AnVCOの2台目を製作しました。
基板はVer.1.0のままですが、いくつかの点を改良しました。
改良点
オクターブ切り替えの分圧抵抗値を変更。
FINEつまみの分圧抵抗値を変更。
トランジスタの熱結合に銅箔テープを使用。
パネルデザインを変更。
Facebook等でアドバイスいただいた皆様ありがとうございます。
回路図
オクターブ切り替えの分圧抵抗値
反転増幅回路(U1B)の入力インピーダンスが低いため抵抗で分圧した電圧に影響が出ます。影響を少なくするために、1kΩオーダーで分圧していた回路を100Ωオーダーで分圧するように変更しました。(参考:VCOモジュール AnVCOの製作 その2 指数変換回路)
CV=1V
オクターブ(V) | AnVCO1台め(Hz) | AnVCO2台め(Hz) |
---|---|---|
0 | 54.9 | 55.0 |
1 | 110.0 | 110.7 |
2 | 219.8 | 220.6 |
3 | 439.5 | 441.4 |
4 | 875.5 | 879.2 |
指数変換回路の調整が難しいためおおよその比較になりますが、抵抗値を下げた方が高域での結果が良好なようです。
FINEつまみの分圧抵抗値
FINEつまみを左いっぱいに回すと-1オクターブ、右いっぱいに回すと+1オクターブにしたいので抵抗値を変更できるようにR8とR11をピンソケットを使って実装しました。
CV=1V
オクターブスイッチ: 3
R8、R11(kΩ) | FINEつまみ最小(Hz) | FINEつまみ最大(Hz) |
---|---|---|
220k | 124.9 | 493.0 |
270k | 139.9 | 423.6 |
中点が220Hzなので110Hz~440Hzとなって欲しいところですが、正確に設定するには何か工夫をする必要がありそうです。
トランジスタの熱結合
エポキシ接着剤で固定する前に銅箔テープで巻きました。使った銅箔テープは粘着面も導通しているためそのまま巻くと抵抗のリード線がショートしてしまうため、リード線に熱収縮チューブを巻いて絶縁しました。
抵抗のリード線に熱収縮チューブを巻き付け
パーツを基板にはんだ付け
銅箔テープを巻き付け
絶縁を確認
エポキシ接着剤で固定
パネルデザインの変更
パネルに取り付けるパーツの並びを変更して、パネルサイズをHP12(60.6mm)からHP10(50.5mm)にスリム化できました。
まとめ
バラバラに製作したVCO(Antilog + NPNO Ver.1.2 SawVCO + Saw2Tri + Saw2Sqr)を含めてVCOを3台使えるようになりました。ユニゾンにすればそれぞれのチューニングの微妙なずれでうねりが現れ、いわゆる分厚い音が出せるようになりました。
3VCOそれぞれに別のCVを送れば3Polyです。Korg SQ-1のMIDI-CVコンバート機能と自作のMIDI_CVを組み合わせれば3Polyの演奏もできそうです。
メモ
この回路では、SCALEトリム(RV4)を右に回すとCV電圧に対する音階の幅が小さくなります。
これを忘れるといくらやっても調律できません。RV4を右に回すと抵抗が増えR18によって分圧されたトランジスタペアへの入力電圧が小さくなります。トリムのアシを入れ替えて逆向きにしたほうがわかりやすいかもしれません。