nichicon ES 10uFの25V品と50V品のインピーダンス特性をAnalog Discovery 2で測定しました。
左が25V品、右が50V品です。外形サイズはかなり異なります。
25V品
50V品
サイズから予想される通り、共振点は25V品が270kHz付近、50V品が160kHz付近と25V品の方が高い周波数までキャパシタとして働いています。ESRは50V品の方が低くなっています。
nichicon ES 10uFの25V品と50V品のインピーダンス特性をAnalog Discovery 2で測定しました。
左が25V品、右が50V品です。外形サイズはかなり異なります。
サイズから予想される通り、共振点は25V品が270kHz付近、50V品が160kHz付近と25V品の方が高い周波数までキャパシタとして働いています。ESRは50V品の方が低くなっています。
ノコギリ波(1kHz/±1Vpp)を入力して各部の波形を測定しました。
回路図
入出力(シミュレーション)
入出力(実機)
V6(シミュレーション)
V6(実機)
V7(シミュレーション)
V7(実機)
V8(シミュレーション)
V8(実機)
V9(シミュレーション)
V9(実機)
VB9(シミュレーション)
VB9、VB10(実機)
V10(シミュレーション)
V10(実機)
入出力(実機)
V10(実機)
プリント基板を焼いてもらったトランジスタ・ラダー・フィルターですが、一部回路が間違っており、OPAMPを使った差動増幅回路の反転/非反転端子を逆に接続していました。
非反転端子に正帰還をかけてしまっていて、これでは出力波形の振幅が振り切れてしまいます。正しくは反転端子に負帰還をかけてやる必要があります。
プリント基板なので配線をいじるのが大変なので、ICソケットとジュンフロン線を使ってOPAMP(NJM4580DD)の反転/非反転端子を入れ替えたものを作ってしのぎました。
また、以前書いたようにトランジスタのフットプリントの幅が狭く、はんだがブリッジしてしまい、最初にはんだ付けしたものは修正しているうちにどうやらTrを破壊してしまったようです。
改めて2枚めをはんだ付けして無事動作しました。
部品を交換して定数を変更したり、測定用のプローブを当てやすいように製作しました。
Resonanceをうまく調整すると発振波形が重畳します。
サイン波を入力してもCutoff/Resonanceを調整するとかなり歪な波形が出力されます。
LTSpiceの「Place .op Data Label」機能(配線の上で右クリックで出てくるメニューで選択)で、無信号時のDC電位を表示しました。
実際の回路でテスタを使ってGNDからの電位を測定したものです。
AliExpressで購入したNE5532とTL072がパチもんくさいので、Analog Discovery 2を使ったOPAMPチェッカーのOPACHK_AD2で特性を測定しました。
測定条件
NE5532P(パチもん)
NE5532P(正規品)
NJM4558D
パチもんのNE5532Pは帯域を見るとNJM4558D相当のようです。
TL072CP(パチもん)
TL072CP(正規品)
LM358N
パチもんのTL072CPは高域の周波数特性の暴れ方を見るとLM358N相当のようです。
10kHz/±1Vの矩形波を入力
NE5532P(パチもん)
NE5532P(正規品)
NJM4558D
パチもんのNE5532Pはスルーレートを見てもNJM4558D相当のようです。
TL072CP(パチもん)
TL072CP(正規品)
LM358N
パチもんのTL072CPはLM358のようにスイッチング歪(クロスオーバー歪)が出ています。出力段がB級プッシュプルのようです。
以上より、パチもんのNE5532Pは4558相当、パチもんのTL072CPはLM358相当の製品だと思われます。
比較対象として数種のOPAMPを同じ条件で測定しました。
NJM4556AD
NJM4580DD
NJM072BD
NJU7032D
NJM4556AD
NJM4580DD
NJM072BD
NJU7032D
CMOSタイプのNJU7032は正側が1.3V程度で、2倍の増幅になっていません。周波数特性のグラフでも10dBに届いていません。他の個体でも同様です。こういうものなのでしょうか。OPAMPとしてどうかなと思いますが。
NJU7032のデータシートを見ると出力電流は1mAで頭打ちになるようです。意外と少ないんですね。
負荷抵抗を2kΩとしているので、±1V入力2倍増幅で十分振幅が増幅されなかったのはこの制限のためでした。2V出力時の出力電流IOは、
IO = 2[V] / 2[kΩ] = 1[mA]
となります。
入力波形をサイン波にして、負荷抵抗が2kΩと100kΩにした場合の出力波形を測定しました。
負荷抵抗 RL=2kΩ
負荷抵抗 RL=100kΩ
負荷抵抗を100kΩにするとクリップされることなくきれいなサイン波が出力されています。また、負側(OPAMPにとっては電流吸い込み)は負荷が重くなってもクリップしていません。
反転増幅回路にするとこんな波形になりました。
反転増幅回路 負荷抵抗 RL=2kΩ