2[V] - R3 [Ω]

R3 = 100[Ω]なので、

RO = 5 * 100 / C2 - 100 [Ω]

となります。

アナログ・フォトカプラーは反応が鈍いので入力波形の周波数を変えて測定しました。

ブレッドボードで実験しているようす

LCR0202


LCR0202@1Hz

LCR0202@10Hz

LCR0202@100Hz

MI0202


MI02020CL@1Hz

MI02020CL@10Hz

MI02020CL@100Hz

入力電圧が上昇する場合と下降する場合で抵抗値の変化のようすが異なり、100Hz(10ms周期で三角波が上下する周期)ぐらいになると応答が追いつかなくなるようです。

また、MI0202よりLCR0202の方が応答速度が速いようです。

仕様書に載っている入力電流vs出力側の抵抗のグラフです。

LCR0202



MI0202

2020年3月30日月曜日

Eurorack: ERK01 電源部完成

EuroRack用の電源基板(ERK01_PSU)をはんだ付けしました。

回路図

基板図

部品面

ハンダ面

スイッチング電源VT-60に接続

デカップリング・コンデンサはOS-CONにしました。12V電源で16V品を使うのは若干心配ですが、OS-CONは長寿命らしいので運用して様子見です。

470uF電解コンデンサーのインピーダンス特性


手持ちの470uFの電解コンのインピーダンス特性をAnalogDiscovery2のインピーダンスアナライザで測定しました。


インピーダンスアナライザ使い方は以下の記事を参考にしました。
「迷走の果て・Tiny Objects」さんの「ANALOG DISCOVERY 2:インピーダンスアナライザー
「アナログ回路のおもちゃ箱」さんの「Impedance Analyzer Imterface-6 (補正と測定)
「DIGILENT」の「Using the Impedance Analyzer

測定したコンデンサ

左からOS-CON、MUSE、UTSJ、PK、KMG、WXAです。

OS-CON: Panasonic SPEC 470uF 16V
MUSE: Nichicon MUSE UKZ 470uF 25V
UTSJ: Toshin UTSJ 470uF 25V
PK: Rubycon PK 470uF 25V
KMG: Nichicon KMG 470uF 16V
WXA: Rubycon WXA 470uF 16V

OS-CON

MUSE

UTSJ

PK

KMG

WXA

比べてみると東信のUTSJは小型の割に健闘していますね。MUSEと比べるとESR(|Rs|)は若干高いですがリアクタンス(|Xs|)はリニアでMUSEより高周波数まで伸びています。見た目もシルバーでかっこいいと思います。

OS-CONとMUSEはさすが低ESR品です。100mΩ以下の測定値になっています。

470uFのコンデンサのリアクタンスX=1/ωCなので

10kHz: X = 1 / (2 * 3.14 * 10[kHz] * 470[uF]) = 33.9[mΩ]

となりグラフの目盛を見ると、KMG、WXAは直線性が保たれていません。電源のデカップリング用途ならそれほど精度は必要ないと思いますが。

電源ノイズ

負荷抵抗を入れて出力ノイズを測定しました。

負荷抵抗
±12V: 100Ωx2並列 RL=50Ω IO=±240mA
+5V: 50Ωx3並列 RL≒33Ω IO=+150mA

出力電圧
+12V: 12.10V
-12V: -12.12V
+5V: +5.009V (調節可)

±12V

ch1:+12V ch2:-12V

+5V

目盛から読み取って1周期5.4us程度なので、ノイズの周波数は185kHz程度です。VT-60の仕様書によるとスイッチング電源の周波数は180kHzとなっているのでVT-60のスイッチングノイズがそのまま現れています。

+5VはVT-60の出力そのままなのでノイズレベルも500mVpp程度と大きくなっています。

AnalogDiscovery2のScopeでも測定しました。AC/DC結合の切り替えはBNCボードのジャンパで行います。

電源OFF時

±12V

+5V

ノイズが多いのでいずれVT-60とERK01_PSUの間にノイズフィルター的なものを入れるかもしれません。