2022年4月6日水曜日

ノイズジェネレーター NOS02 Ver.1.1の製作 トランジスタの品種による違い

Ver.1.0を作った結果が芳しくなかったので、ノイズ発生回路を見直してVer.1.1として製作しました。


参考

回路図

J2より左側がホワイトノイズ発生回路です。ホワイトノイズ発生回路は2種試せるようにしていて、上側のQ1(またはQ2)、Q3で構成される回路と、下側のQ4(またはQ5)、Q6で構成される回路をSW1で切り替えます。それぞれトランジスタの端子順がECBとCBE(またはEBC)のものを排他的に利用できるようにしています。

U2Bの非反転増幅回路で出力レベルを適宜増幅します。

J2より右はフィルタ回路でノイズにカラーを与えるものです。詳しくは次回に。

回路とトランジスタの品種による違い


上側のホワイトノイズ発生回路をType1、下側をType2とします。トランジスタは2SC1815、2N2904、BC547L(後継品)を差し替えて比較しました。

出力レベルを調節するトリムBV1の回転位置を変えずに比較しました。

電源: ±12V (自作安定化電源)

出力波形


Type1 2SC1815

Type1 2N3904

Type1 BC547L

2SC1815は2N3904に比べて大きな波が少なく、BC547Lは右肩下がりの曲線が目立ちます。

Type2 2SC1815

Type2 2N3904

Type2 BC547L

Type2は逆に右肩上がりの曲線が現れます。2SC1815の振幅が小さく、BC547Lは曲線が顕著です。

スペクトラム


Type1 2SC1815

Type1 2N3904

Type1 BC547L

Type1のスペクトルの平坦さは2SC1815 > 2N3904 > BC547Lです。

Type2 2SC1815

Type2 2N3904

Type2 BC547L

Type2のスペクトルの平坦さも2SC1815 > 2N3904 > BC547Lです。Type1に比べると出力レベルは少し大きくなっています。

Type2の問題


安定化電源ではなくERK01のPSUから電源を取ったっ場合、Type2の回路はVCOの出力が重畳することがわかりました。

Analog Discovery 2では確認できませんでしたが、オーディオインターフェイス+WaveSpectraで観察するとピークが現れます。耳でもはっきり聞こえます。

Type1 2SC1815

Type2 2SC1815

Type2では60Hzと170Hz付近にピークがあります。VCOの周波数を変えると170Hzのピークが追従して動きます。おそらく電源経由で混入しているものだと思います。また60HzのピークはVCOの周波数と無関係なので商用電源由来のものでしょう。

回路図のC19は+12V電源からノイズを発生させるQ5のコレクタに接続されています。0.1uFの170Hzでのリアクタンスは約9.4kΩなので、コレクタ抵抗R14の680kΩと比較してかなり小さな値となります。電源に混入した信号の交流成分がC19を通過し、後段のトランジスタQ6とOPアンプU2Bの増幅回路で増幅された結果かも知れません。

メモ


U2Bの増幅率を設定するRV1の端子順が逆。可変抵抗の端子順はいつも間違えてしまいます。

トランジスタの個体差により、エミッタ接地回路の増幅率や発生するノイズの特性が異なる可能性はあります。

最終的には音として聴いたときにどうなるかですが、ホワイトノイズとしての特性が良いかどうかも測定してみたいと思っています。出力電圧の分布を見れば良い?

東芝製の2SC1815は入手難です。後継品の2SC1815Lは手持ちがないのでいずれ試してみるつもりです。

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