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2021年11月2日火曜日

LME49600HPA V2.1 2台目の製作

オーディオインターフェイスのベリンガーUMC404HDのヘッドホン出力が貧弱なため、LME49600を使ったヘッドホンアンプを製作しました。

アナログシンセを製作していると、音量を上げたときに矩形波状に歪んだ場合かえって良い感じに聴こえる場合があります。感覚的に言うと音が太くなります。ヘッドホン出力が歪むと一体何を作っているのかわからなくなるので、これを改善するのが目的です。歪を楽しむために歪みを極力少なくします。

今回は電源を同じ筐体に収めました。

ケース内部

前面

背面

主な構成は以下の通りです。

メイン基板
LME49600 HPA V2.1のDCサーボバージョンです。レギュレータ基板に問題があるため、並列にしているデカップリング・コンデンサの片方をショットキーバリアダイオードに置き換えて、逆電圧を逃がすように変更しています。

レギュレータ基板
AliExpress(Aiyima)で購入したLM317/LM337使用の可変量電源基板(サーボなし)です。前述の通り問題がありそうなためメイン基板側で対策しています。±12V出力に調整しました。

電源トランス

配線図

ケース: タカチ YM-200
標準ステレオジャック(入力): マル信 MJ-187
標準ステレオジャック(出力): マル信 MJ-187LP
パイロットランプ: AC110V 5mmΦ白色LED
ヒューズ: ミゼット 0.5A
ACケーブル用ブッシュ: GM-81I3

以前も間違えましたが、共立で購入した台湾製オーディオ用2連は端子を上向きに取り付けるとケースと干渉します。固定用の小孔を開け直して横向きに取り付け直しました。


配線が複雑になるので、入力ジャックとPOTは基板に取り付けたほうが良さそうです。ただし、このPOTは端子の径が1mmなので普通のユニバーサル基板(ホール径0.8Φ)だと挿入できません。

出力特性


Analog Discovery 2で出力特性を測定しました。

1kHz/1Vpp入力 負荷抵抗RL=100Ω フルボリューム

フルボリュームで約10倍の増幅率です。

1kHz/2Vpp入力 負荷抵抗RL=100Ω フルボリューム

入力電圧を2Vに上げると出力は±10V付近でクリップします。(OPアンプはMUSES8820)

スペクトラム 1kHz/1Vpp入力 負荷抵抗RL=100Ω フルボリューム

THD:0.015%、THD+N:0.522%となりました。

UMC404HDの出力を入力


WaveGeneで1kHz/0dBのサイン波を出力し、UMC404HDのPHONE、MAIN OUT、PLAYBACK OUTPUTSからLME49600HPAに入力し、出力波形を観測しました。

PHONE

UMC404HDのPHONEのボリュームは12時の位置です。

MAIN OUT(L)

PLAYBACK OUTPUTS(1)

波形がガタガタなのは、UMC404HDの出力波形が良好ではないためです。


波形は汚いままですが、出力振幅は十分稼げています。UMC404HDのPHONE出力は最大4Vppなのに対して、今回製作したヘッドホンアンプは最大20Vppまで出力可能で、比較的高インピーダンス低能率のAKG K701もドライブできているようです。

いずれ、UMC404HDとヘッドホンアンプの間にローパスフィルタを入れて波形が整うか見たいと思います。年齢的に聴感上の違いがわかるかどうか自信はないですが。

参考「8th_MFB_LPF」

2021年7月21日水曜日

LME49600HPAの電源電流測定 Behringer UMC404HDのヘッドホン出力改善に向けて

LME49600はヘッドホンをドライブするのにちょうどいい優秀なバッファICです。最初は秋月で入手したのですが、秋月では取り扱い終了しています。

オーディオインターフェイスとしてベリンガーのUMC404HDを使っていますが、ヘッドホン出力がショボすぎます。ファースインプレッションで述べたようにすぐに出力がクリップしてしまいます。とてもではないですがAKG K701をドライブしきれません。ボリュームつまみを回すとガリがひどく実用に耐えないレベルだと思います。

というわけで、UMC404HDのヘッドホン出力をましにするために、LME49600_HPA V2.1を使って新たにヘッドホンアンプを製作しようと思います。

LME49600HPA V2.1は、DCサーボバージョンとACカップリングバージョンを製作し運用していて、音質的に不満はないのですが、±9V以上の両電源が必要となります。商用電源を利用すると、必要なのは2出力のトランスと安定化電源です。

DCサーボバージョン

ACカップリングバージョン

安定化電源は自作してもよいのですが、中華製(AIYIMA)の基板を入手し評価しました。 評価結果により電源はサーボなしバージョンを使うことにして、必要なトランスの定格出力を検討します。

テスト概略図

LME49600HPAの出力にヘッドホンの代わりに抵抗を負荷としてつなぎ、トランスから出力され安定化電源に入る電流をテスタで測定しました。入力波形生成(Wavegen)とオシロ(Scope)にはAnalog Discovery 2を使用しました。実験用のトランスはHDB-30で定格出力1Aが2系統です。何も考えなければこのトランスを使えばいいのですが、必要な電源電流を求めスペースと値段の節約を図りたいと思います。

LME49600HPA回路図

テストしたのはDCサーボバージョンです。OPアンプはMUSES8820を使用しました。

実験のようす

負荷は、100Ωの酸金抵抗を並列にして、100Ω、50Ω、33Ωとしました。

入力信号を2Vpp/1kHzのサイン波とし、出力に負荷をかけると出力波形がクリップします。

入力電圧:2Vpp 無負荷

入力電圧:2Vpp 負荷:33Ω

入力電圧は最大1.5Vppとし、1Vppと1.5Vppの場合で出力を測定しました。

測定結果


入力電圧(Vpp) 1
入力電圧(Vrms) 0.353553391

負荷抵抗(Ω) 無負荷 100 50 33
出力電圧(Vpp) 10.4 10.4 10.4 10.4
出力電圧(Vrms) 3.676955262 3.676955262 3.676955262 3.676955262
出力電流(mA) 0 104 208 315.1515152
出力電力(mW) 0 135.2 270.4 409.6969697
増幅率 10.4 10.4 10.4 10.4
AC入力電流+(mA) 48 81 118 154
AC入力電流-(mA) 51 83 121 159
入力電圧(Vpp) 1.5
入力電圧(Vrms) 0.530330086

負荷抵抗(Ω) 無負荷 100 50 33
出力電圧(Vpp) 15.6 15.6 15.6 15.6
出力電圧(Vrms) 5.515432893 5.515432893 5.515432893 5.515432893
出力電流(mA) 0 156 312 472.7272727
出力電力(mW) 0 304.2 608.4 921.8181818
増幅率 10.4 10.4 10.4 10.4
AC入力電流+(mA) 48 100 155 210
AC入力電流-(mA) 51 103 160 216

測定例


入力電圧:1Vpp 負荷抵抗:33Ω

入力電圧:1.5Vpp 負荷抵抗:33Ω

グラフ


出力電流対入力電流
入力電圧:1Vpp

入力電圧:1.5Vpp

LME49600の出力電流の定格は250mAなので電源電流(トランスの出力電流)は150mA以下と見積もればよさそうです。

出力電力対入力電流
入力電圧:1Vpp

入力電圧:1.5Vpp

AKG K701の定格電力は200mWなので電源電流(トランスの出力電流)は100mA以下と見積もればよさそうです。

負荷抵抗対入力電流
入力電圧:1Vpp

入力電圧:1.5Vpp

AKG K701のインピーダンスは62Ωなので電源電流(トランスの出力電流)は150mA以下と見積もればよさそうです。

余裕をみてトランスの定格出力は200mA×2、出力電圧を±15Vとして6VA以上あれば良さそうです。

2020年4月7日火曜日

Behringer UMC404HD購入。ファーストインプレッション。

BehringerのUMC404HDを購入しました。USB接続4in/4outで24bit/192kHzという(仕様上は)かなりハイスペックなオーディオインターフェースです。

Behringerはここ数年アナログ・シンセでほんまに大丈夫かいな?みたいな製品をいっぱい出していますが、いつからかわかりませんが日本代理店があのエレクトリになっています。エレクトリの他の取り扱いメーカーは2桁ぐらい価格帯が違うんじゃないでしょうか?

サウンドハウスでもエレクトリの直販でも価格は同じですが、サウンドハウスで在庫品10%オフセールをやっていたので購入しました。機材はだいたいいつもサウンドハウスで購入してるんですが、サウンドハウス価格から10%オフは魅力です。


同梱物はいたってシンプルです。ASIOドライバもネットでダウンロードする必要があります。付属のソフトは何もありません。(なのにシールは付属)

筐体はメタルケースでずっしりと重く、POT類の操作感もまずまずです。

サウンドハウスのホームページには「ACアダプタは付属しません」とありますが、同梱されていました。ACプラグは交換可能なものでUSタイプが付属していました。


PSEマークはエレクトリのシール(笑)。ACアダプタのDC側のプラグはセンター・マイナスなので、よく知らない人が普通のセンター・プラスのACアダプタを繋いだらめんどくさいことになるんじゃないかと思います。逆電圧保護はされているとはおもいますが。

付属のUSBケーブルはノイズフィルター付きのものです。


こういう場合は素直に付属のケーブルを使ったほうがいいと思います。

入力: WaveSpectraでFFTしてみる



自作のPCM5102A_FG+4次VCVS_LPFで1kHzのサイン波を出力し、ch1にLINE入力してWaveSpectraでスペクトラムを見てみました。


以前TASCAM US-144MKIIで測定したものと比べると、THD、ノイズとも大きくなっています。

また、15kHz付近などに折り返しノイズのようなものも見られます。入力前段のLPFがあまり効いていない感じです。

まだうまく使いこなせていない可能性はありますが、あまり期待しないほうがよさそうです。

出力: ヘッドホン出力をオシロで観測


WaveGeneで1kHz/-0dBのサイン波を出力し、ヘッドホン端子からの出力を無負荷で測定しました。

ボリューム(PHONES)を上げると波形が歪むので波形を見ながら調節しました。

PHONES: 12時の位置

PHONES: 1時の位置

12時の位置で、ギリギリ歪むか歪まないかです。このときVaが3.080Vとなっています。1時の位置まであげると波形の上下がクリップし、Vaが4.000Vとなっています。電源が5Vなのでまあこんなもんでしょう。

波形の線が太くなっているので拡大して見てみました。


ノイズの波形ではなく、規則性を持った波形です。山の間隔が2~3us程度のようなので逆数をとって500kHz~300kHzあたり。出力段のアンチ・エイリアシング・フィルタもあまり効いていない感じです。

まとめ


仕様上は24bit/192kHzですが、いわゆるハイレゾ機器とは言えないと思います。出力電圧も低いので、入力インピーダンスの高いヘッドホンで聞くとがっかりすると思います。

ただし、UMC404HDのメリットは4入力可能でミキサーとしても使えることです。ADC/DACが4個ずつ入って17,000円程度とは、さすがBehringerだと思います。原価を考えると、この仕様で利益が出るように設計しろと言われたら…「この鬼!悪魔!殺す気か!」とつぶやいて会社やめると思います。


キッチンラックの上に合板を敷いて、ノートパソコンの下に収めました。貧乏音源製作環境にはちょうどいい感じです。