単電源の電流計は以前、LED電圧計を利用したものを製作しました。精度はあまり良くありませんが、電源電流を測定するのに便利です。電源と回路の間に入れておくと、電源電流が流れすぎて「何かがおかしいぞ」とすぐに判断できます。
秋月でAllegroのACS712を使った電流センサーモジュールが販売されていたので、これを使って同じように両電源電流計が作れないか考えました。
ACS712の特徴はホール素子を利用して、被測定電流側と、電圧出力と電源側が絶縁されていることです。絶縁されているので正側、負側の出力電圧を測定してマイコンで処理すれば、比較的かんたんに両電源の電流が測定できそうです。
ホール素子を利用しているということは、測定対象の電流によって発生する磁力をホール素子で電圧に変換しているということでしょうか。とにかく磁気は厳禁です。
購入したACS712使用電流センサー
表面実装部品ははんだ付けされているので、スルーホールの大きな部品だけ自分ではんだ付けする必要があります。
オフセット、ゲイン調整
マニュアルに従って出力オフセットとゲインを調整しました。100mA→500mVの設定です。5V電源を使うと±500mAまで測定できます。
磁気を避けるために樹脂製の調整ドライバーを近所で探したのですが、売っていなかったので田楽用の竹串をカッターで削ってマイナスドライバー状のものを作りました。
竹なのでまずまず強度はありますが、すぐにボロボロとヘタってきます。カッターで削り直しながら使いました。ちなみに、割り箸だと弱すぎて実用になりませんでした。
両電源の電流測定のテスト
測定回路図
測定時のようす
被測定電流用の電源(可変両電源)と、モジュールの電源(5V/3.3V安定化電源Ver.2)は分離しました。(GNDも分離)
モジュール側電源電圧
正側: +5.020V
負側: +5.018V
無電流時出力電圧
正側: +2.460V
負側: +2.490V
測定対象抵抗(100Ω)端間電圧
正側: +5.080V
負側: -4.996V
50mA時出力電圧
正側: +2.200V
負側: +2.744V
正側が2.25V、負側が2.75Vになるはずですが誤差が結構あります。
- | 理論値[V] | 測定値[V] | 誤差[mV] | 誤差[mA] |
---|---|---|---|---|
正側 | 2.25 | 2.200 | -50 | -10mA |
負側 | 2.75 | 2.744 | +11 | +2.2mA |
環境の磁界が影響しているのでしょうか。測定中も出力電圧がかなりふらつきます。もう少ししっかりと組んでみて調整しようと思います。
仕様案
Auduino Pro miniを使う予定。
ADCは精度を上げるため外付けのMCP3208を利用。
表示はI2C LCDまたはOLED。
電池電源を使ってポータブルにする。
過電流が流れている場合(例えば500mA以上)ブザーを鳴らす?
電磁シールドを使う?
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