2017年9月23日土曜日

ノイズ・ジェネレータ―の実験

回路図

※回路図はLTSpiceで書いたが、シミュレーションできない。

「達人と作るアナログシンセサイザー入門」とLe coin de F4GRXさんの記事を参考にしました。


Analog 2.0の回路図は公式サイトに掲載されています。http://gaje.jp/analog20/noise_mixer.html

定数はcoin de F4GRXさんの記事を引用。gaje.jpさんのブログ記事によるとノイズ発生用のTrはBC547がいいと書いてあるが、手持ちの2SC1815を使った。

Trのベース・エミッタ間に逆電圧をかけるとノイズが発生する(アバランシェ降伏というらしい)ことを利用した回路で、そのままではレベルが低いのでエミッタ接地増幅回路で電圧増幅している。(Analog2.0はPNP Trのエミッタ接地)

Trのベース・エミッタの絶対定格(2SC1815の場合は5V)を越えて電圧をかける必要があるので、Trは壊れる。

Q2のエミッタ接地回路はC2で接地されているので交流の増幅率はhFEになる。

電源電圧が低いとノイズの出力レベルが低いので、後段にOPAMPの非反転増幅回路も入れてみた。

回路図

OPAMPはNJM4580を使い、電源は両電源とし、電源電圧を変えながら測定してみた。

ブレッドボード配線図


電源電圧:±2.5V VCC-VEE実測値:5.0V

ch1:OUT2 ch2:OUT1

ノイズはほとんど発生しない。

電源電圧:±5V VCC-VEE実測値:9.97V

ch1:OUT2 ch2:OUT1

OUT1:460.0mV
OUT2:2,060mV

10Vかけるとノイズが発生する。

電源電圧:±6V VCC-VEE実測値:11.95V

ch1:OUT2 ch2:OUT1

OUT1:1,380mV
OUT2:5,760mV

電源電圧:±7.5V VCC-VEE実測値:14.98V

ch1:OUT2 ch2:OUT1

OUT1:2,880mV
OUT2:10,560mV

電源電圧を上げると出力ノイズレベルも大きくなる。

WaveSpectraでFFT


WaveSpectraで可聴帯域のスペクトルを見てみた。信号レベルが大きいとオーディオ・インターフェイスが心配なので一部のみ。オーディオ・インターフェイスの入力はGuitar入力(入力インピーダンス:1MΩ)にした。

電源電圧:±5V VCC-VEE実測値:9.97V
オペアンプによる増幅前

電源電圧:±5V VCC-VEE実測値:9.97V
オペアンプによる増幅後

電源電圧:±7.5V VCC-VEE実測値:14.98V
オペアンプによる増幅前

オペアンプによる増幅前だと1kHz以下が減衰している。

オシロによるFFT


電源電圧:±7.5V VCC-VEE実測値:14.98V
オペアンプによる増幅前

全幅1kHz(100Hz/Div)で特に減衰しているようにも見えない。

オーディオ・インターフェイスの入力が影響しているかもしれないので、OPAMPをTL072(FETタイプで入力インピーダンスが高い)のボルテージフォロア、回路図のR4を1MΩにしてOUT2を測定。

電源電圧:±7.5V VCC-VEE実測値:14.98V
TL072 ボルテージフォロア

低域の減衰はかなり抑えられる。

エミッタ接地の出力インピーダンスが4.7kΩ程度あるのとC3でAC結合しているのが影響しているのか?C2の容量もあやしい。

実験後のTrの特性


AVRトランジスタテスターで実験後Trの特性を測定してみた。

Q1(2SC1815-GR)
B=297
Vf=690mV

Q2(2SC1815-Y)
B=172
Vf=706mV

Q1はもっとわかりやすく壊れるかと思ったがそうでもないようだ。

メモ:


アバランシェ降伏によるノイズはツェナーダイオードでもできるらしい。

トラ技2015年8月号の「楽器エフェクタ製作集」にはCMOSロジックICのインバーター(Unbuffer)を使ったノイズ・ジェネレーターの回路が載っている。74HCシリーズでもできるんだろうか?

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