2022年12月11日日曜日

2164VCA V2164を使用したVCA(Exp特性)の製作

 CoolAudio社のV2164を使ってVCA(Exponential特性)を製作しました。V2164については「V2164動作確認」で書きました。



回路図

ブレッドボードテスト用配線


工夫した点


  • ピン互換でLinera特性のAS3340も使えるようにフットプリントを追加。JP1、C15。
  • CV入力のオフセットを設定するトリムを追加。RV1。
  • CV入力状態を示すLEDを追加。LED1、LED2。

ALFA製のAS3364は2164とピン互換でLinear特性のVCAチップです。2164とはPin1の使用法が異なっており、2164と3364を切り替えて使用できるように半田ジャンパとコンデンサのフットプリントを追加しました。AS3364については未テストなので、現段階で動作するかは不明です。

V2164動作確認」で書きましたが、CVが0Vのときに出力も0Vにするためには、CVにバイアスを掛ける必要があります。トリム(RV1)で、U1周辺の反転増幅回路の非反転端子にバイアス電圧を入力するようにしました。CV入力が0Vのときに出力がぎりぎり無音になるようにRV1を設定します。U1、U2のPin5で電圧測定できるので、+1.3V~+1.4V程度で調整します。

CVに入力が来ているかどうかを示すLEDを付けました(LED1、LED2)。LEDはパネルに取り付け、カソード側をGNDにつなぎます。LEDドライバはバイポーラトランジスタを使用しており、単純に点滅するだけでなく、CVの電圧に追従してLEDのじんわりと明るくなったり暗くなったりします。D1、D2は逆電圧がかかった場合の保護用です。

入出力の測定


入出力波形


IN: 200Hz/±5Vp-pサイン波
CV: ArEGから入力

CH1

C1:OUT C2:CV

CH2

C1:OUT C2:CV

Exponential特性のためCVに入力したEGのカーブよりも振幅が急峻に変化します。とくにアタックはEGは上に膨らんだカーブですが、出力振幅は下に膨らんだカーブになっているのが特徴的です。

OTA_VCA

C1:OUT C2:CV

同じ信号を入力したLinear特性のOTA_VCAの出力波形です。包絡線はEGの波形そのままです。

周波数特性


CH1 入力=5V CV=5V


CH2 入力=5V CV=5V

実際に音出ししてみると、Linear特性のOTA_VCAがオルガン的なのに比べてExponential特性の2164VCAはピアノ的だと言えると思います。Exponential特性でもEGのADSRをそれぞれ大きめに設定すればオルガン的な音も出せます。

メモ


出力振幅が小さい。±5Vp-p入力でIN、CVのPOTをともに最大にしたが、出力振幅が最大±2Vp-p程度。ボード線図でも-16dB程度に。
→R2、R3の抵抗値を調整すればよい?

LEDの輝度が低い
→R9、R11の抵抗値を調整すればよい?

ボード線図を見ると出力の位相が反転。
→入力か出力に反転アンプを入れる?

5mmのLEDをは、アクリルパネルに5mm弱の穴を開け押し込んで固定できます。接着剤不要。穴径は小さめの穴をドリルで開けてリーマで調整します。

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