2018年1月15日月曜日

Tr回路の実験 カスコード回路 その2

実験編です。

回路図

ブレッドボード配線図


エミッタ抵抗による増幅率の設定


エミッタ抵抗R4を100Ω、200Ω、R7は820Ωに固定して入出力を測定しました。

増幅率Avの概算値は Av = R3 / R4でそれぞれ20倍、10倍になります。

Q1:2SC1815GR B=339 Vf=713mV(*)
Q2:2SC1815GR B=243 Vf=706mV(*)
信号源: AD9833ファンクションジェネレータ(バイパス出力)
電源電圧:+14.98V

(*)AVRトランジスタテスターで測定。

R4=200Ω R7=820Ω

ch1:IN ch2:OUT

増幅率AvはVpの表示値で、

Av = 5.2Vp-p / 640mVp-p = 8.125

シミュレーションでは Av = 9 だったので、少し小さな値になっています。

R4=100Ω R7=820Ω

ch1:IN ch2:OUT

R4=100Ωにすると波形の上側がクリップします。ただし、エミッタフォロワOPAMPを使った場合のようにスパッとしたクリップとは違ってなだらかな感じになっています。

トランジスタの各端子の電位


Q1のベース、エミッタ

ch1:Vb1 ch2:Ve1

Q1のベース電位(Vb1)は、約+2.5V。←ベース・バイアスによる。

振幅は640mVp-pと入力の振幅と同じでベース接地回路とは違って減衰していません。←入力インピーダンスが高い。

Q1のエミッタ電位(Ve1)は、約1.9VでおおむねQ1のベース・エミッタ間電圧(実測値:713mV)分ベース電位より低い値になっています。

Q2のベース、エミッタ

ch1:Vb2 ch2:Ve2

Q2のベース電位(Vb2)は、約5Vになっていて、シミュレーション通りです。

Q2のエミッタ電位(Ve2)は、約4.3Vになっていて振幅はほとんど現れていません。これもほぼシミュレーション通りです。

Q2のコレクタ

ch1:Vc2

Q2のコレクタ電位(Vc2)は、約11Vを中心に振れています。振幅は出力と同じく約5.2Vp-pです。

周波数特性


AD9833ファンクションジェネレータで周波数を変えて入出力の振幅を測定しました。Va(振幅)の値は暴れているので、Vp(ピーク・ツー・ピーク)の値でグラフ化しました。


-3dBのポイントは3MHz付近で、エミッタ接地回路よりはっきりと良くなっていて、ベース接地回路のときよりも伸びています(^q^/

逆にベース接地回路の周波数特性がイマイチだったのが謎です(@@?

測定データ

Vp
F(kHz) In(mVp-p) Out(mVp-p) Av Av(dB)
1 616 5120 8.311688312 18.39378498
100 584 5120 8.767123288 18.85714228
500 584 5040 8.630136986 18.72035379
600 576 4960 8.611111111 18.70118386
700 568 4880 8.591549296 18.68142973
800 568 4800 8.450704225 18.53785803
900 552 4640 8.405797101 18.49157806
1000 544 4560 8.382352941 18.46731886
2000 456 3360 7.368421053 17.34748869
3000 384 2400 6.25 15.91760035
4000 328 1620 4.93902439 13.87282342

Va
F(kHz) In(mVamp) Out(mVamp) Av Av(dB)
1 568 4960 8.732394366 18.82266682
100 568 4960 8.732394366 18.82266682
500 552 4880 8.84057971 18.92961489
600 536 4720 8.805970149 18.89554418
700 528 4640 8.787878788 18.87768116
800 512 4640 9.0625 19.14496039
900 528 4480 8.484848485 18.57288183
1000 520 4400 8.461538462 18.54898666
2000 432 3200 7.407407407 17.39332463
3000 336 2240 6.666666667 16.47817482
4000 240 1540 6.416666667 16.14618958

4MHzのとき

ch1:IN ch2:OUT

周波数が4MHzのとき、AD9833からの出力はガタガタしていますが、出力はガタガタが減っています。AD9833のサンプリングレートは25MHzなのでこの帯域が削られていると思います。

低域

ch1:IN ch2:OUT

増幅率Avは Av = 3.880V / 632mV = 6.14 で10Hzで約15.8dB。1kHzの場合と比較して約-2.46dB。シミュレーションと近い値です。

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