AnVCO1の熱結合 (エポキシのみ)
AnVCO2の熱結合 (銅箔テープ+エポキシ)
銅は熱伝導率が良いため銅箔テープで巻くと結合度が上がることが期待できます。
実験
ドライヤーで熱風を当てて温度を上げて出力波形の周波数がどのように変化するか測定しました。
実験のようす
室温(27.8℃~28.0℃)で2台のAnVCOを220Hzのノコギリ波が出力されるように調整し、ドライヤーで熱風を120秒間当て、トランジスタ対の表面温度と出力信号の周波数を測定しました。
温度は自作のサーミスタ温度計でロギングし、周波数はテスタ(OWON B35)でロギングしました。
サーミスタはポリイミドテープでトランジスタ対の熱風が当たる逆側に貼り付けました。
また波形に変化があるか見るために、出力をオーディオインターフェイス(Behringer UMC404HD)に入力しWaveSpectraで録音しました。
時系列
時系列を横軸に取り、表面温度と出力信号の周波数をプロットしました。温度のデータと周波数のデータは同期していないため、ドライヤーのスイッチを入れ値が急に変わるところで合わせました。同じタイミングで値が急に変わることは実験時に目視して確認しています。横軸の目盛りの単位は秒です。
AnVCO1 (エポキシのみ)
AnVCO2 (銅箔テープ+エポキシ)
銅箔テープで巻いたAnVCO2の方が元の周波数220Hz付近に戻るのが速くなっています。周波数の低下もAnVCO2の方が小さくなっています。
また、温度が上昇すると周波数が低下しますが、温度と周波数が比例しているわけでなく、急激に温度上昇した場合に大きく周波数が低下し、温度変化が少なくなると高温時でも周波数は220Hz付近に復帰しています。
表面温度 VS 周波数
表面温度軸と周波数軸でプロットしました。
AnVCO1 (エポキシのみ)
AnVCO2 (銅箔テープ+エポキシ)
銅箔テープで巻いたVCO2の方が温度に対して周波数が安定しています。温度上昇時からの復帰が速いですね。また、温度と周波数が1対1対応しているわけではないことがわかります。
以上、まとめると、トランジスタ対を熱結合するときは銅箔テープで巻いた方が周波数安定度が向上すると言えそうです。
出力波形
録音した信号の波形ですが、温度が上昇しても波形の乱れは見られませんでした。
AnVCO2:周波数が下がった状態
メモ:
OWON B35は以前使っていたスマホHUAWEI P8 Liteでは専用アプリでBluetooth接続できますが、最近の端末(Google Pixel 3aやiPad Air2)では接続できません。Bluetoothのバージョンによるものだと思います。今回は退役したP8 Liteを使ってロギングしました。True RMSタイプのOWON B35TはBluetoothのバージョンが上なので新しい端末でも通信可能かも知れません。
昔(工業高校で)、実験した時を思い出しました。
返信削除条件をしっかり整えて、測定方法もきっちり決めて。
実践されているのが凄いと思います。