2020年9月27日日曜日

フィルムコンデンサー/セラミックコンデンサーのインピーダンス特性比較 0.01uF

0.01uFのフィルムコンデンサーとセラミックコンデンサーのインピーダンス特性をAnalog Discovery 2とインピーダンスアナライザーボードで測定しました。

下の表は画像の左からの順です。


製造元 シリーズ 型番 素材 定格電圧 誤差 Cp(nF) ※1 誤差(%) D ※1 -
Rubycon F2D 50F2D103K ポリエステル(マイラ) 50V ±10%(K) 10.014 0.14% 0.003
東信工業 UPZ 2AUPZ103JE ポリプロピレン 100V ±5% 9.945 -0.55% 0.000
Faithful Link MEM MEM103J101RB-5 メタライズドポリエステル 100V ±5% 10.027 0.27% 0.004
Panasonic ECQE ECQE2 103KF メタライズドポリエステル 250V ±10%(K) 10.265 2.65% 0.003
日精電機 MTF(A) MTFFA0050J103000050 積層型メタライズドポリエステル 50V ±5%(J) 10.263 2.63% 0.003
Rubycon H2D 100H2D103G ポリフェニレンスルフィドフィルム 100V ±2% 10.264 2.64% 0.003
不明 不明 STCON411-50V103J ポリスチレン 50V J(±5%) 10.047 0.47% 0.000
不明 不明 不明 積層セラミック 不明 不明 9.9 -1.00% 0.001 ※2
不明 不明 不明 ディスク型セラミック 不明 不明 10.8 8.00% 0.019 ※2

※1 DER EE DE-5000で測定@1kHz(室温28℃)

キャパシタンスとTanδはDER EE DE-5000(@1kHz)で測定しました。ポリフェニレンスルフィドフィルムのRubycon H2Dは公称±2%となっていますが、今回の測定ではオーバーしています。データーシートにはポリフェニレンスルフィドフィルムは「温度特性が極めて優れています。」とあります。

※2 セラミックは値が安定しない

指で触れた程度でキャパシタンスが変動し、なかなか安定しません。加える電圧によってもキャパシタンスが変わるので低周波のフィルタには使いにくいと思います。

Analog Discovery 2でインピーダンス特性を測定

Rubycon F2D

東信工業 UPZ

Faithful Link MEM

Panasonic ECQE

日精電機 MTF(A)

Rubycon H2D

ポリスチレン

積層セラミック

ディスク型セラミック

材質により差はありますが、劇的に違うというわけでもないようです。実装サイズとの兼ね合いで選択するのが良さそうです。ただし、昔ながらのディスク型セラミックは特性がかなり異なります。

東信工業 UPZ(ポリプロピレン)、Rubycon H2D(ポリフェニレンスルフィド)、スチコン(ポリスチレン)は低い周波数でのレジスタンスの上昇がみられません。低周波領域での誘電正接が良いということでしょう。熱に弱いと言われるスチコンの代替としてポリプロピレンやポリフェニレンスルフィドは有用なのかも知れません。

東信工業 UPZ(ポリプロピレン)、Panasonic ECQE(メタライズドポリエステル)、日精電機 MTF(A)(積層型メタライズドポリエステル)、積層セラミックはレジスタンスが低下するポイントが2箇所あります。低い方はリアクタンスには現れていません。これは何でしょう?

Analog Discovery 2でもキャパシタンスを測定しました。

Rubycon F2D

東信工業 UPZ

Faithful Link MEM

Panasonic ECQE

日精電機 MTF(A)

Rubycon H2D

ポリスチレン

積層セラミック

ディスク型セラミック


ディスク型セラミックは周波数によりキャパシタンスが変動しています。

2020年9月21日月曜日

「LT6105使用ハイサイド電流センシングモジュールキット」を試用 その2

100mA以下を細かめのステップでテストしました。

モジュール1

モジュール2


かんたんに補正するなら個体ごとに、20mA以上40mA未満、40mA以上80mA未満で線形補間、80mA以上は定数で補正すれば良さそうです。

約20mA以下は測定不能です。

測定データ

V1: RLの端子間電圧

V2: AE-LT6105の出力電圧

RL(Ω): 99.54

モジュール1

V1(V) I1(mA) V2(mV) I2(mA) Err(mA) Err(%)
1.243 12.48744223 0 0 -12.48744223 -100.0%
1.518 15.25015069 0 0 -15.25015069 -100.0%
1.73 17.37994776 0 0 -17.37994776 -100.0%
2.04 20.49427366 2.92 2.92 -17.57427366 -85.8%
2.26 22.70444043 5.7 5.7 -17.00444043 -74.9%
2.48 24.91460719 8.5 8.5 -16.41460719 -65.9%
2.76 27.72754671 12 12 -15.72754671 -56.7%
2.98 29.93771348 14.77 14.77 -15.16771348 -50.7%
3.25 32.65019088 17.94 17.94 -14.71019088 -45.1%
3.51 35.26220615 21.07 21.07 -14.19220615 -40.2%
3.76 37.77375929 23.9 23.9 -13.87375929 -36.7%
3.99 40.08438819 26.52 26.52 -13.56438819 -33.8%
4.24 42.59594133 29.33 29.33 -13.26594133 -31.1%
4.51 45.30841873 32.42 32.42 -12.88841873 -28.4%
4.73 47.51858549 34.72 34.72 -12.79858549 -26.9%
4.99 50.13060076 37.64 37.64 -12.49060076 -24.9%
5.25 52.74261603 40.46 40.46 -12.28261603 -23.3%
5.51 55.3546313 43.28 43.28 -12.0746313 -21.8%
5.74 57.6652602 45.66 45.66 -12.0052602 -20.8%
6.01 60.37773759 48.5 48.5 -11.87773759 -19.7%
6.24 62.68836649 51.01 51.01 -11.67836649 -18.6%
6.5 65.30038176 53.77 53.77 -11.53038176 -17.7%
6.74 67.71147277 56.24 56.24 -11.47147277 -16.9%
7 70.32348805 58.98 58.98 -11.34348805 -16.1%
7.25 72.83504119 61.6 61.6 -11.23504119 -15.4%
7.53 75.64798071 64.6 64.6 -11.04798071 -14.6%
7.75 77.85814748 66.6 66.6 -11.25814748 -14.5%
8.02 80.57062487 69 69 -11.57062487 -14.4%
8.28 83.18264014 71.3 71.3 -11.88264014 -14.3%
8.49 85.29234479 73.4 73.4 -11.89234479 -13.9%
8.73 87.7034358 75.6 75.6 -12.1034358 -13.8%
8.98 90.21498895 78.1 78.1 -12.11498895 -13.4%
9.25 92.92746635 80.8 80.8 -12.12746635 -13.1%
9.52 95.63994374 83.4 83.4 -12.23994374 -12.8%
9.75 97.95057263 85.8 85.8 -12.15057263 -12.4%
9.92 99.65842877 87.4 87.4 -12.25842877 -12.3%

モジュール2

V1(V) I1(mA) V2(mV) I2(mA) Err(mA) Err(%)
1.247 12.52762708 0 0 -12.52762708 -100.0%
1.498 15.04922644 0 0 -15.04922644 -100.0%
1.747 17.55073337 0 0 -17.55073337 -100.0%
2 20.09242516 0 0 -20.09242516 -100.0%
2.26 22.70444043 3.46 3.46 -19.24444043 -84.8%
2.52 25.3164557 7.06 7.06 -18.2564557 -72.1%
2.76 27.72754671 10.28 10.28 -17.44754671 -62.9%
2.98 29.93771348 13.22 13.22 -16.71771348 -55.8%
3.25 32.65019088 16.49 16.49 -16.16019088 -49.5%
3.48 34.96081977 19.28 19.28 -15.68081977 -44.9%
3.76 37.77375929 22.66 22.66 -15.11375929 -40.0%
3.99 40.08438819 25.32 25.32 -14.76438819 -36.8%
4.27 42.89732771 28.55 28.55 -14.34732771 -33.4%
4.51 45.30841873 31.17 31.17 -14.13841873 -31.2%
4.73 47.51858549 33.67 33.67 -13.84858549 -29.1%
5 50.23106289 36.57 36.57 -13.66106289 -27.2%
5.24 52.64215391 39.17 39.17 -13.47215391 -25.6%
5.5 55.25416918 42 42 -13.25416918 -24.0%
5.76 57.86618445 44.79 44.79 -13.07618445 -22.6%
6.02 60.47819972 47.74 47.74 -12.73819972 -21.1%
6.24 62.68836649 49.84 49.84 -12.84836649 -20.5%
6.51 65.40084388 52.66 52.66 -12.74084388 -19.5%
6.76 67.91239703 55.29 55.29 -12.62239703 -18.6%
7 70.32348805 57.83 57.83 -12.49348805 -17.8%
7.25 72.83504119 60.4 60.4 -12.43504119 -17.1%
7.53 75.64798071 63.3 63.3 -12.34798071 -16.3%
7.75 77.85814748 65.6 65.6 -12.25814748 -15.7%
7.99 80.2692385 67.8 67.8 -12.4692385 -15.5%
8.24 82.78079164 69.9 69.9 -12.88079164 -15.6%
8.49 85.29234479 72.1 72.1 -13.19234479 -15.5%
8.74 87.80389793 74.4 74.4 -13.40389793 -15.3%
9.01 90.51637533 77 77 -13.51637533 -14.9%
9.25 92.92746635 79.3 79.3 -13.62746635 -14.7%
9.51 95.53948162 81.9 81.9 -13.63948162 -14.3%
9.77 98.15149689 84.5 84.5 -13.65149689 -13.9%
10.02 100.66305 87 87 -13.66305003 -13.6%

2020年9月14日月曜日

「LT6105使用ハイサイド電流センシングモジュールキット」を試用

「秋月の電流センサモジュールのLT6105使用ハイサイド電流センシングモジュールキット」を試用してみました。



キットは2個購入したので2つテストしました。仕様では1A→1Vの出力です。

モジュール1

モジュール2


青色の線は測定対象の電圧値と抵抗値から求めた電流値とモジュールからの出力電圧から求めた電流値を対比したグラフです。

オレンジの線は誤差をプロットしたグラフです。

100mA以上で個体差はありますが、誤差は若干右肩あがり。100mA以下は電流値に対して右肩あがりです。100mA以下は対数的なカーブのようです。プログラムで補正をかければ精度を出せそうですが、もう少し試したほうが良さそうです。

私の用途では下の方の精度が必要で、上の方はアラート目的になります。

測定データ

V1: RLの端子間電圧
V2: AE-LT6105の出力電圧

RL(Ω): 49.89

モジュール1

V1(V) I1(mA) V2(mV) I2(mA) Err(mA) Err(%)
1.5 30.06614552 14.81 14.81 -15.25614552 -50.7%
2 40.08819403 26.71 26.71 -13.37819403 -33.4%
2.51 50.3106835 38.1 38.1 -12.2106835 -24.3%
3.02 60.53317298 49.15 49.15 -11.38317298 -18.8%
3.5 70.15433955 59.33 59.33 -10.82433955 -15.4%
4 80.17638805 69.5 69.5 -10.67638805 -13.3%
4.48 89.79755462 78.5 78.5 -11.29755462 -12.6%
5.01 100.420926 88.9 88.9 -11.52092604 -11.5%
5.49 110.0420926 98.7 98.7 -11.3420926 -10.3%
5.98 119.8637001 108.7 108.7 -11.16370014 -9.3%
6.49 130.0861896 119.4 119.4 -10.68618962 -8.2%
7 140.3086791 129.7 129.7 -10.60867909 -7.6%
7.51 150.5311686 140.3 140.3 -10.23116857 -6.8%
8 160.3527761 150.4 150.4 -9.952776107 -6.2%
8.51 170.5752656 160.7 160.7 -9.875265584 -5.8%
9 180.3968731 170.7 170.7 -9.696873121 -5.4%
9.4 188.4145119 178.7 178.7 -9.714511926 -5.2%

モジュール2

V1(V) I1(mA) V2(mV) I2(mA) Err(mA) Err(%)
1.5 30.06614552 12.65 12.65 -17.41614552 -57.9%
2 40.08819403 25 25 -15.08819403 -37.6%
2.51 50.3106835 36.57 36.57 -13.7406835 -27.3%
3.02 60.53317298 47.67 47.67 -12.86317298 -21.2%
3.5 70.15433955 57.78 57.78 -12.37433955 -17.6%
4.02 80.57726999 68.6 68.6 -11.97726999 -14.9%
4.49 89.99799559 76.8 76.8 -13.19799559 -14.7%
5.01 100.420926 87.1 87.1 -13.32092604 -13.3%
5.5 110.2425336 97.1 97.1 -13.14253357 -11.9%
6 120.2645821 107.3 107.3 -12.96458208 -10.8%
6.5 130.2866306 117.5 117.5 -12.78663059 -9.8%
6.99 140.1082381 127.5 127.5 -12.60823812 -9.0%
7.51 150.5311686 138.1 138.1 -12.43116857 -8.3%
7.98 159.9518942 147.7 147.7 -12.25189417 -7.7%
8.5 170.3748246 158.3 158.3 -12.07482461 -7.1%
9 180.3968731 168.4 168.4 -11.99687312 -6.7%
9.24 185.2074564 173.2 173.2 -12.0074564 -6.5%

2020年9月10日木曜日

TLF01 V2.0の製作 その4 ユーロラックにマウント

フロントパネルをとりつけて自作のユーロラック(ERK01)にマウントしました。




トランジスタ・ラダー部分とアンチ・ログ部分でモジュールを分けています。今回はNPNトランジスタを2個を差動入力回路として使うAntilog-NPNOを使用しています。

トランジスタのVBEのマッチングはAnalog Discovery 2を利用したTr_VBE_AD2で選別しました。


トランジスタ・ラダーの差動入力部分のトランジスタ・ペアはシリコン接着剤とアルミテープで熱結合しています。

基板の改良

今回使用した基板は出力部分のOPAMPの差動増幅回路の反転/非反転端子が逆で、トランジスタのフットプリントのピッチが狭くハンダブリッジしがちなので、新たにTLF01_V2.0_rev.AとしてPCBを製造してもらいました。

製造はfusionPCBで発注から製造完了まで6日、配送はOCSで2日、計8日で到着しました。

基板は白色にしてみたのですが、配線パターンが見づらいですね。この基板を実装して差し替える予定です。

VCF、VCAが出来たので、ぼちぼちアナログVCOを製作でしょうか。