2021年4月25日日曜日

WaveShaper Saw2Sqr ノコギリ波→矩形波変換モジュールの製作

要はコンパレーターです。ノコギリ波と基準電圧を比較して、出力電圧をHigh/Lowに切り替えます。基準電圧によりパルス幅が変わります。

回路図

U1Bがコンパレーター本体で、U1Aで基準電圧を決めています。入力するノコギリ波が-5V~5Vなので、基準電圧を0~5Vになるようにしています。

RV2の端子の順が回路図のとおりだと、左一杯でパルス幅最大、右一杯でパルス幅最小となります。POTのピン順を逆にしたほうが操作しやすいかも知れません。

製作した基板

パネルに取り付け

出力信号


PW POT 左一杯

デューティー比: 50.3%

PW POT 右一杯

デューティー比: 4.9%

これでSawVCOをコアとして、ノコギリ波、三角波、矩形波を出力できるようになりました。

ERK01にマウントしたようす


2021年4月21日水曜日

Korg SQ-1 ファーストインプレッション

ステップシーケンサーのKORG SQ-1を購入しました。アナログシンセを使っている人にはコスパが良く、そうでない人にはほとんど使いみちが無い機械です。

今まではDAWのMIDI機能とMIDI-CVコンバーターを使ってシーケンサーとして使っていました。変わった点は、マウス操作ではなくつまみをひねって音を操作出来るようになり、PCも特に必要ではなくなりました。つまみをひねれば音色が変化するアナログシンセとの親和性は非常に高いと言えます。


同梱物は、マニュアル、MIDI-OUT端子変換ケーブル、単3電池×2でした。電源は電池の他USBから供給可能です。

出力信号の観測



出力信号 CV & GATE

CVは5V設定です。設定により、1V、2V、5V、8V(Hz/V)に変更可能です。

GATE信号はH=13V程度出ています。

出力信号 SYNC

SYNC信号はH=5V出力です。パルス幅は13.5msです(仕様では15ms)。正負の極性は設定により変更可能です。

GATE信号の取り扱い


GATE信号は仕様では10Vとなっていますが、無負荷で測定すると13V程度出ています。

自作のEGはGATE信号をArduinoのGPIOに入力する仕様となっているため、H=5Vに制限するようにアダプタを製作しました。


単に10kΩの抵抗をかましただけですが、EG側の入力インピーダンスと合わせてH=5Vとなりました。

またSQ-1のGATE信号の出力インピーダンス(内部抵抗)を計測しようと100Ωの負荷抵抗をつないで出力電圧を計測しましたが、無負荷時と比較してほとんど電圧降下が見られませんでした。出力インピーダンスは無視してかまわないと思います。負荷抵抗100Ωの場合
IO = VO / RL = 13V / 100Ω = 130mA
となり、これ以上流すと危険なので深追いはしていません。おそらく短絡しても保護がかかるようになっているとは思いますが。

SLIDE機能


ステップ間の音程をなめらかにつなぐ機能です。SLIDEをONにしたステップと次のステップが補間されます。


SLIDEをONにしたステップから次のステップにかけてCVがなだらかに補間されています。また、SLIDEをONにしたステップのGATE信号はLに戻らず、次のステップまでHのままになっています。少し凸凹していますが、GATE信号は論理値なので問題ないでしょう。

またSEQUENCE MODE (ロータリースイッチ)でCV SLIDEモードを選択するとBチャンネルのプッシュボタンでSLIDE ON/OFF、ノブでカーブのゆるさを変更できます。

Bチャネルのノブ最大→カーブがゆるい

Bチャネルのノブ中間→カーブがシュッとする

音程やフィルターの開閉など、ちょっとしたニュアンスの表現に使えると思います。

メモ


マイコンなどデジタル回路を使ったモジュールを使う場合、GATE信号の13Vに耐えられる仕様にする必要があります。今まで私が作ったものは5V仕様なのでちょっとまずいですね。間違えてCVやAudio用のジャックにGATE信号を入れてしまうことも普通にありそうです。

何らかの保護回路を入れたり、ロジックICなら高耐圧の4000シリーズを使ったりでしょうか。今後の製作物の要件とします。

EGの電源をオフにした場合、入力電圧が低下。AVRは電源OFFの場合GPIOの入力インピーダンスが低くなる?

2021年4月8日木曜日

TLF01 V2.0 Rev.Aの製作 Antilog-NPNO Ver.1.2利用

TLF01 V2.0の不具合を修正したRev.A製作しました。アンチ・ログ回路にはAntilog-NPNO Ver.1.2を流用しています。Antilog-NPNO Ver.1.2はSawVCOでも使用しています。

TLF01 V2.0 Rev.A 回路図

入力が±5V波形の場合、RV1をかなり絞らないと入力過大となるので、R3(1kΩ)の値を大きくして入力を減衰させたほうが良さそうです。

Antilog-NPNO Ver.1.2 回路図

TLF01用に定数を変更したり実装する部品を省いたりしています。

TLF01_V2_0_RevA

Antilog-NPNO Ver.1.2

パネル取り付け

※Antilog-NPNOのMOD1の入力ジャック(白い配線)とMOD2の入力ジャック(黄色い配線)の取り付け位置が逆。

Antilog-NPNO Ver.1.2の単体テスト


アンチログ回路のテスト方法です。 

シミュレーション回路図

DC解析

テスト用配線

I_Sink端子に1kΩの抵抗をつなぎ入力端の電圧を測定します。Cutoff POTを回して5V(左端)~12V(右端)程度に変化すればOKです。

入出力


ノコギリ波

C1:SawVCO C2:TLF01_V2_RevA

三角波

C1:SawVCO+Saw2Tri C2:TLF01_V2_RevA