2018年5月11日金曜日

アクティブ・フィルター vs パッシブ・フィルター 4次LPF その2

前回の回路をブレッドボードで実験しました。

AC特性はWaveGene+WaveSpectraで測定。オーディオ・インターフェイスはTASCAM US-144MKII。
WaveGeneで1kHzのサイン波を出力して、1Vp-pになるようにオーディオインターフェースの出力ボリュームを調整。WaveSpectraで-15dBの入力になるようにオーディオ・インターフェイスの入力ボリュームを調整しました。オーディオ・インターフェイスの入力はGuitar入力です。

TASCAM US-144MKIIの入出力を直結してLoopbackの周波数特性を測定しました。

Loopback

ステップ応答は矩形波だけのファンクションジェネレータで1kHz/1Vp-pの矩形波を出力してオシロで測定しました。

電源電圧 ±5V
出力負荷 10kΩ

多重帰還 4次LPF バターワース特性

<追記:2018.05.14> 「多重帰還 4次LPF バターワース特性」の項はブレッドボード配線が間違っていたので実験しなおして書き直しました。 </追記>

回路図

C3の0.15uFは0.1uFと0.047uFのフィルムコンデンサを並列にしました。

ブレッドボード配線


AC特性(シミュレーション)

AC特性(実験)

カットオフ周波数は1kHz付近。2kHz~4kHzあたりを見ると-24dB/oct程度の減衰になっています。

ステップ応答(シミュレーション)

ステップ応答(実験)

ch1:IN ch2:OUT

OUTは1kHzのサイン波状になっていて、出力振幅は840mVで-1.5dB程度です。(正確には入力をサイン波にしないとダメですが)

VCVS 4次LPF バターワース特性


回路図

ブレッドボード配線


多重帰還と比べると1段あたりのRが1本減るだけですが、配線はずいぶん楽になります。

AC特性(シミュレーション)

AC特性(実験)

カットオフ周波数は1kHz付近。2kHz~4kHzあたりを見ると-20dB/oct程度の減衰になっています。少し傾きが緩いでしょうか?

VCVSは多重帰還とは違って入力が-15dBになっています。

ステップ応答(シミュレーション)

ステップ応答(実験)

ch1:IN ch2:OUT

OUTは1kHzのサイン波状なって、振幅は820mVで‐2.2dB程度です。

こちらは入力側のリプルがOUTに現れていません。

パッシブRLC 4次LPF バターワース特性


回路図

R1は1kΩにしました。

ブレッドボード配線

<追記:2018.05.14> C1の挿入位置が間違っていたので画像を修正しました。 </追記>

使用したL(太陽誘電LHL10NB104J)、C(TDK MKT)の実測値(DER DE-5000@1kHzで測定)

Parts L Q ESR
L1 97.77mH 3.25 188.9Ω
L2 97.69mH 3.16 193.6Ω

Parts C D ESR
C1 220.0nF 0.005 3.68Ω
C2 224.3nF 0.003 2.59Ω

AC特性(シミュレーション)

AC特性(実験)

<追記>

AC特性を測定しなおして画像を差し替えました。シミュレーションと似たような特性になっています。

</追記>

シミュレーションと比べるとずいぶん周波数特性がなだらかになっています。ずいぶんようすが異なるのでこれも再度確認したいと思います。

ステップ応答(シミュレーション

ステップ応答(実験

ch1:IN ch2:OUT

<追記:2018.05.14> ステップ応答も測定しなおしました。 </追記>

1kHzのサイン波状になり、出力振幅は400.0mVです。入力に直列に大きなLをいれているため入力波形が歪んでいます。ダンピングファクターが低いパワーアンプにスピーカーをつないだ場合もこんな感じでしょうか。

RLC+Buffer 4次LPF バターワース特性


回路図

ブレッドボード配線


使用したL、Cは上記と同じです。

RLCパッシブフィルタの1段目と2段目の間にボルテージフォロワを入れています。

AC特性(シミュレーション)

AC特性(実験)

カットオフ周波数は1kHz付近。2kHz~4kHzあたりを見ると-24dB/oct程度の減衰です。

ステップ応答(シミュレーション)

ステップ応答(実験)

ch1:IN ch2:OUT

1kHzのサイン波状になり、出力振幅は1.020Vで減衰していません。ボルテージフォロワを入れない場合と同じく入力波形が歪んでいます。

ボルテージフォロワを入れるとパッシブフィルターとしての利点はなくなりますが、それなりに使いどころはあるかもしれません。

メモ:


MFBとRLCの回路を再チェック。

<追記:2018.05.14>

多重帰還で間違って配線した回路をLTSpiceでシミュレーションして、実験結果と比較しました。

間違って配線したブレッドボード配線

シミュレーション回路図

R3の帰還の位置がずれてしまっています。

AC解析(シミュレーション)

AC解析(実験)

シミュレーションの通過域は‐10dB程度になっています。

実験結果の周波数特性のグラフは正規化しているので0dBからになっていますが、入力レベルは-25dBです。本来は-15dB程度になるはずなので、-10dBです。

ステップ応答(シミュレーション)

ステップ応答(実験)

ch1:IN ch2:OUT

シミュレーション、実験とも出力は300mVp-p程度のサイン波になっています。

</追記>

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