オーディオインターフェイスのベリンガーUMC404HDのヘッドホン出力が貧弱なため、LME49600を使ったヘッドホンアンプを製作しました。
アナログシンセを製作していると、音量を上げたときに矩形波状に歪んだ場合かえって良い感じに聴こえる場合があります。感覚的に言うと音が太くなります。ヘッドホン出力が歪むと一体何を作っているのかわからなくなるので、これを改善するのが目的です。歪を楽しむために歪みを極力少なくします。
今回は電源を同じ筐体に収めました。
ケース内部
前面
背面
主な構成は以下の通りです。
メイン基板
LME49600 HPA V2.1のDCサーボバージョンです。レギュレータ基板に問題があるため、並列にしているデカップリング・コンデンサの片方をショットキーバリアダイオードに置き換えて、逆電圧を逃がすように変更しています。
レギュレータ基板
AliExpress(Aiyima)で購入したLM317/LM337使用の可変量電源基板(サーボなし)です。前述の通り問題がありそうなためメイン基板側で対策しています。±12V出力に調整しました。
電源トランス
配線図
ケース: タカチ YM-200
標準ステレオジャック(入力): マル信 MJ-187
標準ステレオジャック(出力): マル信 MJ-187LP
パイロットランプ: AC110V 5mmΦ白色LED
ヒューズ: ミゼット 0.5A
ACケーブル用ブッシュ: GM-81I3
以前も間違えましたが、共立で購入した台湾製オーディオ用2連は端子を上向きに取り付けるとケースと干渉します。固定用の小孔を開け直して横向きに取り付け直しました。
配線が複雑になるので、入力ジャックとPOTは基板に取り付けたほうが良さそうです。ただし、このPOTは端子の径が1mmなので普通のユニバーサル基板(ホール径0.8Φ)だと挿入できません。
出力特性
Analog Discovery 2で出力特性を測定しました。
1kHz/1Vpp入力 負荷抵抗RL=100Ω フルボリューム
フルボリュームで約10倍の増幅率です。
1kHz/2Vpp入力 負荷抵抗RL=100Ω フルボリューム
入力電圧を2Vに上げると出力は±10V付近でクリップします。(OPアンプはMUSES8820)
スペクトラム 1kHz/1Vpp入力 負荷抵抗RL=100Ω フルボリューム
THD:0.015%、THD+N:0.522%となりました。
UMC404HDの出力を入力
WaveGeneで1kHz/0dBのサイン波を出力し、UMC404HDのPHONE、MAIN OUT、PLAYBACK OUTPUTSからLME49600HPAに入力し、出力波形を観測しました。
PHONE
UMC404HDのPHONEのボリュームは12時の位置です。
MAIN OUT(L)
PLAYBACK OUTPUTS(1)
波形がガタガタなのは、UMC404HDの出力波形が良好ではないためです。
波形は汚いままですが、出力振幅は十分稼げています。UMC404HDのPHONE出力は最大4Vppなのに対して、今回製作したヘッドホンアンプは最大20Vppまで出力可能で、比較的高インピーダンス低能率のAKG K701もドライブできているようです。
いずれ、UMC404HDとヘッドホンアンプの間にローパスフィルタを入れて波形が整うか見たいと思います。年齢的に聴感上の違いがわかるかどうか自信はないですが。
参考「8th_MFB_LPF」
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