2018年2月14日水曜日

Tr回路の実験 負帰還 その2

ブレッドボードで実験しましたが、おかしな結果になってしまいました。

回路図

信号源の出力レベルの調節が難しいので、入力段でR10=200Ω、R11=1.8kΩで1/10に分圧して実験することにしました。

信号源はPCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPFで、出力インピーダンスはまずまず低い(1kΩ以下)と思います。(参考「PCM5102Aファンクションジェネレータと4次バターワースフィルタのドライブ能力の測定」)

ブレッドボード図


NPN: 2SC1814GR (Vf=693mV β=301)(※)
PNP: 2SA1015GR (Vf=670mV β=293)(※)
信号源: PCM5102Aファンクションジェネレータ+4次バターワースLPF
電源電圧: 15.10V

(※)AVRトランジスタテスターで測定

入力段の分圧


1Vp-pのサイン波を入力して、分圧後と比較してみました。


ch1:IN ch2:分圧後

入力INと比較して分圧後(C4の手前)では約1/10の振幅になっています。

入出力



ch1:IN ch2:OUT

前回のシミュレーションと同じように50mVp-p(分圧前は500mVp-p)のサイン波を入力すると、出力がクリップしてしまいました。入力電圧を下げていくとクリップしなくなります。


ch1:IN ch2:OUT

抵抗による分圧で1/10に減衰させても、入力の振幅が小さすぎて測定しにくいです(^q^;

大体50mVp-pとすると1/10に減衰させているので、5mVp-pの入力に対して4.56Vp-pの出力です。増幅率Avは

Av = 4.56Vp-p / 5mVp-p = 912

ということになってしまいます。本来は R4 / R9 = 100程度になるはずですが。

負帰還


これだけ増幅率が大きいと負帰還がかかっていないのでは?と思ってR4を除去してみました。Q2のコレクタ出力からQ1のエミッタに帰還がかからなくなるのでオープンループゲインになります。


ch1:IN ch2:OUT

Av = 5.84Vp-p / (50mVp-p * (1 / 10)) = 1168

で、R4=10kΩで帰還をかけた場合より大きくなっています。

帰還率を上げてR4=1kΩにしてみると


ch1:IN ch2:OUT

Av = 1.52Vp-p / (50mVp-p * (1 / 10)) = 304

とR4=10kΩのときより小さい増幅率になるので、負帰還がかかっていないとも思えません。

Trの各端子の電位の測定


Vb1

Ve1

Vc1

Ve2

Vc2

中心値(V)
Vb1: 2.714V
Ve1: 2.012V
Vc1: 9.444V
Ve2: 10.37V
Vc2: 4.757V

LTSpiceでシミュレーションしてみると、下図のようになります。


動作点はそれほど大きな差は無いように見えます。

前回のシミュレーションで見た通り、帰還に関わる電圧・電流が微小なのでわたくしには原因を特定するのは難しそうです(^q^;

「定本 トランジスタ回路の設計」では正しく動作している結果が掲載されているので、ブレッドボードボードでの実験では正しい結果が得られないのかもしれません。


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