2019年6月4日火曜日

アクティブLPFと積分器の違い

ローパスフィルタと積分器は兄弟みたいなものですが、決定的な違いがあります。

時定数がかかっているかいないかです。

シミュレーション


1kHz/2Vp-pの矩形波を入力して応答をシミューレーションしました。

RCフィルタ 一次LPF


抵抗とコンデンサを使ったパッシブLPFです。

回路図

時定数: τ = R * C = 0.1 [ms]
カットオフ周波数: fc = 1 / (2 * π * R1 * C1) ≒ 1.6 [kHz]

過渡解析

アクティブ一次LPF


RCフィルタのような特性で増幅率も設定可です。

回路図

カットオフ周波数: fc = 1 / (2 * π * R2 * C1) ≒ 1.6 [kHz]
増幅率: Av = -(R2 / R1) = -1

過渡解析

反転回路なので、出力は反転していますが、過渡応答はRC LPFと同様です。

積分器


リニアに積分される回路です。積分を数値として扱うなら、時定数がかかっていない「積分器」が一番正確です。でも、「音」という自然現象はそれほどきっちりしていなく、場合によっては、時定数のかかったぬるい波形の方が味があったりすると思います。

回路図

アクティブ一次LPFの帰還抵抗を外した形です。R2 = ∞ とすると、カットオフ周波数 fc = 0 [Hz]、増幅率 Av = -∞です。

.tranコマンドにstartupオプションを付けてシミューレーションしています。

過渡解析

.tranコマンドにstartupオプションをつけないと

過渡解析

出力が正電源側に張り付きます。これは実験でも同じような結果になりました。

ブレッドボードで実験


ブレッドボード配線図

入力: SQR_FG
電源: 電流/電圧計付可変両電源
電源電圧: +11.55V / -11.32V
OPAMP: NJM4580DD

RCフィルタ 一次LPF




ch1:IN ch2:OUT

入力の矩形波がビビっているのはSQR_FGの出力の駆動力不足です。←AVRのGPIO出力を300ΩのPOTで分圧している。

アクティブ一次LPF



ch1:IN ch2:OUT

積分器



ch1:IN ch2:OUT

シミューレーションと同じように出力が正電源側に張り付いています。

1MΩの帰還抵抗を入れると



ch1:IN ch2:OUT

矩形波が積分されてリニアな三角波が出力されます。

この場合、以下のようなアクティブ一次LPFになります。

カットオフ周波数: fc = 1 / (2 * π * R2 * C1) ≒ 16 [Hz]
増幅率: Av = -(R2 / R1) = -100

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