単純なプッシュプル
シミュレーション回路図
シンプルなプッシュプル回路でR1とR2で分圧してバイアス・ポイントを決める。バイアス回路の電流は1mA流すことにしてそれぞれ4.7kΩとした。
信号源は1kHz/2Vp-pのサイン波。
入出力
出力はスイッチング歪がハッキリと出ている。出力の振幅は負荷RLが100Ωのときで±1.2Vp-p程度、負荷RLが47Ωになるとさらに低下。
エミッタ電流
スイッチング歪はQ1のエミッタ電流Ie(Q1)とQ2のエミッタ電流Ie(Q2)が交代するところで電流が流れないため発生する。
ダイオード1個でオフセットをかけたプッシュプル
シミュレーション回路図
トランジスタのVbe分をダイオードで相殺した回路。バイアス回路の電流は同じく1mA流れるようにしている。
入出力
負荷RLが22Ωあたりまでは大きく歪むことなく出力できている。(10Ωだとはっきり歪む)
また、負荷RLが47Ωと軽いときでも±1.7Vp-p程度に振幅が小さくなっている。
スイッチング歪
出力を拡大してみるとまだスイッチング歪が残っている。
AC解析
高周波数で利得が上がっている。原因不明で高周波数なので実験での確認もできません(^q^;
ダイオード2個でオフセットをかけたプッシュプル
シミュレーション回路図
バイアス回路ではダイオード2個分の電圧をトランジスタにかけて、エミッタ抵抗(R3, R4)でエミッタ電流を制限している。エミッタ抵抗は出力インピーダンスになるので100Ωとした。
入出力
負荷抵抗RLが100Ωの時(青色の線)出力振幅は±1.1Vp-p程度で入力は±2Vp-pなので出力インピーダンスは100Ω程度。RLが47Ωのときは波形が歪んでいる。
スイッチング歪
出力を拡大してもスイッチング歪は見られない。
エミッタ電流
アイドル時のエミッタ電流は概算では<ダイオードのVf> / <エミッタ抵抗> = 0.6V / 100Ω = 6mAになる。2Vp-pの入力で振幅が最大の時は2V / 100Ω = 20mAになる。
Ie(Q1)はQ1のエミッタ電流、Ie(Q2)はQ2のエミッタ電流。シミュレーションではアイドル時で4mA程度、最大16mAp-p程度になった。
負荷RLが200Ωのときはあまり電流が流れないのでNPNとPNPでスイッチングせずにA級動作している。
エミッタ抵抗
V(ve1)はQ1のエミッタ電位、V(ve2)はQ2のエミッタ電位で、この差分(0.8V~2V程度)がR3とR4にかかる。
エミッタ抵抗に流れる電流はエミッタ電流と同じなので、±20mAとしてP = I^2 * R = 20mA × 20mA × 100Ω = 40mWなので、エミッタ抵抗は1/4Wタイプで大丈夫だろう。(実用する場合はもう少し考える必要がありそうですが)
AC解析
高周波数側の減衰はほとんど見られない。
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