2019年10月21日月曜日

ウィーンブリッジ発振回路の2つの抵抗の誤差

ウィーンブリッジ発信回路の発振周波数を2連POTで制御するとき2つのチャンネル間の誤差がどれぐらい特性に影響を与えるか実験してみました。

シミュレーション回路図

R4とR5が2連POTです。実験のためR4=4.7kΩとし、R5は3.9kΩ+αΩのRを直列にして誤差を作ることにしました。
3.9kΩ+560Ω=4.46kΩ
3.9kΩ+680Ω=4.58kΩ
3.9kΩ+820Ω=4.72kΩ
3.9kΩ+1kΩ=4.9kΩ
3.9kΩ+1.2kΩ=5.1kΩ
過渡解析

R4とR5の誤差によって振幅が大きく変わります。OPAMPの正帰還に入っているバンド・パス・フィルターの選択度が誤差により変わるためでしょう。

バンド・パス・フィルター部分のみ取り出してシミュレーションしてみました。

シミュレーション回路図

過渡解析

バンド・パス・フィルター部の特性は誤差があってもそれほど大きく変わらないようですが、発振回路に入れると大きく影響するようです。

ブレッドボードで回路を組んで実験してみました。

ブレッドボード図


電源電圧: +9.05V / -9.03V
R1(5kΩ Trim)の抵抗値: 2.04kΩ

3.9kΩ+470Ω=4.37kΩ

3.9kΩ+560Ω=4.46kΩ

3.9kΩ+680Ω=4.58kΩ

3.9kΩ+820Ω=4.72kΩ

3.9kΩ+1kΩ=4.9kΩ

3.9kΩ+1.2kΩ=5.1kΩ

3.9kΩ+1.5kΩ=5.4kΩ

発振せず。

シミュレーションと似たような結果になりました。

出力振幅さえうまくカバーできれば2連POTのチャンネル間の誤差が多少大きくても発振してくれるようです。シミュレーション回路図のR4の値で増幅率を変えられるのである程度融通が利くと思います。

歪率は測定していませんが、波形を目で見た限りではそれほど歪んではいないようです。

オーソドックスなウィーンブリッジで低歪率を要求されることはそれほどないと思いますし。

【追記:2019.10.23】

比較抵抗値(Ω) 4700
ベース抵抗値(Ω) 3900

直列抵抗値(Ω) 合成抵抗値(Ω) 誤差
470 4370 -7.02%
560 4460 -5.11%
680 4580 -2.55%
820 4720 0.43%
1000 4900 4.26%
1200 5100 8.51%
1500 5400 14.89%

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