以前シミュレーションした、NPNトランジスタでノコギリ波を三角波に変換する回路を、ブレッドボードで実験しました。
この回路はAnalog 2.0のVCOをもとに実験させてい頂いております。
Analog 2.0: https://gaje.jp/analog20/
シミュレーション回路図
過渡解析
一見トランジスタのただのエミッタ接地のようですが、ベース電流Ibがほとんど流れない活性領域と、Ibが流れ出す飽和領域で動作が切り替わります。
活性領域では普通のエミッタ接地のように(むしろエミッタ接地ではこの領域に収まるようにバイアス電圧などを調節する)出力が反転、飽和領域はトランジスタをスイッチング動作させる場合に使いますがコレクタ電流がベース電流に比例するようになります。トランジスタのIC-VCE特性によるものですがほとんど直線的に切り替わるのはちょっとびっくりします。
R1の値でコレクタ電流を調整しますが、シミュレーションではR1=12kΩ付近で特性が切り替わるポイントが噛み合い、出力が三角波状になります。
ブレッドボード配線図
Tr:2SC1815-GR
入出力波形
トリムを調節して三角波にした状態です。出力は-1.1V~+4.2V程度の振幅になっています。
増幅とバイアス
出力の振幅を±5Vにしたいので後段にアンプを入れます。
シミュレーション回路図
U1周りは非反転増幅回路にVREF(+5V)からR6を通してバイアスを掛けた増幅回路です。
過渡解析
出力はほぼ±5Vの三角波になっています。
ブレッドボード配線図
Tr:2SC1815-GR
入出力波形
出力の振幅がほぼ±5Vになっています。
出力される三角波の波形の対象性はとれていませんが、なかなか興味深い回路だと思います。