TrのVBEのマッチングを取るために、ブレッドボードとテスタを使ってVBEを測定していましたが、Analog Discovery 2のLogger機能を使って測定するアダプタを製作しました。
回路図
JFET(Q2)と多回転可変抵抗(RV1)を使って定電流源とし、測定対象のTr(Q1)のエミッタ電流を一定に保っています。
測定対象のTr(Q1)のベースバイアスはVCC(+5V)をR1とR2で分圧して2Vを与えます。
Analog Discovery 2への接続は、
- 電源(VCC/GND)
- VB(ch1+)とVE(ch1-)を差動入力しVBEを測定します。
- R3(100Ω)の両端電圧(ch2+/ch2-)を測定してエミッタ電流を求めます。
基板図
Analog Discovery 2への接続は基板の配線が煩雑になるので、コネクタ直ではなくハーネスを製作して接続することにしました。
部品面
ハンダ面
ハーネスの製作
QIコネクタを2枚接着しました。接着時の固定には「居酒屋ガレージ日記」さんの「異形のハンダ補助ツール」を使いました。シンプルなだけに色々な用途に使えて便利です。
Analog Discovery 2による測定
測定対象: 2SC1815Y
Loggerによる測定
素手でTrを摘んでピンソケットに挿入したので、体温の影響により挿入時にはVBEが低くなっています。時間とともに徐々にVBEが上昇。BJTのVBEは負の温度特性を持っているためです。
1~2mVのバラツキで選別したいので数mVも誤差があっては大変です。やはり熱には十分注意しないといけませんが、Loggerを使うと時系列でようすが観察できるので有用だと思います。
Scopeによる測定
Scope(オシロスコープ機能)で同じ回路を測定すると、Loggerとは測定値が異なりました。
Voltmeter(電圧計機能)はLoggerと同じ値でした。
テスタ(OWON B35)で測定すると、VBE=654[mV]、R3の両端の電圧=100.8[mV]だったのでおそらくScopeでの測定値のほうが正しいと思います。
正確に測定するにはAnalog Discovery 2キャリブレーションする必要がありそうですが、VBEの選別には相対値がわかれば良いのでひとまずこのままでも。。。
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