NJM7805FAのサーマルシャットダウン
回路図
ヒートシンクをつけない状態で大きな電流を流し、サーマルシャットダウンする様子を測定しました。
出力: 5V
負荷抵抗: 20Ω
15V入力、5V出力なのでドロップ電圧が10Vとなり、この分が三端子レギュレータの発熱として消費されます。出力電流は、5V / 20Ω = 250mAです。
表面温度
NJM7805FAの出力
入力が15Vと高い場合、出力できる最大電流はかなり制限されます。ヒートシンクをつけた状態でNJM7805FAの表面温度を測定しました。
回路図
表面温度 RL=20Ω
M78AR05-1の出力
三端子レギュレータとピンコンパチのDC-DCコンバータ、MINMAX M78AR05-1に差し替えて出力と表面温度を測定しました。M78AR05-1はコンデンサなど外付け部品は不要です。
回路図
NJM7805FAと同じ条件で負荷抵抗20Ω(出力電流250mA)の場合の出力のリプルです。
出力のリプル RL=20Ω
表面温度はほとんど変化せず、出力のリプルもNJM7805FAと変わらないようです。
負荷抵抗5Ωの場合
定格の1A出力です。5V / 5Ω = 1A。
表面温度温度 RL=5Ω
MAX | 4.97257 V | 11.05 mV |
---|---|---|
MIN | 4.95722 V | -3.81 mV |
AVG | 4.96152 V | - |
M78AR05-1の容量負荷
データシートによるとM78AR05-1の容量負荷は最大470uFとなっています。100Ωの抵抗と470uF、1000uFのケミコンを並列につないで出力を観測しました。出力電流は、5V / 100Ω = 50mAです。
C=1000uF
簡単な実験では1000uFの負荷容量でも出力に問題はないようです。出力電流が大きい場合に問題が出る可能性はあると思います。
L7812CV L7912CVの出力
+12VのL7812CV、-12VのL7912CV(STMicro製)の出力と表面温度を測定しました。
入力: 15V AC
出力: ±12V
負荷抵抗: 20Ω
出力電流は12V / 20Ω = 600mA、負荷の消費電力は7.2Wです。
測定の様子
L7812CV/L7912CV 出力のリプル RL=20Ω 開始時
L7812CV/L7912CV 出力のリプル RL=20Ω 30分経過後
L7812CV表面温度
L7912CV表面温度
発熱は65℃程度なので±12Vで出力600mAは実用的と言えます。
もう少し出力電流を大きくしてみたいのですが、30分通電後に負荷抵抗の表面温度が116℃まで上昇したため、これ以上は抵抗の発熱対策が必要です。
実験に使ったメタルクラッド抵抗
メモ:
入力15V、出力5Vでは三端子レギュレータの発熱が大きく実用的ではないようです。もちろんトランスの出力電圧が低いもの(例えば7V程度)を使えば三端子レギュレータの発熱は小さくなります。
三端子レギュレータの入力に直列にドロップ抵抗を入れて電圧降下させ、三端子レギュレータの入力にかかる電圧を下げる方法があります。500mAで5Vドロップさせると、5V × 0.5A = 2.5W 分抵抗が発熱します。