多重帰還(MFB)を使うかVCVSを使うか。
回路規模はあまり大きくしたくないのでLPFの次数は6次で検討しました。2回路入りのOPAMPを使えば、AMP/Bufferで使う1回路と合わせて、ICは2個で構成できます。多重帰還(MFB)は1段(2次)で位相が反転するので、6次LPFの場合はトータルで位相反転します。
MFB シミュレーション回路図
MFB のこぎり波 @1kHz
Nucleoから反転波形を出力するようにプログラミングするか、反転回路をどこかに入れるかする必要があります。
VCVSは非反転回路でそのような必要はなく、部品もMFBよりRが1本少なく済みます。
VCVS シミュレーション回路図
VCVS のこぎり波 @1kHz
というわけで今回はVCVSで組むことにしました。
出力部のシミュレーションとテスト
シミュレーション回路図ブレッドボード配線図
OPAMPはNJM4580DDを使用。
周波数特性を測定するため、AD9833ファンクションジェネレータを使いたかったのですが、AD9833モジュールの出力にまちがって過電圧(9V電源!)を印加してしまいどうも壊してしまったようです(T_T;
AD9833モジュールは、Amazonで買ったときは1000円ぐらいでしたが、AliExpressで300円ぐらいで出てたので発注しておきました。治ったら改めて測定したいと思います。
でも、こういうデリケートな出力(高帯域&低電圧出力)を保護するにはどうすればいいんでしょうか。保護抵抗を入れるか、むき出しにせず人身御供のTrバッファを入れておくとかが思い浮かびますが、どちらにしろ出力の特性は悪化しそうです。
SQR_FG での測定
AD9833_FG以外でMHz帯域まで出力できるSQR_FGを使って入出力を測定しました。
AC特性 シミュレーション
1kHz矩形波 シミュレーション
1kHz矩形波 オシロ
10kHz矩形波 シミュレーション
10kHz矩形波 オシロ
20kHz矩形波 シミュレーション
20kHz矩形波 オシロ
20kHzは設計上のカットオフ周波数です。
50kHz矩形波 シミュレーション
50kHz矩形波 オシロ
100kHz矩形波 シミュレーション
100kHz矩形波 オシロ
低域はACカップリングにより減衰します。
2.5Hz矩形波 シミュレーション
2.5Hz矩形波 オシロ
定数
「OPアンプ大全」に載っている<表4-8>ベッセル設計表から
6次ベッセル fc=20kHz
ステージ F0 fc Q
1st 1.606 32120 0.5103
2nd 1.6913 33826 0.6112
3rd 1.9071 38142 1.0234
「OKAWA Electric Design」のフィルター計算ツールを使ってCRの定数を求めました。
MFB 6次ベッセル特性 fc=20kHz
ステージ R1(kΩ) R2(kΩ) R3(kΩ) C1(uF) C2(pF)
1st 3.9 1.2 3.9 0.0015 330
2nd 4.7 8.2 4.7 0.0015 330
3rd 4.7 12 4.7 0.0022 150
VCVS 6次ベッセル特性 fc=20kHz
ステージ R1(kΩ) R2(kΩ) C1(uF) C2(pF)
1st 12 3.3 0.001 680
2nd 12 3.9 0.001 470
3rd 12 6.8 0.001 220
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