スイッチング電源 VT-60
ジャンク品で買ったDESNSEI-LAMBDA VT-60を温存してあるのでこれを使います。
VT-60の仕様
出力電圧 | 最大出力電流 |
---|---|
+5V: | 5A |
+15V: | 1.6A |
-15V: | 0.5A |
±15Vなので、これを3端子レギュレータを使って±12V電源とします。+5Vの方はそのまま。
「スイッチング電源ユニット(DESNSEI-LAMBDA VT-60)のノイズ測定」で測定したように、出力に結構ノイズが乗っています。
スイッチングノイズの周波数は、5V出力が625kHz、±15出力が180kHz程度で可聴帯域外なので放置しても良さそうですが、スイッチング方式のACアダプタにコモンモード・チョークを入れるとノイズが改善されたことがあったので(参考「コモンモード・チョーク・フィルターをACアダプタにかけてみる実験。」)、VT-60にも入れてみてノイズが改善されるかどうかブレッドボードで実験してみました。
コモンモード・チョーク(SCHAFFNER EV20-1.0-02-3M9)の仕様
L nominal(±30%) | 3.9mH |
DC resistance R | 168mΩ |
Rated current I(50℃) 1.0A | |
Weight | 10g |
±15V出力
正負電源それぞれに220Ωの負荷抵抗を入れてノイズを測定しました。
出力電圧
+15V | +15.01V |
-15V | -14.97V |
ch1:+15V ch2:-15V
ノイズの振幅は、+15Vが280mVp-p程度、-15Vが560mVp-p程度です。
±12Vの3端子レギュレータを通す
3端子レギュレーターの7812(ST/L7812)と7912(NJM7912FA)を入れて±12Vを出力しました。
ブレッドボード図
出力電圧
+12V | +12.18V | (誤差:+1.5%) |
-12V | -11.85V | (誤差:+1.25%) |
出力電圧に少し誤差が出ています。
ch1:+12V ch2:-12V
3端子レギュレータを入れただけでもノイズがかなり改善されています。縦軸を拡大(20mV/div)すると
ch1:+12V ch2:-12V
+12V、-12Vともノイズの振幅は50mVp-p程度になりました。
コモンモード・チョークを入れる
3端子レギュレーターの前段にコモンモード・チョークを入れました。
出力電圧
+12V | +12.18V | (誤差:+1.5%) |
-12V | -11.85V | (誤差:+1.25%) |
コモンモードチョークと3端子レギュレーターの間でデカップリングしたほうがいいかどうか迷ったので、100uFのOSコンでデカップリングした場合としない場合を比較しました。
※コモンモード・チョークと3端子レギュレータの間に100uFのOSコンなし
ch1:+12V ch2:-12V
※コモンモード・チョークと3端子レギュレータの間に100uFのOSコンあり
ch1:+12V ch2:-12V
さらにノイズの振幅が減って+12V、-12Vとも30mVp-p程度になりました。コモンモード・チョークと3端子レギュレータの間に100uFのOSコンを入れたほうがノイズが低減されるようです。
+5V出力
+5Vはコモンモードチョークありとなしを比較しました。
ブレッドボード図
470uFのOSコンでデカップリングのみ
デカップリングしてもノイズの振幅は500mVp-p程度残っています。
コモンモードチョークを通す
縦軸を拡大(20mV/div)すると
ノイズの振幅を120mVp-p~90mVp-p程度に低減できました。
メモ:
実装面積との兼ね合いもあるので少し考えます。
でも、アナログ回路の電源なのでできるだけクリーンな電源にしたいな~と。
VT-60の+5V出力は定格5Aなのにコモンモード・チョークが定格1Aなので制限を受けます。
5V出力は負荷の重さによって出力電圧が変動する?
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