回路図
信号源の出力レベルの調節が難しいので、入力段でR10=200Ω、R11=1.8kΩで1/10に分圧して実験することにしました。
信号源はPCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPFで、出力インピーダンスはまずまず低い(1kΩ以下)と思います。(参考「PCM5102Aファンクションジェネレータと4次バターワースフィルタのドライブ能力の測定」)
ブレッドボード図
NPN: 2SC1814GR (Vf=693mV β=301)(※)
PNP: 2SA1015GR (Vf=670mV β=293)(※)
信号源: PCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPF
電源電圧: 15.10V
(※)AVRトランジスタテスターで測定
入力段の分圧
1Vp-pのサイン波を入力して、分圧後と比較してみました。
ch1:IN ch2:分圧後
入力INと比較して分圧後(C4の手前)では約1/10の振幅になっています。
入出力
ch1:IN ch2:OUT
前回のシミュレーションと同じように50mVp-p(分圧前は500mVp-p)のサイン波を入力すると、出力がクリップしてしまいました。入力電圧を下げていくとクリップしなくなります。
ch1:IN ch2:OUT
抵抗による分圧で1/10に減衰させても、入力の振幅が小さすぎて測定しにくいです(^q^;
大体50mVp-pとすると1/10に減衰させているので、5mVp-pの入力に対して4.56Vp-pの出力です。増幅率Avは
Av = 4.56Vp-p / 5mVp-p = 912
ということになってしまいます。本来は R4 / R9 = 100程度になるはずですが。
負帰還
これだけ増幅率が大きいと負帰還がかかっていないのでは?と思ってR4を除去してみました。Q2のコレクタ出力からQ1のエミッタに帰還がかからなくなるのでオープンループゲインになります。
ch1:IN ch2:OUT
Av = 5.84Vp-p / (50mVp-p * (1 / 10)) = 1168
で、R4=10kΩで帰還をかけた場合より大きくなっています。
帰還率を上げてR4=1kΩにしてみると
ch1:IN ch2:OUT
Av = 1.52Vp-p / (50mVp-p * (1 / 10)) = 304
とR4=10kΩのときより小さい増幅率になるので、負帰還がかかっていないとも思えません。
Trの各端子の電位の測定
Vb1
Ve1
Vc1
Ve2
Vc2
中心値(V)
Vb1: 2.714V
Ve1: 2.012V
Vc1: 9.444V
Ve2: 10.37V
Vc2: 4.757V
LTSpiceでシミュレーションしてみると、下図のようになります。
動作点はそれほど大きな差は無いように見えます。
前回のシミュレーションで見た通り、帰還に関わる電圧・電流が微小なのでわたくしには原因を特定するのは難しそうです(^q^;
「定本 トランジスタ回路の設計」では正しく動作している結果が掲載されているので、ブレッドボードボードでの実験では正しい結果が得られないのかもしれません。
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