2020年1月30日木曜日

汎用8次多重帰還ローパスフィルタ基板を妄想

メモです。

DACの出力に入れるためのLPFの製作を省力化するためにプリント基板を焼くかどうか。

要件


電源: 単電源9V程度、または±12V程度
フィルタ特性: 8次多重帰還LPF 定数は実装時に決める。
その他: 単電源で使う場合は両電化した仮想GNDを出力できること。

8次ベッセル特性でカットオフ周波数 fc=96[kHz]で設計した場合のシミュレーション。 


一回はブレボで実験してみるつもりです。

次数が低いところ(2次とか4次とか6次)でも測定できるようにする?

2020年1月28日火曜日

ACS712利用両電源電流計 基板設計

使いながらファームウェアをいじることを考えて、一応キャリブレーションするためのスイッチを付けておくことにしました。

ブロック図

回路図

基板図

KiCADによる3D表示

部品並べ

KiCADの3D表示はかなり現物に近い表示ができてますね。プリント基板を焼くときには強い味方になってくれると思います。

aitendoで購入した1uFのフィルム・コンデンサーはまとめて買ったのに外形のサイズが微妙に違ってました。電気的な性能は選別すればまあまあなので良しとしましょう。

ジャンパーが結構多くなってしまったので、基本的に裸のスズメッキ線を使うことにしました。長いジャンパーだけ被覆あり。加工がめんどくさいんです。

memo:


キャリブレーション・スイッチはINTが使えるPINにする?

2020年1月22日水曜日

ACS712利用両電源電流計の設計

ACS712は被測定物と測定結果電圧を絶縁して使えるのがメリットですが、色々と癖が強いようです。

まずノイズが多くて単純にADCで出力電圧を拾うとその時々によって測定誤差が大きく出ます。これはLPFを通すことでクリアできそうです。

また、ホール素子を使用しているため環境の磁力によって大きな測定誤差が発生します。

ブレッドボードで回路を仮組みして、電流を流さない状態でACS712付近に磁化したドライバを近づけてみた反応です。

通常時(0mA測定)

測定結果は0mA程度になっています。

磁化したドライバを近づけた場合(0mA測定)

磁化したドライバをもっと近づけた場合(0mA測定)

測定限界(表示値としては±500mA程度になる)を超えた結果になります。

また、条件は定かではないのですが、無電流時に±10mA以上流れている表示になったりすることもあります。これは無電流時に0mA表示になるように、ハードウェア的もしくはソフトウェア的にキャリブレーションすることで解決できるかもしれません。

とりあえずお蔵入りさせるのは忍びないので運用テストできるレベルで組んでみたいと思います。

ケース内仮配置


大きなケースを使えば配線も楽になるし、メタルケースを使えば磁力への耐性も向上すると思いますが、使い慣れた秋月の透明プラケースに収めることを要件としました。

汎用性/可用性を考えると、バナナ端子/ジョンソン端子を使いたいのですが、いかんせんサイズがでかいので、GND線は電流をハイサイドで測定する上で必要がないので、筐体内を通さないことにしました。

ブロック図

あとからのいじりやすいようにアナログ回路とデジタル回路を別基板で実装することも検討したのですが、同一基板で実装したほうがスペース的に有利です。

回路図

基板図

※配線まだ

KiCadによる3D表示


2020年1月7日火曜日

AKG K701購入しました。

USBヘッドホンアンプが完成したので、ずっと欲しかったAKGのK701を購入しました。



というのも愛用しているSony MDR-CD900STは15年近く使っていて、さすがに出音が心配になってきたからです。ヘッドホンが劣化していてはヘッドホンアンプを聴き比べる意味がありません。

K701はオープンエア型リスニング用という位置づけで、密閉型モニタ用のCD900STとは対象的なヘッドホンという面もあります。

AKG K701にはK702という双子のような製品があります。Web上の情報ではK701とK702の性能は殆ど同じようです。違いは色とリケーブルできるかどうか。色に関しては白でも濃紺でもどっちでも良かったので(白は澪ホンとして有名でおっさんが使うにはちょっと恥ずかしい)、リケーブルできるK702にしようかと迷ったのですが、要はリケーブルするためにミニXLR端子を付けてる分の価格差のようです。しかもK701はケーブルが4線、K702はケーブルが3線らしいのです。

4線のケーブルならプラグを交換すればL/RでGNDを分離できるし、ケーブルが断線したとしても自分で修理できると思うので、結局安い方のK701を選びました。

まずは試聴と、展示店でスマホをつないで聴いてみると音がちっちゃい。低音もなんだかモヤモヤしててとてもいい音とは思えません。K701は入力インピーダンスが62Ωと最近ののヘッドホンと比べて高く、能率も93dB/mWとかなり低くなっています。

CD900STは入力インピーダンスは63Ωでほとんど同じですが、効率が106dB/mWあります。

AKGの製品でなおかつユーザー評価が高いので、スマホに直結したようなしょぼい音なはずがありません。これはヘッドホンアンプで鳴らしがいがあるでは?と踏んで購入に至りました。

PCM2704_HPAにつないで見る


自作のPCM2704_HPAは、DAC部分はPCM2704を使っていますが、ヘッドホンアンプ部はLME49600で、その間でOPAMPを使って電圧増幅しています。

LME49600_HPA回路図

LME49600_HPA基板

DCサーボを使っているのでわかりにくいですが、ピンソケットを使って差し替え可能にしているR8が1kΩの場合3倍増幅になります。PCM2704の出力が最大約1Vppなので、この定数の場合、最大出力電圧が3Vppになります。この状態でK701をつないで試聴すると音量が小さくてフルボリュームにしても全然迫力がありません。

電圧増幅を何倍にするか決めるために、K701の最大入力が200mWなことから計算しました。

Vrms = √(P * R) = √(200[mW] * 62[Ω]) ≒ 3.52[Vrms]

Vpp = 2 * √(2) * Vrms ≒ 8.73[Vpp]

です。PCM2704基板の出力電圧は約1Vppなので、だいたい9倍弱すればよさそうです。R8を3.3kΩとして増幅率Av = 1 + (3.3[kΩ] / 500[Ω]) = 7.6 としました。

出力のチェック


100Ωの産金を3本並列したものを負荷として、WaveGeneからフルボリュームでサイン波を出力して波形を測定しました。

Lch

Rch

計算とは違って、約4.3Vrms程度出ています。どこか間違えていると思いますが、いずれちゃんと調べるとして、フルボリュームでサイン波を出力することはまずないので(ヘッドホンより先に耳がやられる)この状態で試聴しました。


一言で言って、スマホはもちろん、最大3Vppで聴いたときとは別物です。

CD900STと比べると、よく言われるように中高音がなめらかで音量を上げても耳に刺さりません。低音もCD900STがバッツンバッツン塊になってくるのに対して広がりを持って押し寄せてくるといった感じでしょうか。

K701はスマホやDAPのような出力電圧の低いアンプで聴くものではないと思います。入力インピーダンスが高くて能率が低いので、アンプの方は駆動力(出力電流)よりはまず出力電圧を気にしたほうがいいんじゃないでしょうか。

また、キャラクターの違いはありますが、CD900STもそれほど劣化していないこともわかりました。故障したり劣化してもドライバーユニットを交換できるのがCD900STの強みでもあります。

劣化しているとしたら、私の耳かもしれません(^q^;

記念撮影

2020年1月6日月曜日

ACS712利用両電源電流計の構想 その2

以下のような構成で製作することを考えました。

ブロック図

ブレッドボードでテスト

※現段階ではOLEDの表示はダミーです。

ファームウェアをプログラミングして様子を見てみたいと思います。

メモ:

電源電圧を分圧してADCで監視。

アナログ系とデジタル系は基板を分ける?

Arduino pro mini / nanoはAREFが使えないので基準電圧はVCC?

LDOのNJM2396は出力電圧が比較的高精度のよう。

2020年1月3日金曜日

ACS712の出力にアクティブLPFをかけてみる

ACS712の出力はノイズが大きいのでアクティブLPFをかけてノイズをカットすることを考えてみました。

ACS712出力は単電源波形なので、アクティブフィルタに使うOPAMPの電源は、+5Vの単電源をRail Splitterで分圧して仮想GNDとしました。GNDレベルを決めるだけなので抵抗による分圧でもいいかもしれませんが、念の為TLE2426を使いました。

フィルタは位相を反転させたくないので多重帰還ではなくVCVSを使いました。必要なのはDC値なのでカットオフ周波数は低いほうがいいのですが、時定数が大きくなるとレスポンスが鈍くなるので、Cをフィルムコンデンサーを使う方向で適当に定数を決めました。抵抗値も大きすぎると熱雑音が心配になってきます。

シミュレーション回路図

時定数 τ = R * C = 6.8[kΩ] * 0.47[uF] ≒ 3.2[ms]
カットオフ周波数 fc = 1 / (2 * Π * C * R) ≒ 50[Hz]

AC解析

VCVSなので高周波数で利得が上がっていますが目をつぶります。

過渡解析

ノイズとして500Hz、1Vp-pの矩形波を入力しています。フィルターを通すとノイズはそこそこ取れているし定常状態になるにも20ms程度で済んでいます。+50mV程度オフセットが出ていますがACS712モジュール側のオフセット調整でなんとかなりそう。

ブレッドボード図

実験中のようす

電流は100Ωの抵抗を並列にして50Ωの負荷とし、+5Vを印加して100mA流しています。

OPAMPは低電圧で動作するフルスイングCMOSタイプのNJU7032を使いました。

オシロで観測


無電流時

ch1:ACS712の出力 ch2:フィルタ通過後

100mA時

ch1:ACS712の出力 ch2:フィルタ通過後

ACS712のオフセットやゲインをきっちり調整していないので出力電圧に誤差がありますが、ノイズはかなり低減できています。

以下、オシロの入力をAC結合して波形を拡大したところです。

無電流時

ch1:ACS712の出力 ch2:フィルタ通過後

100mA時

ch1:ACS712の出力 ch2:フィルタ通過後

1.4Vp-p程度あったノイズを50mVp-p程度まで低減できました。なんとかなりそうかな?

2020年1月2日木曜日

ACS712はノイズが多い

あけましておめでとうございます。

ACS712でかんたんに電流計を作ろうと目論んでいますが、出力ノイズが多いようです。

計測しているようす

前回、出力電圧をテスタで測っていたところをオシロで見てみました。

ACS712電源OFF

ch1:正電源 ch2:負電源

ACS712電源ON 電流0mA

ch1:正電源(電流なし) ch2:負電源(電流なし)

ACS712電源ON 電流50mA

ch1:正電源(電流+50mA) ch2:負電源(電流-50mA)

中心値(V)を見ると入力した電流に従って出力電圧が変化しています。±50mA流しているので計算上は±250mVの変化になります。

ところがオシロの表示値(Vp)を見るとノイズが1Vpp以上あります。出力電圧の変化に対してノイズが大きすぎます。

反応が鈍くなりますが、Analog/DigitalのLPFを入れて、測定値をならすかどうか悩みます。

新春早々悔しいですが、一旦保留してしまうかも?