2020年11月30日月曜日

Antilog-NPNO Ver1.1 PCB版

テスト実装しました。


回路図

トランジスタ(Q1、Q2)と抵抗(R13)を熱結合しやすいように配置しました。R13は3300ppmの温度補償抵抗を使い、エポキシ接着剤で固める予定です。

エポキシ接着剤での熱結合のテスト


DC電位


入力をGNDに落とした場合の各部の電位をテスタで測定しました。

シミュレーション

fV、nV、uVという値が表示されていますが、実際にはなかなか測定できませんので0V(GND)として扱います。

測定値

入出力

シミュレーション回路図

CVに与える電圧をパラメータとしてDC解析を行いました。.paramコマンドで出力の振幅を調節するRsを変化させています。

出力電流

出力電流(縦軸:対数軸)

出力電圧([MEAS]の点)

テスト用ブロック図

Analog Discovery 2を使い、±1Vのノコギリ波を入力して出力電圧を測定しました。

テストの様子

Adj=0Vの場合

出力がレファレンス電圧(5V)側に偏っているので、Input_Adjトリム(RV3)を調節します。

約0V~3.5Vの出力、電流検出抵抗10kΩですので、出力は約0uA~350uAの吸い込み電流となります。

Analog Discovery 2でCSVでExportしてエクセルでグラフ化しました。


縦軸は対数軸で、直線であればIoutは指数関数となります。(オレンジの点線は直線)

グラフの乱れはノコギリ波の垂直部分でプロットされているためです。

メモ


POTの端子(1-2-3)が逆。
VCOの場合CVの直入力が必要。

2020年11月9日月曜日

秋月のデジタル電圧計2種の誤差を測定

秋月のデジタル電圧計2種の表示値の誤差を測定しました。


左:DER EE DE-2645 右:Shen Zhen Tekivi 超小型


電圧源は秋月の「NJM317使用可変安定化電源キット」を使用しました。もとの電源は18650×4本で約15Vです。

基準となる電圧の測定はOWON B35で行いました。OWON B35の誤差はカタログスペックで±(0.5% + 2digit)となっており、測定対象のDE-2645と同じです。なので、誤差の値はあまり厳密なものではありません。

表示値

DE-2645は2.5Vでは何も表示されず測定不能でした。どちらも仕様ではDC3V~です。

誤差

今回テストしたデジタル電圧計は2つとも、10V以上では小数点1位までしか表示されないため、DE-2645も誤差が大きく見えますが1digitですので仕様上の誤差の範囲内です。

DE-2645は桁数は少ない(そしてサイズが大きくて少し値段が高い)ですが、概ねテスタレベルの確度で測定ができると考えて良いと思います。

測定データ
OWON B35(V) DE-2645(V) 超小型(V) DE-2645誤差(V) 超小型誤差(V) DE-2645誤差(%) 超小型誤差(%)
2.502 N.D 2.49 #VALUE! -0.012 #VALUE! -0.48%
2.997 3 2.98 0.003 -0.017 0.10% -0.57%
3.496 3.48 3.47 -0.016 -0.026 -0.46% -0.74%
4.001 4 3.97 -0.001 -0.031 -0.02% -0.77%
4.498 4.49 4.46 -0.008 -0.038 -0.18% -0.84%
4.997 4.99 4.95 -0.007 -0.047 -0.14% -0.94%
5.497 5.5 5.45 0.003 -0.047 0.05% -0.86%
6 6.02 5.94 0.02 -0.06 0.33% -1.00%
6.5 6.5 6.43 0 -0.07 0.00% -1.08%
7 6.97 6.93 -0.03 -0.07 -0.43% -1.00%
7.5 7.49 7.47 -0.01 -0.03 -0.13% -0.40%
8 8 7.99 0 -0.01 0.00% -0.12%
8.49 8.48 8.42 -0.01 -0.07 -0.12% -0.82%
9 9 8.92 0 -0.08 0.00% -0.89%
9.5 9.48 9.41 -0.02 -0.09 -0.21% -0.95%
10 10 9.92 0 -0.08 0.00% -0.80%
10.5 10.5 10.4 0 -0.1 0.00% -0.95%
11 10.9 10.9 -0.1 -0.1 -0.91% -0.91%
11.5 11.4 11.4 -0.1 -0.1 -0.87% -0.87%
12 12 11.9 0 -0.1 0.00% -0.83%
12.5 12.4 12.4 -0.1 -0.1 -0.80% -0.80%
13 13 12.9 0 -0.1 0.00% -0.77%
13.5 13.5 13.4 0 -0.1 0.00% -0.74%
14 14 13.9 0 -0.1 0.00% -0.71%

2020年11月5日木曜日

アナログVCO SawVCOの製作 その2

テスト実装しました。



アンチログ回路はAntilog-NPNOのユニバーサル基板版でテストしました。

SawVCO 回路図

Antilog-NPNO 回路図

OPアンプ: TL072IP
電源: ERK01_PSU ±12V
Cutoff POT: 10kΩ/B

出力電流はAntilog-NPNOのR14(1kΩ)の端子電圧を測定して求めました。

入力電圧: 10.05V

VR14=253.5[mV]→Ictrl=253.5[uA]
fO=5.4113kHz

入力電圧: 0V

VR14=48.7[mV]→Ictrl=48.7[uA]
fO=1.0765kHz

入力電圧: -10.05V

VR14=9.4[mV]→Ictrl=9.4[uA]
fO=206.48Hz

Vppは測定値は15V程度になっていますが、ノコギリ波の山の部分にひげが出ているためで、振幅はシミュレーションと同じく±5V程度になっています。

出力周波数は、200Hz~5kHz程度です。出力周波数はSawVCOのC8の値やアンチログ回路の吸い込み電流などで変更可能です。

Liner_FM変調


菊水Model459から正弦波を出力し、SavVCOのLiner_FMに入力して変調をかけました。


ch1:出力 ch2:入力(Liner_FM)

2020年11月2日月曜日

アナログVCO SawVCOの製作

Analog2.0のVCOを参考にしてノコギリ波出力のVCOを製作することにしました。

参考



以前、VCOのコアの部分をブレッドボードで実験しました。


実製作前にあらためてブレッドボードで動作確認をしました。

シミュレーション回路

出力波形

出力は±5Vのノコギリ波です。

ブレッドボードで実験


ブレッドボード図



ブレッドボードでの実験はアンチログ回路は以前ユニバーサル基板で製作したAntilog-NPNOを利用しました。

PCB製造


アンチログ回路は他の実験でも使えるように、ノコギリ波VCO回路本体とアンチログ回路を別基板にしました。


今回はPCBgogoに製造を依頼しました。fusionPCBと比べるとPaypalの利用代が$2かかりますが、トータルの金額ではほとんど差はないと思います。製造品質も主にスルーホールの部品を使うような場合は特に気になる点はありません。

配送はOCSで2968円、到着まで7日でした。

メモ


SawVCOのC1のシルクの位置が見にくい。
端子類の「G」表示位置がわかりにくい。