2021年10月29日金曜日

中華製可変両電源基板 問題発生

LM317/LM337を使用した中華製の可変両電源基板を使用して、LME49600 HPAを製作中に問題が発生しました。

気が付くとLME49600基板の電源デカップリング用のコンデンサに付着物が。正負それぞれ2個の電解コンデンサを並列にしていますが、正側の並列しているコンデンサに付着しています。


取り外して裏側を見てみるとパッケージが一部損傷しているようです。下2つが付着物があったコンデンサです。目印としてセロテープを貼っています。基板から取り外す際に多少コジッたのでその傷もありますが、被膜の左下のあたりがめくれているように見えます。おそらくここから内部の液体が噴出したものだと思われます。


新品ではないですが、正常と思われる個体はこんな感じです。


今回使用している可変両電源基板


今回使用している可変両電源基板の回路図



両電源のレギュレーターを使った場合、一般的に逆向きにダイオードを入れて逆電圧を防止します。

LM317/LM337を使った回路では、図のようにダイオード(4007)を入れてクランプしていることが多いようですが、電解コンデンサに逆電圧がかかるのを防止するには不十分なのかも知れません。

電源投入時の出力電圧のあばれ


測定のようす


対応


Facebookで先輩方にアドバイスを頂き対処しました。

電源基板を修正するのは大変なので、LME49600基板で並列にしているデカップリング・コンデンサの一方をショットキーバリアダイオードで置き換えました。ショットキーバリアダイオードはシリコンダイオードより順電圧が低いので良い効果が期待できます。


回路としてはこのようになります。


何度か電源を入り切りして通電テストをしましたが、コンデンサの破損は見られないようです。

この状態で電源投入時の電源電圧を測定


まだ暴れているようですが、変更前より暴れが少なくなっていると思います。

メモ


実験中に電源をプラスマイナス逆接続して壊した可能性はあります。手持ちの電源の出力から考えて、過電圧の可能性は低いです。

LME49600HPA基板は、コンデンサのACカップリングではなく、サーボ回路でDC成分を除去しているので、影響があるかも知れません

参考


LME49600_HPA V2.1 ACカップリングなしバージョン製作予定 https://dad8893.blogspot.com/2020/05/lme49600hpa-v21-ac.html

トランスを使った±9V安定化電源 はんだ付け完了

2021年10月10日日曜日

SubOSC Dフリップフロップを利用したサブオシレーターの製作

 Dフリップフロップの分周回路を利用してサブオシレーターを製作しました。1/2分周で1オクターブ下、1/4分周で2オクターブ下が出せます。

Dフリップフロップの分周は以前ブレッドボードで実験しました。「Dフリップフロップを使った矩形波の分周(CD4013)



回路図
U2BのOPアンプはコンパレータとして使っています。入力信号はSaw2Sqrの出力(±5Vの矩形波)を想定していますが、コンパレータなので振幅の小さい信号でもよく、矩形波以外のノコギリ波や三角波でもかまいません。コンパレータの出力は電源電圧±12Vより少し小さい振幅の矩形波となります。

ロジックICは単電源動作のため、入力信号にGNDより下の負電圧成分があると定格外になります。そのためD1のR5のリミッター回路で信号の負側をカットしています。

U3AのDフリップフロップは1/2分周回路です。

U3BのDフリップフロップも1/2分周回路でU3Aの1/2とU3Bの1/2あわせて1/4分周されます。

C1でACカップリングしてDC成分を除去して再びGNDを中心とした正負に振れる波形に戻します。

R1とR3の抵抗による分圧で信号が±5Vの振幅になるようにしています。

U1A、U1Bはボルテージフォロワによる出力バッファです。

なお、電源電圧が12VのためDフリップフロップはCMOSロジックICの4013を使います。74系は耐圧が低いので使えません。

入出力波形


1/2分周

CH1:入力 CH2:出力

1/4分周

CH1:入力 CH2:出力

ACカップリングの影響で矩形波の天井と底が斜めになっていますが、特にきちんとした矩形波にする必要はないと思います。むしろ味になるかもしれません。

VCOの出力とMIXしてみる


自作したVCOからノコギリ波、三角波、矩形波を出力し、SubOSCの1/2分周出力とMIXした波形を観測しました。

ノコギリ波とのMIX

CH1:基本波形 CH2:合成波形

三角波とのMIX

CH1:基本波形 CH2:合成波形

矩形波とのMIX

CH1:基本波形 CH2:合成波形

サブオシレーター同士でMIXしてみる


1/2 + 1/4

MIXの比率をうまく調節すると荒いノコギリ波のような波形になります。

ノコギリ波 + 1/2 + 1/4

CH1:基本波形 CH2:合成波形

矩形波とノコギリ波のMIXですが、ノコギリ波の比率を多くすると矩形波の階段状の波形は消え、ノコギリ状の波形になります。

サブオシレーターについて参考


矩形波以外にも、ノコギリ波、三角波、サイン波のサブオシレーターについての記事があります。