以前、電圧→電流変換回路をいろいろ実験したが、今回はEDNの「電圧制御のプログラマブル定電流源、デジタルコントロ-ルも容易 (1/2)」を参考にする。
LTSpiceでシミュレーション
シミュレーション回路図
Trの電流増幅率を上げるために、普通のTrとダーリントンTrを使用した場合と比較してみた。
普通のTrを使用
ダーリントンTrを使用
DC解析
普通のTrを使用
ダーリントンTrを使用
DC解析を見比べると、I(Rl)(出力電流)は、2.0V vs 2.0mAあたりを見ると、ダーリントンの方がマス目にあっている。
V(VCC,N003)は、R3の両端の電圧で、この電圧に比例した電流が出力される。
理想Trと理想OPAMPで5V電源だと2mA程度出力するのが上限。
ブレッドボード図
ダーリントンTrは持っていないので、2SA1015と2SC1815をそれぞれダーリントン接続して使った。電流増幅率が大きい方が良いのでともにGRランクを使った。
AVRトランジスタテスターで測定
Tr | hFE | Vf(mV) |
---|---|---|
2SC1815(1) | 380 | 682 |
2SC1815(2) | 322 | 683 |
2SC1015(1) | 304 | 650 |
2SC1015(2) | 299 | 650 |
OPAMPを変えて測定
レール電圧の正側付近を使うので、フルスイングOPAMPを中心に測定してみた。
自作のファンクションジェネレータで2Vp-pの正弦波を出力し、820Ωと3.3kΩのRで電源電圧を分圧し、GNDを+1Vシフトして、正側で振れる正弦波を入力した。
この回路定数では出力電流=入力電圧/1000となり、出力負荷は1kΩのRとしたので、入力電圧と負荷抵抗の電圧が等しくなる。
電源電圧: +5.07V
NJM4580
ch1:入力電圧 ch2:出力電圧
フルスイングではない、定番のNJM4580だと入力電圧が低い場合、出力が反転してしまう。
NJM2732
低電圧で動作するフルスイングOPAMP。0V~2V(0mA~2mA)がほぼ正常に出力される。
AD822
フルスイングOPAMP。450円@秋月とちょっと高い。入力が0Vから立ち上がる時に少しいびつになっている。下降時は正常。
AD8532
低電圧フルスイング。正常に出力される。
NJU7032
CMOSフルスイング。入力が低い時はおかしくなる。
OPA2134
フルスイングとは銘打っていないが、電源電圧4Vから動作し、経験上フルスイングに近い特性。この実験でも正常に出力された。
まとめると、低電圧フルスイングのNJM2732とAD8532、OPA2134が0V~2Vでほぼ正常。次点でAD822.
NJM2732とAD8532は電源電圧の上限が6Vで、電源の制約が少ないOPA2134をまずは使ってみることにする。
負荷抵抗を変えて実験
負荷抵抗の値を変えると、出力電圧も変わるので(E=RI)OPA2134で確認してみた。入力はファンクションジェネレータの出力を最大にして測定。
1kΩ (出力電圧 = 入力電圧)
ch1:入力電圧 ch2:出力電圧
10kΩ (出力電圧 = 入力電圧×10)
100Ω (出力電圧 = 入力電圧/10)
何故だか出力にノイズが乗ってしまった。←原因不明
あまり厳密ではないが、入力:0V~2V、出力:0mA~2mAの範囲で使えそうだ。
<追記:2017.07.21>
OPA2134で測定し直してみた。入力のサイン波の周波数を100Hzに変更した。
1kΩ (出力電圧 = 入力電圧)
ch1:入力電圧 ch2:出力電圧
10kΩ (出力電圧 = 入力電圧×10)
見やすくするために、入力をプラス側にシフトせず電圧も小さくしている。
入力が0V程度の時0V程度、400mA程度の時4V程度出力されている。
100Ω (出力電圧 = 入力電圧/10)
</追記>
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