共立のPT2399エコーキットを使っていますが、ギター用のエフェクターのため入力は振幅が小さくインピーダンスが高い信号を受けるようになっています。
アナログシンセで使うため新たにPT2399エコーを製作します。基本的にEurorackにマウントする仕様となっています。
回路図
※OPアンプはNJM072Dを使用。
製造したPCB
今回はfusionPCBに基板の製造を依頼しました。
エフェクト部
回路は大きくインターフェース部とエフェクト部に別れます。インターフェイス部では入力を分岐してPT2399の入力とし、PT2399の出力を原音とMIXして出力します。エフェクト部はPT2399をエコーとして使うための回路です。
電源周りとエフェクト部のみ実装しインターフェイス部を実装しない状態で、PT2399の動作を測定しました。
実験に使った基板
1Vppのパルス波を入力し、擬似的なインパルス応答を測定しました。Feedbackは最小にしてDelay1発のみです。
Delay(REPT)最小 Feedback最小
C1:FX_IN C2:FX_OUT
最小ディレイ・タイムは約35msです。
Delay(REPT)最大 Feedback最小
最大ディレイ・タイムは約480msです。
フィードバックを上げるとディレイが繰り返されエコー効果が得られます。
Delay(REPT)最小 Feedback適宜
C1:FX_IN C2:FX_OUT
インターフェイス部
原音は入力の反転増幅回路(増幅率 Av = 100k / 470k ≒ 0.21)と、出力の反転増幅回路(増幅率 Av = 220k / 47k ≒ 4.68)を通って同位相で出力されます。トータルの増幅率は0.21 * 4.68 ≒ 0.98でほぼ1となります。
実験に使った基板
入力部の反転増幅回路の出力 ±1Vpp/1kHz入力
Av = 430mV / 2.01V ≒ 0.214
入力部の反転増幅回路の出力 ±5Vpp/1kHz入力
C1:IN1 C2:FX_IN
Av = 2.10V / 9.97V ≒ 0.211
±1Vppでも±5Vppでもほぼ設計値通りの増幅率となっています。
なお、増幅回路で+2.5V(VGND)のバイアスを掛けていますがこれは不要でした。反転増幅回路の非反転入力は普通にGNDに接続してかまいません。PT2399の入力端子に2.5Vのバイアスがかかっているため、ACカップリングすればOKです。
入力部の反転増幅回路の周波数特性
周波数特性を見ると800kHz付近でピークが出ているので軽く位相補償を掛けたほうがよさそうです。
出力 ±1Vpp/1kHz入力
C1:IN1 C2:OUT
出力 ±5Vpp/1kHz入力
トータルでは増幅率はほぼ1となっています。
出力の周波数特性
逆位相出力
逆位相出力(INV_OUT)は原音に関しては同位相です。エフェクトを逆位相でMIXするものです。
逆位相出力 ±1Vpp/1kHz入力
C1:IN1 C2:INV_OUT
逆位相出力 ±5Vpp/1kHz入力
C1:IN1 C2:INV_OUT
逆位相出力の周波数特性
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